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優良誤認・有利誤認とは?景品表示法の不当表示を広告実務者向けに解説

景品表示法における不当表示の類型(優良誤認表示、有利誤認表示、指定表示)を解説する記事のアイキャッチ画像

健康食品や化粧品などの広告表現を確認するとき、まず薬機法上、どこまでの効能効果を表現できるのかをチェックする方は多いのではないでしょうか。

しかし、薬機法上の表現範囲に収まっているように見えても、それだけで広告表示に問題がないとは限りません。

商品の品質や効果、実績を実際よりも良く見せていないか。
価格や割引、申込条件を実際よりも有利に見せていないか。
口コミや体験談、調査結果の示し方によって、一般消費者に誤解を与えていないか。

こうした点では、薬機法だけでなく、景品表示法も関係します。

景品表示法では、商品やサービスの品質、内容、価格、取引条件などについて、一般消費者に実際よりも著しく優良または有利であると誤認される表示などを「不当表示」として禁止しています。

代表的なものが、品質、内容、効果、実績などを実際よりも良く見せる「優良誤認表示」と、価格、割引、取引条件などを実際よりも有利に見せる「有利誤認表示」です。

広告実務では、No.1表示、満足度表示、口コミ、体験談、ビフォーアフター、比較表現、通常価格、初回無料、期間限定キャンペーンなどが問題になりやすくなります。

確認する際は、特定の言葉だけを見るのではなく、画像、調査条件、価格の販売実績、注釈の内容や表示位置、申込条件などを含め、広告全体から一般消費者がどのような印象を受けるかを検討する必要があります。

No.1表示についても、消費者庁は2024年の実態調査を踏まえ、比較対象、調査対象者、調査方法、表示内容と調査結果が適切に対応しているかなどを確認する考え方を示しています。

この記事では、不当表示、優良誤認表示、有利誤認表示の違いを整理したうえで、LP、ECサイト、SNS広告、記事LP、健康食品・化粧品広告、キャンペーン表示などを、広告実務でどのようにチェックすればよいのかを解説します。

この記事の要点(まとめ)
  • 不当表示は、優良誤認・有利誤認だけではない:景品表示法第5条では、優良誤認表示、有利誤認表示に加え、内閣総理大臣が指定する表示も禁止しています。2023年10月から規制対象となったステルスマーケティングも、この第5条第3号に基づく指定表示の一つです。 
  • 優良誤認は「内容」有利誤認は「条件」を見る:品質、規格、内容、効果、性能、実績等を実際より良く見せる表示は優良誤認、価格、割引、数量その他の取引条件を実際より有利に見せる表示は有利誤認の観点で確認します。 
  • 広告チェックは、言葉より「誤認の構造」を見る:No.1という単語や「無料」という言葉だけで一律に判断するのではなく、根拠、調査方法、価格実績、条件、画像、注釈、表示位置を含め、一般消費者が広告全体から何を受け取るかを確認することが実務上のポイントです。 
目次

不当表示とは?景品表示法で禁止される広告表示の基本

景品表示法における優良誤認・有利誤認の全体像を解説する記事のヘッダー画像

不当表示とは、商品やサービスについて一般消費者に実際より著しく優良または有利であると誤認される表示など、景品表示法で禁止される表示を指します。

代表的なものが、優良誤認表示、有利誤認表示、そして内閣総理大臣が指定するその他の不当表示です。

広告担当者の立場で簡単にいうと、実際の商品やサービスよりも、広告を見たときの期待だけが大きくなりすぎていないかを見る法律の一つだと考えると分かりやすいでしょう。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
不当表示のチェックで重要なのは、「この言葉が入っているから危ない」「この言葉へ変えれば安全」と単純化しないことです。
たとえば、コピーだけを見ると控えめでも、画像、ランキング、口コミ、比較表、価格訴求、注釈の位置を組み合わせることで、実際以上の品質や効果、お得さを強く印象づけることがあります。
実務では、特定の単語だけではなく、根拠、媒体、画像、導線、注釈を含めて、「この広告全体は、消費者に何を約束しているように見えるのか」を確認する必要があります。

不当表示の基本定義

景品表示法第5条で禁止される不当表示は、大きく次の3つに整理できます。

不当表示の類型主な確認対象広告実務で問題になりやすい例
優良誤認表示品質、規格、内容、効果、性能、実績等No.1、満足度、ランキング、口コミ、効果・性能表示
有利誤認表示価格、割引、数量その他の取引条件通常価格、○%OFF、初回無料、期間限定等
第5条第3号の指定表示指定された特定の表示ステルスマーケティング、おとり広告等

景品表示法で禁止される「不当表示」には、いくつかの類型があります。

代表的なのが、商品やサービスの品質、内容、効果、実績などを実際よりも著しく優良に見せる「優良誤認表示」と、価格や割引、取引条件などを実際よりも著しく有利に見せる「有利誤認表示」です。

これに加えて、景品表示法第5条第3号では、一般消費者に誤認されるおそれがある表示を、内閣総理大臣が個別に指定できるとされています。

消費者庁のQ&Aによると、現在は、無果汁の清涼飲料水等に関する表示、商品の原産国に関する表示、おとり広告、有料老人ホームに関する表示、ステルスマーケティングなど、7種類が指定されています。

