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薬機法ライティングで比喩表現は使える?イメージ訴求と効能効果リスクの境界

メインビジュアル「薬機法ライティングで比喩表現は使える?イメージ訴求と効能効果リスクの境界」。 左側に「比喩を通常の文章へ戻して意味を確認」という軸が示されています。 右側上部では「比喩表現」を2つに分類: 1. 「商品・使用感の比喩(質感・香り・泡・仕上がり)」:具体例として「絹のようになめらか」「羽のように軽い」を挙げ、コスメや羽のイラストを配置。 2. 「身体変化の比喩(効能・作用の暗示に注意)」:具体例として「脂肪が溶ける」「体内を掃除する」を挙げ、WEB広告と虫眼鏡のイラストを配置。 右側下部には「通常文へ戻して、“この商品で何が起きる”と読めるか確認」というチェックリストのイラストと確認手順が記載されています。

「肌がしっとりする」という説明を、「絹のようになめらかな肌へ」「乾いた大地に水が染み込むような感覚」と表現すれば、読み手は使用感や仕上がりを具体的にイメージしやすくなります。

比喩表現は、商品の質感や使用感を、読み手が知っている物や体験へ結びつける広告技術です。LP(ランディングページ)、SNS広告、バナー、記事LPでは、短い言葉で印象を残すために、比喩が使われることも少なくありません。

ただし、比喩なら薬機法上問題になりにくい、というわけではありません。

「光を反射するような肌」が美白効果を、「アイロンをかけたような肌」がシワ改善を、「脂肪が氷のように溶ける」が脂肪燃焼を連想させるなど、比喩の内容や画像との組み合わせによっては、効能効果を強く暗示する場合があります。

医薬品等適正広告基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等の広告が虚偽・誇大にわたらないようにすることを目的として定められています。比喩表現であっても、広告全体として承認等の範囲を超える効能効果や保証的な印象になっていないか確認が必要です。

この記事では、化粧品・健康食品の具体例を比較しながら、比喩表現を使う際の判断基準、画像との組み合わせで注意すべき点、商品事実から比喩を作る方法を整理します。

この記事の要点(まとめ)
  • 比喩表現は一律に禁止されているわけではない:商品の質感、使用感、香り、泡、メイクアップによる仕上がりを、読者の経験に結びつけて伝える比喩は活用しやすい場合があります。ただし、身体構造や身体機能の変化を示す比喩は慎重な確認が必要です。
  • 比喩は通常の文章へ戻して確認する:「脂肪が氷のように溶ける」であれば「この商品で脂肪が減る」と読めないか、「体内を掃除する」であれば「老廃物を排出する」と読めないかを確認します。比喩の美しさではなく、読み手が補う意味を見ることが重要です。
  • 画像・動画・CTAで比喩の意味が具体化する:コピー単体では抽象的でも、皮膚断面図、矢印、ビフォーアフター、脂肪が消える動画、体験談、CTAを組み合わせると、特定の効能効果へ意味が限定される場合があります。
目次

薬機法ライティング®で比喩表現は使えるのか

概要図「薬機法ライティングで比喩表現は使えるのか」。
上部に「比喩は一律NGではない。何を、何にたとえているかで確認する」「比喩の形式ではなく、比喩が伝える実質的な意味で判断する」と記載。
中央に分類を提示:
【A 商品・使用感を伝える比喩】
1. 商品の質感(例:絹のようなクリーム / 確認:実際の物性と一致するか)
2. 使用感(例:羽のように軽い / 確認:事実に反しないか)
3. 見た目の仕上がり(例:光をまとった印象 / 確認:美白効果と混同しないか)
【B 身体変化を連想させる比喩は慎重に確認】
4. 身体構造(例:アイロンをかけたような肌 / 確認:シワ改善を暗示しないか)
5. 身体機能(例:体内を掃除するように / 確認:排出・デトックス暗示に注意)
下部に「確認の軸:『AはBのようだ』に戻して“何が起こると読めるか”を確認する(比喩を通常の文章へ戻して、広告全体の印象で判断)」とまとめられています。

薬機法広告で比喩表現を使うこと自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、商品の質感や使用感を表す比喩と、身体構造・身体機能・疾病改善を具体的に連想させる比喩ではリスクが異なります。比喩を通常の文章へ戻し、何が起こると伝えているかを確認することが重要です。

比喩とは、ある物事を別の物事にたとえて伝える表現です。

たとえば、次のような表現です。

  • 絹のようになめらかなクリーム
  • 羽のように軽い使い心地
  • 雲のようなふんわり泡
  • 朝露をまとったようなツヤ感
  • バッグに入る小さな習慣

これらは、商品や使用感を読者の経験へ置き換える表現です。読み手が触れたことのある物、見たことのある景色、日常で体験した感覚と結びつくため、説明だけよりもイメージしやすくなる場合があります。

一方で、比喩は印象を強める表現でもあります。

「乾いた大地に水が染み込むように」
「アイロンをかけたようにシワが伸びる」
「体内を掃除するように」
「脂肪が氷のように溶ける」

このような比喩は、文脈によって、浸透、シワ改善、デトックス、脂肪燃焼などを具体的に想起させる可能性があります。

比喩は商品の感覚を別の物事にたとえる技術

比喩表現の本来の価値は、効能効果をぼかすことではありません。

商品の質感や使用感を、読者が知っている別の物に置き換えることです。

たとえば、「なめらかなクリーム」と説明するより、「絹のようになめらかなクリーム」と書いた方が、なめらかさの質感が伝わりやすくなります。

「軽い使い心地」と書くより、「羽のように軽い使い心地」とした方が、軽さのイメージが具体的になります。

このように、商品そのものや使用時の感覚をたとえる場合は、比喩を活用しやすい場面があります。

直接書いていなくても薬効を暗示する場合がある

注意したいのは、「比喩だから直接表現ではない」と判断してしまうことです。

比喩であっても、読み手が受け取る意味が具体的な身体変化であれば、広告上の確認が必要です。

たとえば、「脂肪が氷のように溶ける」は、言葉としては比喩です。しかし、健康食品の広告で使えば、商品を摂取することで脂肪が減る、燃える、体重が落ちるという印象につながる場合があります。

