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医薬部外品広告で「美白」は使える?シミ予防・肌が白くなる表現の薬機法上の注意点

医薬部外品広告で「美白」を使用する際の判断ポイントを整理した図。美白効能を承認された薬用化粧品では、「美白」という表現自体は使用できるが、承認された「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」などの効能説明を併記し、予防の範囲に収める必要がある。広告では、シミ・そばかすを防ぐという予防表現と、今あるシミを消す、肌そのものを白くするなど承認範囲を超える表現を区別して確認する。さらに、承認効能の説明、コピー、画像、注釈、ビフォーアフターなどを含む広告全体が、肌色の変化や既存シミの改善を暗示していないかを確認することが重要であると示している。

薬用美容液のLP(ランディングページ)で「美白」を大きく出したい。では、「シミを防ぐ」「肌が白くなる」「使うほど透明感が増す」は、どこまで同じ意味として扱えるのでしょうか。

結論から言えば、美白効能を承認された薬用化粧品では「美白」を使えます。ただし、「美白」は承認効能そのものの文言ではありません。承認された「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」等の説明を伴わせ、予防の範囲に収める必要があります。今あるシミを消す、肌本来の色を白く変える表現はNGです。

目次

医薬部外品の「美白」は承認効能の説明を付ければ使える

美白効能を承認された薬用化粧品では、「美白」「ホワイトニング」を広告に使用できます。一般的な表示例は、次の形です。

「美白※美容液」
「※メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」

日本化粧品工業会のガイドラインでは、「美白」「ホワイトニング」を使用する場合、承認された「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」または「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」に対応する説明を記載する考え方が示されています。2026年7月24日に公表された改訂α版でも、この判断は維持されています。

ただし、すべての医薬部外品に美白を表示できるわけではありません。最初に、その品目の承認書で美白に対応する効能効果を確認します。有効成分が美白用途で知られていても、自社品目が当該効能で承認されていなければ、美白訴求の根拠にはなりません。医薬部外品の広告は、品目ごとに承認された効能効果の範囲内で行うのが原則です。

「シミを防ぐ」「シミ予防」も、承認された予防効能の範囲なら使えます。ただし、「シミに」「シミ対策」だけでは、予防なのか、今あるシミへの作用なのかが曖昧です。厚生労働省の「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」では、「○○を防ぐ」で承認された医薬部外品を単に「○○に」と表現することは認められず、承認効能が明瞭に別記されている場合が例外とされています。

「肌が白くなる」「シミが消える」が薬機法上NGになる理由

薬機法第66条は、医薬部外品の効能効果について、明示・暗示を問わず虚偽または誇大な広告を禁止しています。さらに「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」では、承認を要する医薬品等の効能効果は、承認範囲を超えて広告できない旨が示されています。

美白効能を承認された薬用化粧品では、 「メラニンの生成を抑えて、将来のしみ・そばかすを防ぐ」など、品目ごとに承認された予防効能の範囲で訴求します。

「黒い肌を白くする」「使うほど肌色が白くなる」は、肌本来の色を変える作用を示します。「できたシミを消す」「頑固なシミを薄くする」は、既にあるシミへの治療的な作用を示します。どちらも通常の美白医薬部外品の承認範囲を超えるためNGです。

一方、ファンデーションなどのメーキャップ効果によって「肌を白く見せる」「シミをカバーする」と表現することはできます。ポイントは、肌そのものを白く変えるのではなく、使用中の物理的な色彩効果であることを明確にすることです。

承認の範囲内だとしても、「必ず結果が出る」「最短7日で変わる」「美白効果No.1」のような保証・最大級・発現時期の表現は別の問題になります。承認を受けていることは、確実な効果や日数、他社より優れていることの根拠にはなりません。

また景品表示法の観点から、商品効果を実際より著しく優良に見せていないか、表示と根拠資料が適切に対応しているかも確認されます。

一般化粧品で「シミが消える」と表現できる範囲については、「化粧品広告で『シミが消える』は使える?メーキャップ効果・日やけによるシミ予防との違い」でも詳しく解説しています。 

事例1:薬用美容液のLPで「使うほど白い肌へ」

美白効能を承認された医薬部外品・薬用美容液のLPで、承認範囲を超えて肌そのものを白くする効果や既にあるシミへの作用を訴求するNG広告事例。薬用美容液「LUMIÈRE BRIGHT ESSENCE」について、「使うほど白い肌へ。今あるシミにも。」と大きく表示し、美白有効成分トラネキサム酸配合、肌荒れを防ぐグリチルリチン酸ジカリウム配合、6つの無添加などの商品特徴を掲載している。ページ下部には「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」という美白の承認効能に対応する説明があるものの、「使うほど白い肌へ」は継続使用によって肌本来の色が白く変化する印象を与え、「今あるシミにも」は既存のシミを薄くする・改善する作用を暗示する。医薬部外品の美白広告では、承認されたシミ・そばかすの予防範囲に表現を収め、強いメインコピーを注釈で補えばよいと考えず、ファーストビュー、画像、成分説明、注釈、CTAを含む広告全体が承認効能を超えていないか確認する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、美白効能を承認された薬用美容液のファーストビューに、次のコピーを表示したとします。