つまり、「不当表示」は優良誤認表示と有利誤認表示だけを指すものではありません。

ただし、LP、ECサイト、記事広告、SNS広告などの日常的な広告チェックでは、まず表示内容が「商品やサービスの品質・内容に関するものか」「価格や取引条件に関するものか」を整理し、優良誤認表示と有利誤認表示のどちらが問題になるかを確認すると、論点を把握しやすくなります。

そのうえで、ステルスマーケティングなどの指定表示に該当する問題がないかも確認します。

ステルスマーケティング規制については「ステルスマーケティングとは?景品表示法のステマ規制を広告実務者向けにわかりやすく解説」をご覧ください。

「表示」はWeb広告だけではない

景品表示法のチェック対象は、LPやSNS広告などのWeb広告だけではありません。

商品やサービスを選んでもらうために、事業者が顧客へ伝える情報は、媒体を問わず景品表示法上の「表示」に当たる可能性があります。

たとえば、

  • LP
  • ECサイトの商品ページ
  • バナー広告
  • SNS広告
  • 記事LP
  • チラシやパンフレット
  • ポスターや看板
  • 商品パッケージ
  • 店頭表示
  • 営業資料やセールストーク

などです。

つまり、同じ商品の説明であれば、「Web上の広告表現は確認したが、パッケージやチラシ、営業資料は確認していない」という運用では不十分なことがあります。

景品表示法を確認するときは、Web広告だけを見るのではなく、顧客が商品やサービスを知り、比較し、購入を判断するまでに接する表示を、まとめて確認することが重要です。

誇大広告・不当広告との関係

薬機法では第66条の「誇大広告等」が、景品表示法では優良誤認表示や有利誤認表示などの「不当な表示」が規制されます。似た問題に見えても、法律上の位置付けや判断基準は異なります。 

たとえば、化粧品や医薬部外品、医療機器などで認められた効能効果の範囲を超えている場合は、薬機法上の誇大広告等の規制を確認します。健康食品であれば、景品表示法に加え、健康増進法上の虚偽誇大表示や、表示内容によっては薬機法も関係します。 

一方で、 商品の効果を実際以上に良く見せている場合は、景品表示法上の優良誤認表示が問題になる可能性があります。 

そのため「効果を実際以上に見せている」という広告があった場合、

  • 景品表示法上の優良誤認なのか
  • 薬機法上の誇大広告等なのか
  • 健康食品であれば健康増進法上の虚偽誇大表示が問題になるのか

というように、問題となる表示と適用法令を分けて考えていくことが重要です。 

不当表示は広告全体の印象で判断する

不当表示に当たるかを確認するときは、個々の文言だけでなく、広告全体から一般消費者がどのような印象を受けるかを見る必要があります。

たとえば、本文に「効果には個人差があります」と書かれていても、その周囲に、

  • 劇的なビフォーアフター画像
  • 「満足度98%」という強い数値
  • 専門家による推奨
  • 効果を強調する体験談
  • 小さく目立たない注釈

が配置されていれば、注釈だけで広告全体の印象を修正できるとは限りません。

広告実務では、次の点を確認します。

  1. 一般消費者に、どのような効果や結果を期待させる表示になっているか
  2. その印象を裏付ける客観的な根拠があるか
  3. 注釈が、強調表示の近くに分かりやすく示されているか
  4. 画像、数値、体験談、専門家コメントを組み合わせることで、実際以上の印象を与えていないか
  5. 申込みや購入の判断に影響するほど、優良または有利に見せていないか

重要なのは、事業者がどのような意図で表示したかではありません。

「その意味で書いたわけではない」ではなく、一般消費者が広告全体を見たときに、商品やサービスを実際より著しく優良または有利だと受け取る可能性がないかを確認します。

不当表示のチェックでは、注釈の有無だけで判断せず、強調表示と注釈の関係、画像や数値の見せ方、広告全体が与える印象まで含めて評価することが重要です。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
不当表示のチェックで重要なのは、「この言葉があるから危険」「この言葉に変えれば安全」と単純化しないことです。
たとえば、「No.1」という言葉には根拠があるものの、その根拠はサイトのイメージを見ただけの調査だった。
あるいは、「初回無料」は事実だけれど、実際には一定回数の定期購入が条件で、その条件がかなり分かりにくく表示されている。
こうした広告では、個々の言葉が事実かどうかだけでなく、広告を見た一般消費者が、商品やサービスについて最終的にどのような理解や期待を持つかが重要です。
そのため、広告を確認するときは、コピーだけでなく、画像、ランキング、口コミ、比較表、価格訴求、注釈、CTAまで含めて確認します。
一つ一つの表示に事実としての根拠があっても、それらを組み合わせた結果、実際以上の効果や実績、お得さを期待させる広告になっていないかは、別に検討する必要があります。
見るべきなのは、各表示を個別に説明できるかではなく、広告全体として一般消費者にどのような商品・サービスだと受け取られるかです。