「体内を掃除するように」も同じです。老廃物の排出、便通改善、血管の詰まり解消などを連想させる可能性があります。

健康食品の表示については、消費者庁が景品表示法・健康増進法上の留意事項を公表しており、直接的な文言だけでなく、健康保持増進効果を暗示する表示にも注意が必要です。

比喩の先に読み手が補う意味を確認する

比喩表現を見るときは、「AはBのようだ」という形に戻します。

そして、Aに何が入るのかを確認します。

Aがクリーム、泡、香り、ジェル、仕上がりであれば、商品や使用感の比喩として整理しやすい場合があります。

一方、Aが脂肪、血管、腸、シワ、真皮、症状、体調であれば、身体構造・身体機能・疾病改善の比喩になっていないか慎重に確認します。

比喩の対象例主な確認点
商品の質感絹のようなクリーム実際の物性と一致するか
使用感羽のように軽い事実に反しないか
見た目の仕上がり光をまとったような印象美白効果と混同しないか
身体構造アイロンをかけたような肌シワ改善を暗示しないか
身体機能体内を掃除するように排出・デトックス暗示に注意

比喩の形式ではなく、比喩が伝える実質的な意味で判断します。

比喩表現が広告で伝わりやすい理由

比喩表現は、商品の質感や使用感を、読者が知っている物や体験へ置き換えることで、短時間でイメージしやすくする技術です。ただし、読者に強く伝わるほど、身体変化や効果保証の印象も強くなる可能性があるため、連想される内容を確認する必要があります。

抽象的な感覚を具体的な像へ変換できる

「なめらか」「軽い」「みずみずしい」「濃密」といった言葉は、便利ですが、やや抽象的です。

比喩を使うと、この抽象的な感覚を具体的な像へ変換できます。

説明的な表現比喩を使った表現
なめらかな肌絹のようになめらかな肌
軽いクリーム羽のように軽いクリーム
濃密な泡雲のようなふんわり泡
みずみずしいジェル水滴を閉じ込めたようなジェル
香りが広がる花束を開いたように広がる香り

比喩は、商品を使ったときのイメージを短く伝える助けになります。

読者の五感と経験に結びつきやすい

比喩が伝わるのは、読者がその対象を知っているからです。

  • 絹に触れたことがある
  • 羽の軽さを想像できる
  • 雲のふんわり感を知っている
  • 朝露のツヤを見たことがある

このような過去の経験と結びつくことで、広告表現は記憶に残りやすくなります。

ただし、読者が経験したことのない比喩は伝わりません。ターゲットの年齢、生活背景、商品理解に合う比喩を選ぶことが大切です。

同じく五感にアプローチする方法として、「薬機法ライティングでオノマトペは使える?健康食品・化粧品での注意点と表現設計」があります。

ターゲットに伝わる比喩を選ぶ

比喩は、美しければよいわけではありません。

高級感を出したいからといって、読者が質感をイメージできない素材を選ぶと、広告としては伝わりにくくなります。

また、比喩が強すぎると、効能効果の印象も強くなります。

「絹のようなクリーム」は商品物性の比喩として成立しやすい場合があります。一方、「絹のようにシワのない肌へ」とすると、シワ改善の印象が強くなる可能性があります。

比喩は、伝わるからこそ、何が伝わるのかを確認する必要があります。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
比喩表現の価値は、効能効果を遠回しに言えることではありません。説明だけでは伝わりにくい質感や使用感を、読み手が知っている経験へ結びつけられることにあります。「なめらかなクリーム」と書くより、「絹のようになめらかなクリーム」と書く方が、触れたときの感覚を想像しやすくなります。ただし、比喩は強く伝わるため、身体変化へ使うと直接表現以上に効果を印象づけることがあります。まず、商品そのものをたとえているのか、使用者の身体が変化する様子をたとえているのかを分けて確認することが大切です。

化粧品広告で活用しやすい、薬機法ライティング®を用いた比喩表現の事例

対比図「化粧品広告の比喩表現 — 活用しやすい方向と、注意が必要な方向」。
「商品・使用感・メイク効果の比喩か、肌変化の暗示かで確認」という指標のもと、5つの軸で対比されています:
1. 商品物性:【活用しやすい】絹のようなクリーム ↔ 【注意が必要】絹のようにシワのない肌
2. 使用感:【活用しやすい】羽のように軽い使い心地 ↔ 【注意が必要】羽のように若返る肌
3. 泡:【活用しやすい】雲のようなふんわり泡 ↔ 【注意が必要】雲のように毛穴が消える
4. ツヤ:【活用しやすい】光をまとったメイク印象 ↔ 【注意が必要】肌そのものが白く発光する
5. なめらかさ:【活用しやすい】陶器のようなメイク仕上がり ↔ 【注意が必要】毛穴が完全になくなる
下部に「確認ポイント:比喩の形式ではなく、何が変わると読めるかで判断する(商品・使用感・メイク効果にとどまる比喩として設計する)」と記載されています。

化粧品広告では、商品のテクスチャー、塗布時の使用感、泡、香り、メイクアップによる仕上がりを表す比喩は活用しやすい場合があります。ただし、肌そのものが別の物質へ変化する、シワや毛穴が消える、肌が白くなるといった意味へ読める場合は注意が必要です。