使うほど白い肌へ。今あるシミにも。

この表現はNGです。

「使うほど白い肌へ」は、肌本来の色が継続使用によって変化する印象を与えます。「今あるシミにも」は、既にあるシミへの改善・治療を暗示する表現です。

ページ下部に「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」と書いても、強いメインコピーの意味は打ち消せません。注釈は、承認範囲を超えたコピーを合法化するものではないからです。

修正するなら、訴求を「肌を白く変える」から「日常の美白ケアでシミを予防する」へ戻します。

毎日の美白※ケアを、心地よい一滴で。
※メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ

さらに、テクスチャー、使用順、香り、容器の使いやすさなど、商品事実で選ぶ理由を補います。

LPではコピー単体ではなく、ファーストビュー、画像、口コミ、CTAまで含めて確認します。化粧品LPの薬機法チェックについては「化粧品LPの薬機法チェック 」の記事もご覧ください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
LP完成後に一語ずつ弱めると、コピーは通ってもストーリーが崩れます。一般化粧品の「シワ改善」を主軸にしたLPを全面的に作り直した事例と同じで、最初に商品区分と承認範囲を決める方が手戻りを減らせます。商品化時の設計が広告可能範囲を左右する点は、混ぜて使う化粧品の企画とも共通します。

事例2:SNSバナーの「シミに。攻めの美白」

医薬部外品の美白広告で、SNSバナーに「シミに。攻めの美白」と大きく表示し、承認された効能効果の説明を投稿本文の末尾にだけ小さく記載するNG事例。薬用美容液「LUMINÉE Brightening Essence」のバナーでは、「シミに。攻めの美白」「未来の肌まで、澄みわたる透明感へ」と訴求し、Wの有効成分配合、メラニンの生成を抑える、うるおって透明感のある肌へなどの表現を組み合わせている。一方、承認効能である「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という説明は投稿本文末尾の小さな表示にとどまっており、一般消費者が美白の意味を予防効能として正しく認識しにくい構成となっている。「シミに」という表現は今あるシミへの作用とも受け取られるため、美白広告ではメインコピー自体をシミ予防の意味に整え、承認効能の説明を消費者が認識できる大きさ・位置で近接表示する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、SNSバナーで「シミに。攻めの美白」と大きく表示し、投稿本文の末尾にだけ承認効能を書いたとします。このままではNGです。

「シミに」は、予防ではなく、今あるシミへ作用する意味にも読めます。「攻めの」という演出や、シミが薄くなる画像を組み合わせれば、治療的な印象はさらに強まります。

美白の説明文は、消費者が認識できる大きさで、注釈対象の近くに置かなければなりません。動画では表示時間、文字サイズ、背景とのコントラストも確認します。日本化粧品工業会のガイドラインでも、説明文の視認性や配置に関する考え方が示されています。

修正例は、次のとおりです。

シミを防ぐ薬用美白※ケア
※メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ

短いバナーほど、注釈で救える範囲は狭くなります。メインコピー自体を予防の意味に整える必要があります。

LP・SNS・バナーなど媒体別の薬機法ライティングの考え方は「媒体別・薬機法ライティング実務ガイド」をご覧ください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
法律上説明できる表現でも、媒体考査で止まることがあります。「正しいこと」と「通ること」は同じではありません。SNS、モール、動画では、説明文のサイズや配置に独自基準が加わります。企画段階で掲載媒体まで決め、法令確認と媒体確認を分けて行う方が、公開直前の差し戻しを防げます。

事例3:ビフォーアフター画像で「2週間でここまで白く」

医薬部外品・薬用美白クリームの広告で、使用前後のビフォーアフター画像と期間表示によって短期間の美白効果を保証するように見せるNG広告事例。薬用美白クリーム「BRIGHT WHITE」について、「2週間でここまで白く」「シミ・くすみを防いで、透明感あふれる素肌へ」と表示し、使用前と2週間後の顔写真を並べて、肌色が明るくなりシミが目立たなくなったような変化を強く印象付けている。さらに、美白有効成分トラネキサム酸、肌荒れ防止成分グリチルリチン酸2K、シリーズ累計150万個などの商品情報を組み合わせている。医薬部外品の美白広告では、承認された「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という予防効能の範囲を超えて、肌そのものが白くなる、既存のシミが減る、2週間で効果が現れるといった印象を与えないことが重要である。『個人の感想です』という注記だけでは、写真や期間表示による効果保証の印象は解消されず、撮影条件や照明の違いによって実際以上の効果に見せていないかも含めて、薬機法・景品表示法の観点から広告全体を確認する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