優良誤認とは?品質・効果・実績を実際より良く見せる表示

優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、規格、効果、実績などについて、実際よりも著しく優れている、または競合商品よりも著しく優れていると一般消費者に誤認させる表示です。

広告実務では、「その商品やサービスについて、実際以上の品質や効果、実績を期待させていないか」という視点で確認します。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
健康食品や化粧品の広告では、優良誤認と薬機法等の論点が重なりやすい点に注意が必要です。
たとえば、直接的な効能効果の言葉を避けていても、体験談、ビフォーアフター、成分説明、ランキングを組み合わせることで、広告全体として「この商品で身体や肌が大きく変わる」と受け取られることがあります。
ですから、「薬機法上、この単語は使っていないから大丈夫」で終わらせません。
景品表示法上、表示に根拠があるか。その根拠が広告で伝えている範囲を支えているか。さらに商材に応じて他の規制も確認する。この分解が必要です。

優良誤認表示の定義

優良誤認表示とは、商品・サービスの品質、規格その他の内容について、実際よりも著しく優れている、または競争事業者の商品・サービスよりも著しく優れていると一般消費者に誤認させる表示です。

広告実務では、品質や性能、効果、実績、利用者・専門家の評価、比較結果などについて、表示と事実が一致しているかを確認します。

問題になるのは、完全なウソだけではありません。試験データが存在していても、限られた条件で得られた結果を、広告全体で「誰にでも大きな効果がある」かのように見せていれば、優良誤認表示となる可能性があります。

効果・性能の根拠資料には、次の2点が必要です。

  1. 客観的に実証された資料であること
  2. 広告で表示した効果・性能と、資料で実証された内容が適切に対応していること

つまり、広告では「根拠があるか」だけでなく、その根拠が広告で伝えている内容をどこまで裏付けているかを確認する必要があります。

優良誤認になりやすい広告表現

たとえば、次のような表示です。

表示例主な確認ポイント
売上No.1市場範囲、対象商品、調査期間、売上データ
顧客満足度No.1比較対象、対象者、実利用者か、調査方法
満足度98%質問文、母数、回答者属性、算出方法
使用者の体験談一般的な効果があるように見えないか
ビフォーアフター条件、期間、演出、一般化の程度
他社より高性能比較対象、試験条件、数値の対応関係
○○成分配合だから効果成分データを製品自体の効果へ飛躍させていないか

この表の言葉が直ちに一律NGということではありません。ポイントは、表示が伝える内容と、その根拠の範囲が一致しているかです。

No.1表示・満足度表示の注意点

No.1表示とは、「顧客満足度No.1」「支持率No.1」など、商品やサービスが特定の項目で最も高く評価されていると示す表示です。

消費者庁は、実際の利用者による評価ではなく、ウェブサイトの印象だけを尋ねる「サイトイメージ調査」を根拠に、「顧客満足度No.1」などと表示するケースについて、景品表示法上問題となるおそれがあると指摘しています。

これは、「顧客満足度No.1」という表示から受ける印象と、実際の調査内容が一致していないためです。

サイトの見た目や印象を評価した調査だけでは、商品やサービスを利用した人の満足度を裏付けたことにはなりません。

また、消費者庁の調査では、No.1表示などを見たことがある消費者の約5割が、購入の意思決定に影響すると回答しています。

No.1表示は消費者の選択に与える影響が大きいため、表示と調査結果が正確に対応しているかを慎重に確認する必要があります。

No.1表示を行う場合は、単に調査結果が存在するだけでは不十分です。比較対象、調査対象者、調査方法が適切であり、表示内容と調査結果が対応しているなど、その表示を裏付ける合理的な根拠が求められます。