化粧品では、使用感やメイクアップ効果を伝える場面が多くあります。

厚生労働省の通知では、化粧品の効能の範囲が整理されており、たとえば「毛髪につやを与える」「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「乾燥による小ジワを目立たなくする」などが示されています。

また、通知上、化粧くずれを防ぐ、小じわを目立たなく見せる、みずみずしい肌にみせる等のメーキャップ効果や、清涼感・爽快感等の使用感は、事実に反しない限り認められる旨も示されています。

そのため、化粧品では「商品そのもの」「塗布時の感覚」「メイクアップによる仕上がり」と、「肌構造そのものの変化」を分けて考えることが重要です。

テクスチャーを伝える比喩

商品の事実比喩表現例確認ポイント
なめらかなクリーム絹のようになめらかなクリーム商品の物性か
軽い乳液羽のように軽い使い心地実際の使用感か
濃厚なバームバターのようにとろけるバーム温度・物性と一致するか
ジェル状水滴を閉じ込めたようなジェル肌効果へ飛躍しないか
泡が細かい雲のようなふんわり泡泡の状態を表しているか

これらは、商品そのものや使用時の感覚をたとえる方向であれば、比較的整理しやすい表現です。

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 肌が絹そのものに生まれ変わる
  • 羽のように肌が若返る
  • 水滴が肌の奥まで満ちていく
  • バターのようにシワが溶ける

比喩対象が商品から肌の変化へ移ると、効能効果の暗示が強くなる場合があります。

塗布感・使用感を伝える比喩

活用しやすい方向としては、次のような表現があります。

  • ヴェールをまとうような使用感
  • 肌の上をすべるようになじむ
  • 風が触れるような軽い使い心地
  • クッションに包まれるような泡
  • 手のひらでほどけるようなバーム

これらは、塗布時の感覚や商品物性を伝える方向です。

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 美容成分のヴェールが肌を一日中完全に守る
  • 真皮へ滑り込むように届く
  • 肌の奥で成分が花開く
  • 塗った瞬間にシワがほどける

「使用感」から「作用」「浸透」「保証」へ飛躍していないかを確認します。

メイクアップによる仕上がりを伝える比喩

メイクアップ効果では、見た目の印象を比喩で伝えることがあります。

活用しやすい方向としては、次のような表現があります。

  • 光をまとったような仕上がり
  • 花びらのようにやわらかな印象
  • 陶器のようになめらかなメイク印象
  • 朝露をまとったようなツヤ感
  • シフォンのように軽やかな仕上がり

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 光を反射して肌そのものが白くなる
  • 陶器のように毛穴が完全になくなる
  • 一瞬で真珠のような白肌に
  • シフォンのようにシワのない肌へ

メイクアップによる見た目なのか、肌そのものの変化なのかを明確にします。また、メイクアップでも過度の効果の保証はガイドライン上NGとされています。

比較軸活用しやすい方向注意が必要な方向
商品物性絹のようなクリーム絹のようにシワのない肌
使用感羽のように軽い使い心地羽のように若返る肌
泡雲のような泡雲のように毛穴が消える
ツヤ光をまとったメイク印象肌そのものが白く発光する
なめらかさ陶器のようなメイク仕上がり毛穴が完全になくなる

化粧品広告では、比喩対象が商品・使用感・メイク効果にとどまっているかを確認することが大切です。

化粧品広告で注意したい浸透・美白・シワの比喩

化粧品広告では、「乾いた大地」「光」「アイロン」「盾」などの比喩が、うるおい、ツヤ、なめらかさ、保護感を分かりやすくする一方、肌深部への浸透、美白、シワ改善、完全な防御を暗示する場合があります。比喩を通常の効能表現へ戻して確認することが重要です。

「乾いた大地に水が染み込むように」の事例

「乾いた大地に水が染み込むように」は、うるおい感を直感的に伝えやすい比喩です。

ただし、使い方によっては、過度な浸透を印象づける場合があります。

比較的説明しやすい可能性がある方向は、次のようなものです。

  • 乾燥した肌にうるおいを与える使用感のイメージ
  • 商品テクスチャーや塗布感の説明
  • 必要に応じて「角質層まで」など、表示範囲を明確にした表現

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 乾いた大地の奥深くまで水が届くように、肌深部へ浸透
  • 真皮まで水分が満ちる
  • 肌細胞一つひとつへ水分が染み渡る
  • 一度の使用で乾燥が完全に回復する

比喩であっても、到達範囲や作用部位が具体化されると、浸透表現として確認が必要です。

「光を反射するような肌」の事例

「光を反射するような肌」は、メイクアップによるツヤや仕上がりを表す方向で使われることがあります。

比較的説明しやすい可能性がある方向は、次のようなものです。

  • メイクアップによるツヤ感
  • 光の反射による見た目の仕上がり
  • パール剤等による化粧効果

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 肌そのものが白くなる
  • シミやくすみが消える
  • 内側から発光する白肌になる
  • 美白効果が即時に現れる