薬用美白クリームの広告に、使用前後の顔写真と次のコピーを掲載するケースです。

2週間でここまで白く。

この表現もNGです。

写真と期間表示により、肌色の変化と効果発現時期を保証する構成になっています。「個人の感想です」と注釈しても、広告全体が与える印象は変わりません。

さらに、照明、メイク、撮影条件が異なる写真であれば、実際よりも効果が高いと見せる表示として、景品表示法上も問題になります。

ビフォーアフター画像は、それ自体が一律に禁止されているわけではありません。しかし、美白広告で肌色の変化、既存シミの減少、効果発現までの期間を見せれば、承認範囲の逸脱や効果保証につながります。

美白効果を写真で強めるのではなく、塗布量、伸び、使用感、朝晩の使用場面などを見せる構成へ切り替える方が実務的です。

商品の効果を実際より著しく優れているように見せる表示については、景品表示法の「優良誤認・有利誤認とは? 」も合わせてご覧ください。

美白広告を修正するときは承認書から訴求を組み直す

まず販売名と商品区分を確認し、承認書の効能効果、有効成分、用法用量を見ます。次に、コピー、画像、動画、体験談、グラフ、注釈、CTA(行動の指示)を通して、予防を超える印象がないかを確認します。

「肌が白くなる」を「透明感へ」、「シミが消える」を「シミケア」へ置き換えるだけでは修正になりません。同じ肌色変化や、既存のシミへの作用を暗示しているからです。

表現できない訴求は、承認された予防効能へ戻すか、次のような商品事実へ軸を移します。

  • うるおいを与える
  • 肌を整える
  • テクスチャーや香り
  • 容器の使いやすさ
  • 朝晩の利用場面
  • 他のスキンケアとの使用順

医薬部外品全体の判断は「医薬部外品の効能効果と広告表現」、成分訴求は「医薬部外品の有効成分とは?」、画像を使用する案件は「医薬部外品広告でビフォーアフター画像は使える?」へつなぐと、制作担当者が次の確認へ進みやすくなります。

効果表現を使わない訴求については、「薬機法ライティングの“評価軸をずらす”とは? 」もご覧ください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
広告審査は、NG語を消す作業ではありません。伝えたい価値を、承認内容と根拠に合わせて社会に出せる形へ変換する仕事です。根拠を探し、使える根拠と使えない根拠を分け、説明可能なコピーへ落とし込む。法務だけ、マーケティングだけに分けず、企画・制作・審査を一つの流れとして設計します。

まとめ

美白効能を承認された薬用化粧品では、「美白」は使えます。ただし、承認効能に対応する説明を付け、シミ・そばかすの予防範囲に収めます。

「肌が白くなる」「できたシミが消える」「短期間で結果が出る」は使えません。

制作前に承認書と掲載媒体を確認し、コピーだけでなく、画像、注釈、体験談、ページ全体の印象まで揃えることが必要です。

医薬部外品広告について体系的に理解したい方は「医薬部外品の効能効果と広告表現|美白・シミ・育毛・ニキビ・デオドラントの注意点」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の法令、公的機関・公式資料・業界ガイドラインを参考に、医薬部外品(薬用化粧品)広告における美白、シミ予防、肌への作用表現、薬機法上の承認効能、適正広告基準、および景品表示法との関連性を整理しています。
個別の広告表現の適否は、品目ごとの承認内容、配合成分、効能効果、注釈の配置、画像・動画を含む広告全体の印象などにより判断が異なるため、実際の案件では最新の公的資料を確認し、必要に応じて行政窓口や専門家へ確認してください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

医薬部外品広告で「美白」を使用する際の判断ポイントを整理した図。美白効能を承認された薬用化粧品では、「美白」という表現自体は使用できるが、承認された「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」などの効能説明を併記し、予防の範囲に収める必要がある。広告では、シミ・そばかすを防ぐという予防表現と、今あるシミを消す、肌そのものを白くするなど承認範囲を超える表現を区別して確認する。さらに、承認効能の説明、コピー、画像、注釈、ビフォーアフターなどを含む広告全体が、肌色の変化や既存シミの改善を暗示していないかを確認することが重要であると示している。

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