健康食品・化粧品広告は、製品区分ごとに確認する法令が異なる

広告表現を確認するときは、景品表示法だけを見ればよいとは限りません。

どの法令を確認すべきかは、健康食品、化粧品、医薬部外品などの製品区分と、広告で伝えている内容によって異なります。

例えば、健康食品の広告で「飲むだけで10キロ痩せる」と表示する場合、景品表示法では、その効果を裏付ける合理的な根拠があるかが問題になります。

これに加えて、食品の健康効果について著しく事実と異なる表示や、著しく誤認させる表示になっていないかという健康増進法上の確認も必要です。

さらに、疾病の治療・予防や身体機能への作用をうたうなど、医薬品的な効能効果を標ぼうしている場合には、薬機法上の問題も生じ得ます。

一方、化粧品広告では、景品表示法に加え、薬機法上、化粧品として認められた効能の範囲を超えていないかなどを確認します。

つまり、広告チェックでは、最初に製品区分を特定し、その区分に応じて確認すべき法令を選ぶことが重要です。

「薬機法上問題がないから掲載できる」「景品表示法上の根拠があるから掲載できる」と、一つの法律だけで判断することはできません。

法令ごとの違いについては「業界別・景品表示法の広告チェック|薬機法・健康増進法・医療広告との違い」で詳しく解説しています。また、広告表現の再設計については「薬機法ライティングとは?|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」をご覧ください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
健康食品や化粧品の広告を見ていると、
「データがあります」
「アンケートを取りました」
「論文もあります」
という話はよく出てきます。でも、本当に確認したいのは、その次です。そのデータは、広告で消費者に伝えている内容の範囲を本当に支えているでしょうか。
たとえば、成分単体の研究結果を、その成分を少量配合した商品そのものの効果として大きく見せる。限られた対象者への試験結果を、誰にでも同じ結果が得られるように見せる。
こうした「根拠から広告への飛躍」は、制作現場で非常に起きやすいところです。
広告チェックでは「根拠資料があるか」で止まらず、「その根拠資料と、広告が約束している内容は、本当に同じ範囲か」まで見ることが大切です。
また、数値やデータによる訴求が必ずしも顧客の購買につながっているわけではない点も考慮すると表現の幅が広がります。

有利誤認とは?価格・割引・取引条件を実際より有利に見せる表示

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格やその他の取引条件について、実際の条件や競争事業者の条件よりも著しく有利であると、一般消費者に誤認させる表示です。

簡単にいうと、広告を見た消費者に「実際より安い」「今だけ特別にお得」「他社より条件がよい」と思わせる表示を指します。

有利誤認表示の定義

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格や取引条件について、実際よりも著しく有利であると消費者に誤認させる表示です。

確認する主な項目は、価格、割引率、数量、送料、手数料、購入条件、定期購入・解約条件、キャンペーン期間などです。

例えば、「今なら500円」と大きく表示しながら、実際には別商品の同時購入が必要な場合、その条件が分かりにくければ「誰でも500円で買える」と誤認されるおそれがあります。

また、販売実績のない価格を「通常価格」とする、終了予定のない企画を「今だけ」と表示する、初回価格だけを強調して定期購入条件や支払総額を目立たなくする、といった表示にも注意が必要です。

金額自体が事実でも、適用条件や追加費用が分かりにくく、広告全体として実際より有利に見える場合は、有利誤認表示となる可能性があります。

有利誤認に注意したい価格・限定表示

次のような表示は、それ自体が直ちに禁止されるわけではありません。ただし、表示の根拠や適用条件が実態と合っているかを確認する必要があります。

表示例主な確認ポイント
通常10,000円→今だけ5,000円「通常価格」が実際に販売されていた価格か、割引期間が事実と合っているか
50%OFF比較する価格が適切か、割引率の計算が正しいか
初回無料送料、定期購入の有無、継続回数、支払総額などが明確か
実質無料何によって無料相当になるのか、追加負担や適用条件が明確か
今だけ実際に期間が限定されているか、終了後も繰り返し表示していないか
残り3個表示時点の在庫数と一致しているか
他社より安い比較する商品、時点、価格、購入条件が適切か

「期間限定」「50%OFF」などの言葉を使用しただけで、有利誤認表示になるわけではありません。実際に期間や対象者が限定され、比較価格や購入条件も正確に表示されていれば、直ちに問題になるとは限りません。

重要なのは、広告から受ける「お得さ」と、実際の価格・購入条件との間に大きなずれがないかです。金額だけでなく、送料、定期購入、適用期間、対象者などを含め、広告全体で分かりやすく伝える必要があります。

「通常価格」は何でも自由に設定できるわけではない

「通常価格10,000円、今なら5,000円」のような二重価格表示では、比較に使う通常価格に実態が必要です。

消費者庁の考え方では、一般的な目安として、セール開始前の8週間において、その価格で販売していた期間が販売期間の過半を占め、かつ通算2週間以上あり、最後にその価格で販売した日から2週間以上経過していないことが示されています。

商品自体の販売期間が8週間未満の場合は、その販売期間全体を基準に判断します。

一度だけ、または比較表示のために形式的に設定した価格を「通常価格」とすることは適切ではありません。販売時期や期間、販売方法などを確認し、実際の販売実態に合った価格を表示する必要があります。

価格については「二重価格表示とは?景品表示法違反になりやすい通常価格・セール価格・割引率の注意点」で解説しています。

キャンペーン表示・初回価格の注意点

「初回500円」と大きく表示されていても、実際には次のような条件が付いている場合があります。

  • 5回の定期購入が必要
  • 2回目以降は9,800円
  • 解約には一定の条件がある
  • 送料が別途かかる

この場合、初回価格が500円という事実だけでは判断できません。

広告全体から「500円だけで試せる」と受け取られる一方で、定期購入や支払総額などの重要な条件が分かりにくければ、実際より有利な取引であると誤認される可能性があります。

通信販売では、景品表示法に加えて特定商取引法の確認も必要です。

特に申込みの最終確認画面では、商品の数量、販売価格・支払総額、支払方法、引渡時期、解約条件などを、消費者が容易に確認できるよう表示する必要があります。定期購入の場合は、2回目以降の価格や各回の分量なども確認対象です。

つまり、初回価格を表示するときは、初回の金額だけでなく、定期購入の有無、継続回数、2回目以降の価格、支払総額、送料、解約条件まで分かりやすく伝えることが重要です。