「光」という比喩は、ツヤ、明るさ、透明感を表す一方で、美白やシミ改善に近づきやすい表現でもあります。

「アイロンをかけたような肌」の事例

「アイロンをかけたような肌」は、なめらかさを伝える比喩として使いたくなる表現です。

しかし、アイロンには「シワを伸ばす」という強い連想があります。

注意が必要な方向は、次のとおりです。

  • シワが伸びる
  • たるみが平らになる
  • 一度の使用で凹凸がなくなる
  • 恒常的なシワ改善

再設計する場合は、次のような方向が考えられます。

  • なめらかな使用感
  • メイクアップで凹凸を目立ちにくく見せる
  • 肌にハリを与える範囲との整合確認
  • 商品物性や塗布感へ訴求を戻す

「膜・バリア・盾」の事例

「膜」「バリア」「盾」は、保護感を伝える比喩として使われます。

活用可能性がある方向としては、次のようなものがあります。

  • ヴェールをまとうような使用感
  • メイクアップ膜の見た目
  • 皮膚を保護する等、表示可能範囲との整合

一方で、次のような表現には注意が必要です。

  • 外部刺激を完全に遮断する
  • 菌・ウイルスを防ぐ盾になる
  • 一日中絶対に乾燥しない
  • 肌機能が再生する

比喩が「保護感」ではなく「完全防御」や「性能保証」になっていないか確認します。

比喩読み手が補う可能性のある効果主な確認点
乾いた大地に水が染み込む深部浸透・乾燥回復浸透範囲
光を反射する肌美白・シミ消失メイクアップ効果か
アイロンをかけた肌シワ改善肌構造変化か
盾のような膜完全防御保護範囲・保証表現

美しい比喩ほど、具体的な薬効へ変換されていないかを確認することが重要です。

健康食品広告で注意したい比喩表現の事例

健康食品広告では、「掃除する」「溶かす」「燃やす」「流す」「エンジンをかける」などの比喩が、デトックス、脂肪燃焼、代謝促進、血流改善、排便促進を具体的に連想させる場合があります。比喩を通常の文章へ戻し、摂取後の身体機能変化を表していないか確認します。

健康食品では、商品を摂取した後に体内で何が起こるように見えるかを確認します。

比喩であっても、身体の中の変化を具体的に描く場合は、医薬品的な効能効果や健康保持増進効果の暗示になることがあります。

「体の中を掃除する」の事例

「体の中を掃除する」は、分かりやすい比喩です。

しかし、健康食品広告では注意が必要です。

注意が必要な例は、次のとおりです。

  • 体内を掃除するように老廃物を排出
  • 腸の汚れを洗い流す
  • 毒素を体外へ追い出す
  • 血管の詰まりを掃除する

これらは、次のような内容を暗示する可能性があります。

  • デトックス
  • 排便促進
  • 腸内環境改善
  • 血管・血流改善
  • 疾病予防

再設計する場合は、身体内部ではなく、商品事実へ戻します。

  • 味
  • 溶けやすさ
  • 飲みやすさ
  • 食生活の一部として取り入れる場面
  • 届出表示や栄養機能表示との整合
  • 商品の成分・形状等の事実

「脂肪が氷のように溶ける」の事例

「脂肪が氷のように溶ける」は、比喩としては分かりやすいものの、痩身効果を非常に強く印象づけます。

注意が必要な例は、次のとおりです。

  • 飲むだけで脂肪が溶ける
  • 内側から脂肪を溶かす
  • 氷が消えるように体重が落ちる
  • 脂肪を燃料に変える

これらは、脂肪燃焼、痩身、代謝促進、体重減少を暗示する可能性があります。

機能性表示食品であっても、届出表示の範囲を超えていないか確認が必要です。一般健康食品であれば、医薬品的な効能効果や健康保持増進効果の表示に近づいていないかを確認します。

「エンジンをかける」の事例

「エンジンをかける」は、生活シーンや気持ちの切り替えを表す場合があります。

一方で、健康食品広告では、代謝や覚醒と結びつきやすい比喩です。

注意が必要な表現は、次のとおりです。

  • 代謝エンジンをかける
  • 燃焼スイッチを入れる
  • 体のエンジンが目覚める
  • 細胞が動き出す

これらは、代謝促進、疲労回復、覚醒、身体機能の向上を暗示する可能性があります。

比較的説明しやすい方向としては、次のようなものがあります。

  • 忙しい朝の行動開始を表す生活表現
  • 商品の使用シーン
  • ブランドメッセージとして商品効果と切り離す

「朝のスイッチを入れるような一杯」という表現でも、周辺に代謝・燃焼・疲労回復の要素があると、身体機能の意味へ寄りやすくなります。

「潤滑油」「流れをよくする」の事例

「流れ」や「潤滑油」は、健康食品広告で注意したい比喩です。

注意が必要な例は、次のとおりです。

  • 関節の潤滑油になる
  • 血液の流れを川のようになめらかにする
  • 詰まりを流す
  • 腸の流れをスムーズにする

これらは、関節機能改善、血流改善、排便促進、疾病改善・予防を暗示する可能性があります。

比喩暗示し得る身体作用再設計方向
体内を掃除するデトックス・排出食生活・飲みやすさ
脂肪が溶ける脂肪燃焼・痩身味・形状・継続性
エンジンをかける代謝・覚醒朝の使用シーン
流れをよくする血流・排便商品の溶け方・飲み口
潤滑油になる関節改善成分・摂取方法

健康食品では、身体の中で起きる変化を具体的に描く比喩ほど慎重に扱います。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
健康食品の比喩を確認するときは、比喩を使わない通常の文章へ戻します。「体内を掃除する」であれば、老廃物を排出する、便通を改善する、血管の詰まりを取り除くという意味に読めないかを見ます。「脂肪が溶ける」「代謝エンジンが動く」も同じです。表現が比喩的でも、読み手が受け取る身体作用が具体的なら、広告としての確認が必要です。健康食品では、身体の中を描く比喩より、味、形状、飲みやすさ、生活への取り入れやすさなど、確認できる商品事実へイメージを置き換える方が設計しやすい場合があります。

同じ比喩でも対象によって判断が変わる比較事例

比喩表現の判断は、「絹」「水」「光」「溶ける」といった言葉そのものではなく、何を何にたとえているかで変わります。商品の物性や使用感を表す場合と、肌構造・身体機能・疾病改善を表す場合を分けて確認することが重要です。

「絹のような」の比較

表現主な評価観点
絹のようになめらかなクリーム商品の物性
絹のような指通りの髪へ化粧品効能・使用感との整合
絹のようにシワのない肌へシワ改善暗示
絹のような白肌へ美白効果暗示

「絹」は、なめらかさや上質感を伝えやすい比喩です。ただし、肌そのものがシワのない状態や白さへ変わるように読める場合は注意します。

「水が染み込むような」の比較

表現主な評価観点
スポンジに水が染み込むようなテクスチャー商品の物性説明
角質層へうるおいが広がる使用感浸透範囲の明示
真皮まで水が染み込むように届く過度な浸透
体中へ成分が染み渡る食品・サプリの身体作用

「染み込む」は、塗布感やテクスチャーの比喩として使える場合があります。一方で、身体内部や深部への到達を示すと、浸透・作用の問題になります。

「光をまとったような」の比較

表現主な評価観点
光をまとったようなメイク仕上がりメイクアップ効果
パールが光を反射する商品事実
内側から発光する白肌美白・肌構造変化
シミが消えて光る肌シミ改善暗示

「光」は、メイクアップ仕上がりやツヤ感と相性がよい一方で、美白やシミ改善に近づきやすい比喩です。

「溶けるような」の比較

表現主な評価観点
口の中で溶ける錠剤商品の物性
肌の上でとろけるバーム使用感
脂肪が溶ける痩身・脂肪燃焼
シワが溶けて消えるシワ改善

「溶ける」は、商品物性の説明として使える場合があります。しかし、脂肪やシワが対象になると、効能効果の暗示が強くなります。

「包まれるような」の比較

表現主な評価観点
やわらかな泡に包まれる使用感
香りに包まれる香りの印象
バリアに包まれて菌を完全に防ぐ完全防御・性能保証
睡眠に包まれて不眠が治る疾病改善暗示

「包まれる」は心地よさを伝えやすい比喩ですが、完全防御や疾病改善に接続すると注意が必要です。

比喩のモチーフではなく、比喩対象を確認する姿勢が大切です。

比喩と画像・動画を組み合わせる際の注意点

抽象的な比喩でも、皮膚断面図、身体画像、矢印、ビフォーアフター、アニメーションを組み合わせると、特定の効能効果へ意味が限定される場合があります。比喩表現はコピーだけでなく、画像・動画・体験談・CTAを含む広告全体で確認します。

画像が抽象的な比喩を具体的な効能へ変える

比喩は、言葉だけでは複数の意味を持つことがあります。

しかし、画像を組み合わせると、意味が具体化されます。

たとえば、「乾いた大地へ水を注ぐように」という比喩は、うるおい感の表現にも見えます。しかし、皮膚断面図と深部へ向かう矢印を組み合わせると、深部浸透の印象が強くなります。

断面図・矢印・前後比較に注意する

特に注意したいのは、次の組み合わせです。

比喩コピー組み合わせる画像・演出生じ得る印象
乾いた大地へ水を注ぐように皮膚深部へ水が届く図深部浸透
光をまとう肌へ肌色が白くなる前後比較美白効果
アイロンをかけたようにシワが伸びるアニメーションシワ改善
脂肪が溶けるように脂肪細胞が消える動画脂肪燃焼
体内を掃除する腸内の汚れを除去する図デトックス
盾のように守る菌を完全遮断する図完全防御

画像は、比喩の意味を一つに限定する力があります。

動画では変化の過程そのものが効果表示になる

動画広告では、変化の過程を見せることがあります。

  • 水分が肌の奥へ入っていく
  • シワが伸びていく
  • 脂肪が消えていく
  • 血管の詰まりが流れていく
  • 菌が盾に弾かれる

こうした演出は、文言以上に具体的な効果表示になり得ます。

台本上は比喩でも、映像で身体変化を描いていれば、広告全体として確認が必要です。

体験談・CTAまで含めて確認する

比喩は、体験談やCTAと組み合わさることで意味が強くなります。

たとえば、次のような構成です。

  • 「体内を掃除するように」
  • 体験談で「長年の悩みがすっきり」
  • CTAで「今すぐ変化を実感」

この場合、比喩、体験談、CTAが一体となって、排出や便通改善を印象づける可能性があります。

比喩はコピー単体ではなく、広告全体で確認します。

薬機法ライティング®で比喩を使う6つの判断基準

図:薬機法広告で比喩を使う6つの判断基準。比喩の形式ではなく、広告全体で伝わる意味を確認するためのフロー図。6つの基準:1. 何を何にたとえるか(AはBのようだに戻す)、2. 通常の文章へ戻す(何が起こると読めるか確認)、3. 商品事実と一致するか(物性・使用感との照合)、4. 即効性・確実性を強めないか(強い保証表現に注意)、5. 画像・動画で意味を限定しないか(断面図、前後比較等)、6. ターゲットに自然に伝わるか(読者が理解できる内容か)。結論として、単語だけでなく、商品事実、広告全体、読者の理解という多角的な視点で判断することを推奨。

薬機法広告で比喩を使う際は、①何を何にたとえているか、②通常の文章へ戻すとどの効能になるか、③商品事実と一致するか、④即効性・確実性を強めていないか、⑤画像で意味を限定していないか、⑥ターゲットに自然に伝わるか、を確認します。