価格広告は、景品表示法だけで判断するのではなく、ECや通信販売など、販売方法に応じた関係法令も併せて確認します。

販売方法に応じた記載内容については「通販・EC・LP運営で注意すべき特定商取引法|表示項目・最終確認画面・定期購入の確認ポイント」をご覧ください。

優良誤認と有利誤認の違い|広告チェックでは何を分けて見るべきか

優良誤認と有利誤認の違いは、何について実際より良く見せているかです。

  • 優良誤認:商品・サービスの品質、内容、効果、性能などを、実際より著しく優れているように見せる表示
  • 有利誤認:価格、割引、数量、購入条件などを、実際より著しく有利・お得であるように見せる表示

2つの違いを比べると、以下のようになります。

項目優良誤認有利誤認
主な確認対象品質、規格、内容、効果、性能、実績価格、割引率、数量、送料、購入条件
誤認の方向実際より優れているように見える実際よりお得・有利に見える
典型例No.1、満足度、口コミ、効果・性能表示通常価格、○%OFF、初回価格、期間限定
主な確認資料試験データ、調査結果、実績資料価格の販売実績、販売条件、キャンペーン規約
関連法令の例薬機法、健康増進法など特定商取引法など

同じ広告で優良誤認と有利誤認が問題になるケース

一つの広告やLPの中で、優良誤認と有利誤認の両方を確認することがあります。

例えば、健康食品のLPに次の表示があるとします。

  • 「顧客満足度No.1」
  • 「通常価格10,000円から90%OFFの1,000円」

この場合、「顧客満足度No.1」は、調査方法や調査結果が表示を適切に裏付けているかという、主に優良誤認の観点から確認します。

一方、「通常価格10,000円」「90%OFF」は、通常価格の販売実態や割引率の計算が正しいかという、主に有利誤認の観点から確認します。

さらに、「飲むだけで痩せる」など商品の効果を強くうたっている場合は、景品表示法だけでなく、健康増進法や、表現内容によっては薬機法の確認も必要です。
つまり、広告チェックでは、広告全体を一括して見るだけでなく、効果、実績、価格、割引、購入条件などの表示を論点ごとに分け、それぞれに関係する法律や根拠資料を確認することが重要です。

広告チェックは訴求内容ごとに整理する

広告の訴求は、大きく「商品・サービスの内容に関する表示」と「取引条件に関する表示」に分けると、確認すべき論点を整理しやすくなります。

分類主な表示例主な確認の入口
商品・サービスの内容に関する表示効果、性能、品質、成分、実績、No.1表示、満足度、口コミ実際より優れた商品・サービスであると誤認させていないかという、主に優良誤認の観点
取引条件に関する表示価格、割引、無料、期間、数量、定期購入、送料、解約条件実際より有利・お得な条件であると誤認させていないかという、主に有利誤認の観点

このように分けると、必要な根拠資料や確認項目が明確になり、社内の広告チェックリストにも反映しやすくなります。

ただし、これはあくまで確認の入口です。一つの表示が複数の論点に関係する場合もあるため、最終的には広告全体から消費者が受ける印象を確認する必要があります。

広告実務で不当表示になりやすい事例・表現例

景品表示法における不当表示の3類型(優良誤認表示・有利誤認表示・指定表示)を整理した図解

ここからは、優良誤認と有利誤認に分けて、実務上注意したい表現例と確認ポイントを見ていきます。

 消費者庁は、景品表示法の運用状況や措置命令などの事例を公表しており、2026年5月28日には、2025年度(令和7年度)の運用状況を公表しています。

事例を広告チェックに活用するときは、問題となった文言だけを切り取るのではなく、根拠資料、表示条件、注釈、画像、価格表示などを含め、広告全体を確認することが重要です。 

優良誤認になりやすい表現例

次のような表示は、それ自体が直ちに禁止されるわけではありません。ただし、調査やデータの内容が広告表示を適切に裏付けていない場合は、優良誤認表示として問題になる可能性があります。

表現例主な確認ポイント
売上No.1何の商品市場でのNo.1か、対象地域・調査期間・販売数量や売上額などの基準が明確か
顧客満足度No.1実際の利用者を対象としているか、比較対象・設問・調査方法が適切か
満足度98%誰に何を質問した結果か、回答者数・集計方法・除外条件が明確か
医師の90%が推奨医師の専門分野や人数、質問内容、商品・成分・資料の何を評価したのかが明確か
口コミで絶賛口コミの選び方に偏りがないか、通常得られる評価や効果であるかのように見せていないか
他社より2倍高性能比較する商品・性能・試験条件が同等か、数値を正確に引用しているか

消費者庁は、主観的な評価を根拠とするNo.1表示について、少なくとも、比較対象と調査対象者が適切であること、公平な方法で調査されていること、表示内容と調査結果が対応していることが必要と整理しています。

したがって、「No.1」「満足度98%」などの数値が調査報告書に記載されているだけでは十分とは限りません。広告を見た消費者が受ける印象を、その調査やデータが実際に裏付けているかを確認する必要があります。