判断基準1|何を何にたとえているか

最初に、比喩の構造を確認します。

「AはBのようだ」という形に戻します。

Aに入るものが、商品の物性、使用感、泡、香り、メイクアップ仕上がりであれば、整理しやすい場合があります。

一方、Aに肌構造、脂肪、血管、腸、症状、身体機能が入る場合は、効能効果の暗示になっていないか確認します。

判断基準2|比喩を通常の文章へ戻す

次に、比喩を通常の文章へ戻します。

たとえば、次のように確認します。

「脂肪が氷のように溶ける」
↓
「この商品を摂取すると脂肪が減少する」

このように読める場合、痩身・脂肪燃焼の表示として確認が必要です。

「体内を掃除する」
↓
「この商品を摂取すると老廃物が排出される」

このように読める場合、デトックスや排便改善の暗示を確認します。

判断基準3|商品事実と一致するか

比喩は、商品事実と一致している必要があります。

確認する事実は、次のようなものです。

  • テクスチャー
  • 香り
  • 泡
  • 味
  • 形状
  • メイクアップ効果
  • 承認・届出内容
  • 使用感調査や商品資料

実際の商品特性と合わない比喩は、景品表示法上の優良誤認の観点でも確認が必要になる場合があります。消費者庁は、商品・サービスの品質等を実際よりも著しく優良であると示す表示などを優良誤認として説明しています。

判断基準4|即効性・確実性を強めていないか

比喩は、時間表現や保証表現と組み合わせると強く見えます。

注意したい言葉は、次のとおりです。

  • 瞬間
  • 一晩で
  • みるみる
  • 一気に
  • 必ず
  • 完全に
  • 二度と
  • ずっと

「一晩で乾いた大地に水が満ちるように」
「瞬間、アイロンをかけたような肌へ」

このような表現は、即効性や確実性を印象づける場合があります。

判断基準5|画像・動画で意味を限定していないか

比喩は、画像や動画で意味が完成することがあります。

確認すべき要素は、次のとおりです。

  • 断面図
  • 矢印
  • 数値
  • 前後比較
  • 身体内部のアニメーション
  • 人物の表情
  • 効果音
  • CTA

コピー単体では抽象的でも、完成広告で特定の効果へ読めないかを確認します。

判断基準6|ターゲットが理解できる比喩か

比喩は、読者に伝わらなければ意味がありません。

確認するポイントは、次のとおりです。

  • 読者が経験したことのある物か
  • 世代・性別・生活背景に合っているか
  • 説明しないと伝わらない比喩ではないか
  • 不快・誤解を招く比喩ではないか

分かりにくい比喩は、無理に使わないことも大切です。

比喩表現チェックリスト

チェック項目確認内容
比喩対象は商品か、身体かAに何が入るかを確認する
肌構造や身体機能の変化かシワ、脂肪、血流、腸などに注意
疾病・症状の改善を連想させないか治療・予防に近づいていないか
商品の実際の使用感と一致するか物性・味・香り・使用感と合うか
承認・届出範囲に合っているか医薬部外品・機能性表示食品では特に確認
即効性や完全性を強調していないか瞬間、一晩で、完全に、必ず等
画像で効果を具体化していないか断面図、矢印、前後比較など
比喩を外しても同じ効能が残らないか通常文へ戻して確認
ターゲットが理解できるか経験に結びつく比喩か
景品表示法上、実際より優良に見せていないか根拠と商品実態に合うか
江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
比喩を確認するとき、私は「AはBのようだ」という形に戻します。Aに入るのがクリーム、泡、香りなどの商品であれば、物性や使用感の説明として整理しやすいことがあります。一方、Aに肌、脂肪、血管、腸、症状などが入る場合は、身体変化や薬効の暗示になっていないか慎重に見ます。さらに、コピーだけを読み、画像だけを見て、最後に完成広告を見るという三段階で確認します。比喩単体では抽象的でも、画像を加えた瞬間に効果が具体化することがあるからです。

商品事実から比喩表現を作る薬機法ライティング®の技術

フロー図「商品事実から比喩表現を作る技術 — 薬機法広告で、実態に基づくイメージ訴求を設計する4ステップ」。
中央に「比喩対象は、身体変化ではなく“商品”と“使用シーン”を中心に整理する」とし、以下の4ステップを図示:
ステップ1「商品事実を集める」:物性・使用感を確認(味・香り・形状・使用シーン)
ステップ2「感覚を一語で整理」:軽さ・なめらかさ、手軽さ・続けやすさ
ステップ3「読者が知る物へ置き換える」:絹・羽・雲・朝露、朝の支度・小さな習慣
ステップ4「完成広告で再確認」:通常文に戻して確認(画像・CTA・商材分類も照合)

下部には具体例が記載されています:
・化粧品の例:【商品事実】ジェル状・軽い・伸びがよい ➔ 【完成方向】羽のように軽く、するすると広がる
・健康食品の例:【商品事実】水に溶けやすい・個包装・朝に作りやすい ➔ 【完成方向】バッグに入れて持ち歩ける、小さな健康習慣

最下部に「公開前の確認ポイント(商品事実/感覚整理/比喩対象/AはBの形/通常文確認/画像確認/商材分類照合)」のチェックマークが並んでいます。

薬機法広告で比喩を作る際は、商品の物性、使用感、味、香り、形状などの事実を整理し、読者が経験したことのある物へ置き換えます。身体変化ではなく、商品や使用シーンを比喩対象にすると、実態に基づくイメージ訴求を設計しやすくなります。