なお、「最安値No.1」のように価格や取引条件の優位性を示す表示は、主に有利誤認の観点から確認します。また、医師の推奨や効果に関する口コミは、商品区分によって薬機法、健康増進法、医療広告規制などの確認も必要です。

有利誤認になりやすい表現例

次の表現は、それ自体が一律に禁止されているわけではありませんが、表示の根拠や実際の販売条件と一致していない場合、有利誤認表示に該当するおそれがあります。

表現例主なリスク確認ポイント
通常10,000円→5,000円不当な二重価格表示「通常10,000円」に実際の販売実績があるか。比較する価格の意味や適合商品が明確か
今だけ50%OFF割引率・期間についての有利誤認何と比較して50%引きなのか。割引期間が実態と一致し、常時延長されていないか
初回無料取引条件についての有利誤認定期購入の必要性、2回目以降の価格、購入回数、送料、解約条件などが分かりやすく示されているか
実質0円負担額についての有利誤認キャッシュバックやポイント還元、一定期間の契約など、0円になるための条件と時期が明確か
本日限り期間限定についての有利誤認実際に当日で終了するか。翌日以降も同じ表示や価格を繰り返していないか
残りわずか数量・在庫についての誤認実際の在庫数や申込可能数に基づく表示か。根拠なく常時表示されていないか

価格・割引表示は、金額だけでなく、対象商品、適用期間、購入回数、送料、手数料、還元条件、解約条件などを含む実際の取引条件を、広告全体で正確かつ分かりやすく示す必要があります。「初回無料」「通常価格」「今だけ」「残りわずか」などの表現も、実態や根拠と一致していなければ、有利誤認表示となるおそれがあります。

注釈・打ち消し表示があれば大丈夫?

結論として、注釈や打ち消し表示を付けただけで、強調表示による誤認が常に解消されるわけではありません。

「※個人の感想です」「※効果を保証するものではありません」「※定期購入が条件です」といった注釈があっても、広告全体から受ける印象との関係で判断されます。

たとえば、次のような表示は、注釈の内容が消費者に十分伝わらないおそれがあります。

  • 文字が極端に小さい
  • 背景と同化して読みにくい
  • 強調表示から大きく離れている
  • スクロールしないと確認できない
  • メイン表示の内容と実質的に矛盾している

No.1表示についても、比較対象などの注記があったとしても、その位置、文字サイズ、色などから一般消費者に明瞭に認識されなければ、表示内容と調査結果が適切に対応しているとはいえず、景品表示法上問題となるおそれがあります。

そのため、強いコピーで印象を与えた後に、小さな「※」を付ければ問題が解消される、という考え方は避ける必要があります。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
措置命令のニュースが出ると「この言葉はもうNGですか?」と相談されることがあります。
ただし、事例を見るとき、まず何と表示して、実際には何が違っていたのかを見ます。
たとえば、同じ「満足度No.1」でも、
・適切な利用者に調査し比較対象と調査方法が妥当で表示と結果が対応しているケース
・サイトを見ただけのイメージ調査
では話が違います。
同じ「50%OFF」でも、
・比較対象となる価格に実態があるケース
・販売実績のない価格を基準にしたケース
では違います。
ですから、措置命令事例を社内ルールにするときは、「この単語は禁止」ではなく、「このような事実と表示のずれを起こさない」というルールに変換することをおすすめします。
そのほうが、制作担当者も応用して判断しやすくなります。

不当表示を防ぐ広告チェック手順

不当表示を防ぐには、広告全体が一般消費者に何を伝えているかを確認し、内容・品質・効果・実績に関する訴求は優良誤認、価格・割引・取引条件に関する訴求は有利誤認の観点で分けて確認します。

その後、根拠資料、調査条件、価格実績、注釈、関連法規と照合します。

最後に、実際に広告をどう確認すればよいのかについて手順を提案します。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
不当表示のリスクがある表現を削除するだけでは、広告として何も伝わらなくなることがあります。
大切なのは、何を根拠に、どこまで言えるのかを整理し、その中で消費者に誤認を与えない訴求へ再設計することです。
根拠の薄いNo.1が使えないなら、商品の特徴、実績、対象者、使用シーンなど、別の強みを探す。
価格表示に問題があるなら、条件を曖昧にするのではなく、実際に提供できるメリットを正確に伝える。
広告チェックは、危ない表現を消す作業ではなく、根拠ある訴求へ組み替える作業として行う。この考え方が、法令対応と適正な情報伝達を両立するうえで重要です。

1. 広告全体が何を約束しているように見えるか確認する

広告チェックでは、最初から個々の単語や表現だけを切り取って判断するのではなく、まず広告全体から一般消費者がどのような印象を受けるかを確認します。

まず、広告を通常の消費者の立場で見て、次の2点を書き出します。

  • この商品やサービスを利用すると、どのような結果が得られると感じるか
  • いくらで、どのような条件で購入・利用できると感じるか

たとえば、サプリメントの広告であれば、「この商品を飲めば痩せられる」と受け取られるのかを確認します。価格表示であれば、「500円だけで一度試せる」と受け取られるのか、それとも実際には定期購入や追加費用があるのかを確認します。

このように、広告全体から生じる効果や条件についての認識を先に整理し、その後で、個々の表現や注釈がその認識と一致しているかを確認していきます。

2. 内容訴求と条件訴求に分ける

広告全体から受ける印象を整理したら、次に広告の主張を「商品・サービスの内容に関する訴求」と「取引条件に関する訴求」に分けて確認します。

内容に関する訴求には、効果、品質、性能、実績、ランキング、満足度、口コミなどがあります。これらは、実際よりも著しく優れていると消費者に誤認させていないかという、優良誤認表示の観点を中心に確認します。

取引条件に関する訴求には、価格、割引率、無料表示、販売期間、数量、定期購入、解約条件などがあります。これらは、実際よりも著しく有利な条件で購入できると誤認させていないかという、有利誤認表示の観点を中心に確認します。

ただし、両者は完全に切り分けられるものではありません。

たとえば、満足度やランキングの見せ方が購入条件と結び付いていたり、無料表示が商品の価値を高く見せたりする場合もあります。そのため、実際のLPでは、内容と取引条件の両方を、広告全体の印象とあわせて確認する必要があります。

3. 根拠資料と表示内容を照合する

広告の根拠は、「資料があるか」だけでなく、その資料が広告の内容をきちんと裏付けているかを確認します。

たとえばNo.1表示では、調査対象、比較した商品・サービス、質問内容、調査期間、実際の利用者を対象としているかなどを確認し、調査結果と広告表示が一致しているかを見ます。

効果・性能表示でも、資料が客観的に実証されたものであり、表示した内容と適切に対応していることが必要です。

また、消費者庁から根拠資料の提出を求められた場合、原則として短期間での提出が必要になります。広告を出した後に根拠を探すのではなく、掲載前に、何を根拠にどこまで表示できるのかを整理しておくことが重要です。

4. 注釈・打ち消し表示を確認する

注釈は、付けたかどうかではなく、一般消費者に内容が伝わるかを確認します。

文字の大きさや色、表示位置、表示時間などを踏まえ、強調表示と一緒に読めて、条件を正しく理解できるかを見ることが重要です。

注釈が分かりにくい場合や、主な表示と矛盾する場合は、誤認を解消できないおそれがあるため注意が必要です。

5. 関係する法令・基準を横断して確認する

商品区分や販売方法、表示内容に応じて、複数の法令が同時に関係することがあります。

たとえば、健康食品のLPでは、景品表示法や健康増進法に加え、医薬品的な効能効果をうたっていれば薬機法、通信販売であれば特定商取引法の確認も必要です。

化粧品広告でも、薬機法と景品表示法のほか、表示内容に応じて業界の自主基準を確認することがあります。

そのため、広告は一つの法律だけで判断せず、商品区分、訴求内容、販売条件を踏まえて、関係する法令や基準を横断的に確認することが重要です。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
広告チェックで、「No.1は削除」「この体験談も削除」「割引表示も危ないので削除」と、本来言える範囲の表現まで削ってしまう事例もあります。
もちろん、問題のある表示を修正することは必要です。
ただ、それだけだと、せっかくこだわって作った製品の良さを書けず「結局、何も伝わらない広告になりました」ということがあります。
そこで大切なのは、何が問題なのかを特定して、別の根拠ある訴求へ組み替えることです。
たとえば、根拠が不十分なNo.1表示が使えないなら、
・商品そのものの特徴
・開発背景
・使用シーン
・対象者
・サポート
・客観的な実績
・適切に表示できる調査結果
など、別の訴求軸を探します。価格表示でも同じです。
強い割引表示を消すだけでなく、本当に説明できる価格上のメリットや、条件の分かりやすさをどう伝えるかを考えます。
広告チェックは、危ない言葉を消して終わりではありません。根拠がある訴求へ再設計する。そこまでできて、広告制作の実務だと考えています。

よくあるご質問(FAQ)

優良誤認とは何ですか?

優良誤認とは、商品やサービスの品質、規格、内容等について、実際より著しく優良である、または事実に反して競合の商品・サービスより著しく優れていると一般消費者に示す表示です。

広告実務では、No.1表示、満足度表示、効果・性能表示、比較表現などで確認する機会があります。ただし、特定の言葉が一律に禁止されるという意味ではなく、表示内容と根拠資料が対応しているか、一般消費者にどのような印象を与えるかを確認します。

有利誤認とは何ですか?

有利誤認とは、商品やサービスの価格その他の取引条件について、実際のものや競争事業者のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示です。

通常価格、割引率、初回価格、無料表示、期間限定、定期購入等で確認することがあります。広告では、強調された価格だけでなく、その価格の適用条件、継続条件、送料、追加費用等を含めて、一般消費者に正確に伝わるかを見る必要があります。

不当表示とは何ですか?

不当表示とは、景品表示法で禁止される表示です。代表的なものに、品質・内容等を実際より良く見せる優良誤認表示、価格・取引条件を実際より有利に見せる有利誤認表示があります。さらに、第5条第3号に基づき内閣総理大臣が指定する表示も不当表示として規制されています。

広告実務では、文言だけではなく、画像、注釈、表示位置、根拠資料、価格条件を含めて確認します。

優良誤認と有利誤認の違いは何ですか?