手順1|商品の事実を集める

まず、商品について確認できる事実を集めます。

化粧品であれば、次のようなものです。

  • ジェル状
  • 軽い
  • 伸びがよい
  • べたつきにくい
  • 泡が細かい
  • 香りがやわらかい
  • メイクアップでツヤ感が出る

健康食品であれば、次のようなものです。

  • 水に溶けやすい
  • 後味が軽い
  • 個包装
  • 朝に作りやすい
  • 持ち運びやすい
  • 味が飲みやすい

ここでは、身体変化ではなく、商品や使用シーンの事実を集めます。

手順2|伝えたい感覚を一語で整理する

次に、伝えたい感覚を整理します。

  • 軽さ
  • なめらかさ
  • みずみずしさ
  • ふんわり感
  • 手軽さ
  • 続けやすさ
  • 清涼感
  • やわらかさ

この段階で、脂肪燃焼、排出、治療、若返り、シワ消失などの効能効果へ寄っていないか確認します。

手順3|読者が経験したことのある物を探す

比喩の候補は、読者が知っている物から探します。

  • 絹
  • 羽
  • 雲
  • 朝露
  • 花束
  • クッション
  • 水滴
  • シフォン
  • バッグに入る小物
  • 朝の支度

読者が体験していない物を使うと、比喩は伝わりにくくなります。

化粧品の制作例

商品事実は、次のとおりです。

  • ジェル状
  • 軽い
  • 伸びがよい
  • 塗布後にべたつきにくい

伝えたい感覚は、軽さ、なめらかさ、みずみずしさです。

比喩候補としては、次のようなものが考えられます。

  • 羽のように軽い
  • 水滴を閉じ込めたようなジェル
  • シルクのようになめらか

避けたい飛躍は、次のようなものです。

  • 真皮まで水が染み込む
  • 肌細胞が水分で満たされる
  • シワがシルクのように平らになる

完成方向は、次のように調整します。

  • 水滴を閉じ込めたような、ぷるんと軽いジェル
  • 羽のように軽く、するすると広がる使い心地

健康食品の制作例

商品事実は、次のとおりです。

  • 水に溶けやすい
  • 後味が軽い
  • 個包装
  • 朝に作りやすい

伝えたい感覚は、手軽さ、軽い後味、習慣化しやすさです。

比喩候補としては、次のようなものが考えられます。

  • 朝のスイッチを入れるように
  • 一日の準備を整える一杯
  • バッグに入る小さな習慣

避けたい飛躍は、次のようなものです。

  • 代謝スイッチを入れる
  • 体内エンジンを動かす
  • 疲れを消す朝の燃料

完成方向は、次のように調整します。

  • 朝の支度にスイッチを入れるような、手軽な一杯
  • バッグに入れて持ち歩ける、小さな健康習慣

手順4|完成広告で再確認する

最後に、コピーだけでなく、画像、CTA、媒体表示を含めて確認します。

手順確認内容
商品事実を集める物性、味、香り、使用感、形状
感覚を整理する軽さ、なめらかさ、手軽さ等
比喩対象を探す読者が経験している物を選ぶ
AはBの形にするAが商品か身体か確認する
通常文へ戻す効能効果に変換されないか見る
画像を加えて確認比喩の意味が限定されないか
商材分類と照合承認・届出・効能範囲を確認する

比喩は、商品事実から作ることで、広告として伝わりやすく、確認もしやすくなります。

比喩が強すぎる・分かりにくい場合の改善方法

比喩が身体変化や効果保証へ近づく場合は、比喩対象を身体から商品へ戻します。商品の物性、使用感、味、形状、使用シーンなどの事実を中心にし、必要に応じて比喩を弱めたり、説明文へ切り替えたりすることが重要です。

身体変化から商品事実へ戻す

強い比喩は、身体変化を具体的に描きやすい傾向があります。

「脂肪が溶ける」
「血管が洗い流される」
「シワがアイロンで伸びる」
「肌が白雪のようになる」

このような比喩は、読み手が効果を具体的に想像しやすいため、商品事実へ戻して再設計します。

強い比喩を使用感の比喩へ変える

化粧品では、肌構造の変化ではなく、商品物性や使用感へ戻します。

健康食品では、体内変化ではなく、味、形状、飲みやすさ、生活シーンへ戻します。

強すぎる比喩暗示する効能事実ベースの改善方向
乾いた大地の奥深くまで水が染み込むように、肌の内部を満たす深部浸透水滴を閉じ込めたようなジェルが、角質層までうるおいを届けます
光を放つような白肌へ美白・肌色変化パールの光がつくる、明るくツヤのあるメイク印象へ
体内を丸ごと掃除する一杯デトックス・排出水にさっと溶けて後味すっきり。毎日の食生活に取り入れやすい一杯
氷が溶けるように脂肪が消える痩身・脂肪燃焼軽い飲み口で、食事管理を続けたい毎日に取り入れやすく

説明文と組み合わせる

比喩だけでは意味が強くなりすぎる場合は、説明文と組み合わせます。

たとえば、「朝露のようなツヤ感」と書く場合は、メイクアップによる仕上がりであることが伝わる説明を添えます。

「朝のスイッチを入れるような一杯」と書く場合は、代謝や覚醒ではなく、朝の準備や生活シーンを表す文脈にします。

比喩を使わない選択肢も持つ

比喩は必ず使うものではありません。

比喩が強すぎる、伝わりにくい、薬効暗示に寄りやすい場合は、比喩を使わず、事実をそのまま伝える方がよい場合もあります。

  • 水にさっと溶ける
  • 後味すっきり
  • ぷるんと軽いジェル
  • するすると伸びる
  • 個包装で持ち運びやすい
  • もこもこの泡

言える事実は、無理に比喩化せず、明確に伝えることも大切です。

他の薬機法ライティングのノウハウを活用する

比喩表現が難しい場合、他の薬機法ライティングの活用を検討します。

・薬機法ライティングでオノマトペは使える?健康食品・化粧品での注意点と表現設計

・薬機法ライティングで主語・述語を省く方法|断定を避けても広告全体で判断される理由

・薬機法ライティングで使えることわざ・当て字・同音異義語とは?言葉遊びの事例と注意点

・薬機法ライティングの“評価軸をずらす”とは?効果訴求から生活者価値へ変換する方法

・薬機法ライティングで“時間軸をずらす”表現とは?今すぐ効く印象を避ける設計

・薬機法ライティングにおけるダブルミーニングとは?攻めすぎない表現設計の考え方

よくあるご相談(FAQ)

薬機法広告で比喩表現は使えますか?