優良誤認と有利誤認の違いは、誤認させる対象です。

優良誤認表示は、商品・サービスの品質、規格その他の内容について、実際より著しく優良であると一般消費者に示す表示などです。有利誤認表示は、価格その他の取引条件について、実際より著しく有利であると一般消費者に誤認される表示などです。 

たとえば、健康食品LPの「満足度No.1」は主に優良誤認、「通常価格から50%OFF」は主に有利誤認の観点で確認します。同じLPで両方が問題になることもあります。

誇大広告と不当表示は同じ意味ですか?

完全に同じ意味ではありません。

「不当表示」は景品表示法上の具体的な規制概念です。一方、「誇大広告」は実務上広く使われる言葉で、内容によって景品表示法、薬機法、健康増進法等の異なる規制が関係する場合があります。

そのため広告チェックでは、「誇大広告っぽい」で終わらせず、優良誤認なのか、有利誤認なのか、薬機法上の広告規制なのかと具体的な確認軸へ分けることが重要です。

 No.1表示は優良誤認になりますか?

No.1表示が直ちに一律で優良誤認になるわけではありません。

ただし、合理的な根拠に基づかず、事実と異なるNo.1表示は、不当表示として景品表示法上問題になる可能性があります。

消費者庁は、主観的評価によるNo.1表示について、比較商品、調査対象者、調査方法、表示内容と調査結果の対応関係等を確認する考え方を示しています。

「調査会社が実施したから大丈夫」とせず、広告主側でも調査内容と広告表示の対応関係を確認する必要があります。

キャンペーン表示は有利誤認になりますか?

キャンペーン表示そのものが一律に有利誤認になるわけではありません。

ただし、「今だけ」「初回無料」「実質無料」「50%OFF」等によって、実際より著しく有利な条件であると誤認させる場合は、有利誤認表示として問題になる可能性があります。 

確認するのは、期間の実態、比較対照価格の根拠、定期購入条件、送料、追加費用等です。強調表示だけでなく、注釈や申込画面まで含めて確認します。

不当表示を防ぐには、広告制作時に何を確認すべきですか?

まず、広告全体を見て、

「この商品にはどのような品質・効果があるように見えるか」
「どのような価格・条件で購入できるように見えるか」

を整理します。

そのうえで、品質・内容・効果・実績等は優良誤認、価格・割引・取引条件は有利誤認の観点で確認します。

さらに、試験データ、アンケート、比較対象、価格実績、キャンペーン条件、画像、注釈、表示位置を照合します。効果・性能表示については、根拠が存在するだけではなく、表示した内容と根拠資料が適切に対応していることが重要です。

まとめ

不当表示を確認するとき、最初から難しく考える必要はありません。まず、「商品やサービスを実際より良く見せていないか」を確認する。これは主に優良誤認の視点です。

次に、「価格や条件を実際よりお得に見せていないか」を確認する。これは主に有利誤認の視点です。

景品表示法第5条では、この優良誤認、有利誤認に加えて、内閣総理大臣が指定するその他の表示(ステルスマーケティング規制など)も不当表示として禁止されています。

ただし、広告実務で最も避けたいのは、

「No.1は禁止」
「無料は禁止」
「体験談は禁止」

と、単語だけでルールを作ることです。

No.1なら、何のNo.1で、どのように調査し、誰を対象とし、広告表示と結果が対応しているのか。

無料なら、本当に無料なのか。ほかに購入条件はないのか。送料はどうなのか。体験談なら、誰のどのような経験を、広告全体の中でどう見せているのか。

そこまで見ます。

消費者庁のNo.1表示に関する実態調査でも、合理的な根拠の有無は、比較商品の選定、調査対象者、調査方法、表示内容と結果の対応関係等を踏まえて確認する考え方が示されています。

つまり、広告チェックで大切なのは、「この単語が使えるか」ではなく、「広告が伝えている内容と実態は一致しているか」という視点です。

さらに、健康食品、化粧品、医療関連商材、EC、通信販売等では、景品表示法だけでなく、薬機法、健康増進法、特定商取引法その他の規制が関係する場合があります。

個別案件では、表示内容、根拠、商材、媒体、対象者、画像、注釈、価格条件、広告全体の印象を整理したうえで、必要に応じて社内法務・薬事担当者や専門家へ確認することが重要です。

景表法について体系的に知りたい方は「景品表示法の広告実務ガイド」をご覧ください。関係する規制については「薬機法・景品表示法など広告規制の総合ガイド」で詳しく解説しています。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。

個別の広告表現の適否は、商品・サービス、媒体、表示内容、根拠資料、調査条件、価格条件、広告全体の印象等によって異なります。必要に応じて、最新の公的資料、所管行政機関、社内法務・薬事担当者または専門家へ確認してください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

景品表示法における不当表示の類型(優良誤認表示、有利誤認表示、指定表示)を解説する記事のアイキャッチ画像

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