比喩表現を使うこと自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、商品の物性や使用感を分かりやすくする比喩と、身体構造・身体機能・疾病改善を具体的に連想させる比喩では判断が異なります。比喩を通常の文章へ戻し、「この商品によって何が起きると伝えているか」を確認することが重要です。

化粧品で「絹のようになめらかな肌へ」は使えますか?

「絹のような」は、なめらかな使用感やメイクアップによる仕上がりを示す比喩として活用できる場合があります。ただし、「シワがなくなる」「肌構造が変わる」「永久になめらかになる」といった意味へ読める文脈には注意が必要です。商品の使用感、化粧品の効能範囲、画像、前後の表現を含めて確認します。

「乾いた大地に水が染み込むように」は使えますか?

うるおい感を伝える比喩として使われることがありますが、皮膚断面図や深部へ向かう矢印と組み合わせると、角質層を超える浸透を暗示する可能性があります。また、一度の使用で乾燥が完全に回復する印象にも注意が必要です。何がどこまで染み込むと読まれるかを確認し、必要に応じて浸透範囲を明確にします。

「光を反射するような肌」は美白表現になりますか?

メイクアップによるツヤや光の反射を表す場合と、肌そのものが白くなることを表す場合では判断が異なります。パール剤等による仕上がりを説明する文脈であれば、メイクアップ効果として整理できる場合があります。一方、シミやくすみが消え、内側から白くなる印象を与える場合は、美白効果の暗示として確認が必要です。

健康食品で「体の中を掃除するように」と表現できますか?

「体の中を掃除する」という比喩は、老廃物の排出、デトックス、便秘改善、血管の詰まり解消などを連想させやすいため、慎重な確認が必要です。一般健康食品で摂取後の身体作用を具体的に描く場合は、薬機法だけでなく景品表示法や健康増進法の観点も確認します。飲みやすさや使用シーンなど、商品事実への転換も検討します。

「脂肪が氷のように溶ける」は比喩なら使えますか?

比喩であっても、商品を摂取することで脂肪が減少する、燃焼する、体重が落ちると具体的に連想させる場合は注意が必要です。燃える脂肪、細いウエスト、体重減少数値などと組み合わせると、痩身効果の印象がさらに強くなります。機能性表示食品の場合も、届出表示の範囲との整合確認が必要です。

比喩と画像を組み合わせても問題ありませんか?

画像を組み合わせること自体が一律に問題になるわけではありませんが、画像によって抽象的な比喩の意味が特定の効能へ限定される場合があります。「アイロンをかけたような肌」にシワが伸びる動画を付ければ、シワ改善の意味が明確になります。コピー、画像、矢印、数値、体験談、CTAを一体として確認します。

読者に伝わる比喩はどのように選べばよいですか?

ターゲットが実際に見たこと、触れたこと、経験したことのある物を選びます。高級感を伝えたい場合でも、読者が絹や宝石の質感をイメージできなければ、比喩は伝わりません。商品事実とターゲットの生活経験が重なる物を探し、説明しなくても感覚が伝わるかを確認します。難解な比喩は無理に使わないことも重要です。

まとめ

薬機法ライティング®で比喩表現を使う際は、比喩そのものの美しさや曖昧さではなく、読み手が何の効果を補うかを確認することが重要です。商品の質感や使用感を伝える比喩と、肌構造・身体機能・疾病改善を暗示する比喩を分け、広告全体で判断します。

比喩表現自体が一律に禁止されているわけではありません。読者の五感や経験へ結びつけることで、商品の質感、香り、泡、使用感、メイクアップ仕上がりを分かりやすく伝えられる場合があります。

一方で、「乾いた大地」「光」「アイロン」「掃除」「溶ける」「流す」などの比喩は、文脈や画像によって、浸透、美白、シワ改善、デトックス、脂肪燃焼、血流改善などを具体的に連想させることがあります。

比喩表現を確認するときは、通常の文章へ戻します。「この商品を使うと何が起きると読めるか」「AはBのようだ、のAに何が入るか」を確認します。

また、比喩は画像、動画、体験談、CTAと組み合わさることで意味が具体化します。コピー単体ではなく、完成広告としての印象を確認することが大切です。

比喩が強すぎる、または分かりにくい場合は、商品の物性、使用感、味、香り、使いやすさ、使用シーンなど、確認できる商品事実へ戻すことも有効です。

薬事チェック後のコピーが説明的になりすぎた場合、比喩を使って使用感や商品価値を伝え直せる場合があります。B&H Promoter’sでは、効能効果をぼかすのではなく、商品事実・使用感・生活シーンを整理し、法令対応と伝わる表現の両立を目指した薬機法ライティング®を支援しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。
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メインビジュアル「薬機法ライティングで比喩表現は使える?イメージ訴求と効能効果リスクの境界」。 左側に「比喩を通常の文章へ戻して意味を確認」という軸が示されています。 右側上部では「比喩表現」を2つに分類: 1. 「商品・使用感の比喩(質感・香り・泡・仕上がり)」:具体例として「絹のようになめらか」「羽のように軽い」を挙げ、コスメや羽のイラストを配置。 2. 「身体変化の比喩(効能・作用の暗示に注意)」:具体例として「脂肪が溶ける」「体内を掃除する」を挙げ、WEB広告と虫眼鏡のイラストを配置。 右側下部には「通常文へ戻して、“この商品で何が起きる”と読めるか確認」というチェックリストのイラストと確認手順が記載されています。

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