MENU

健康食品広告で腸活・便秘改善は使える?乳酸菌・食物繊維広告の注意点

健康食品広告で「腸活」「便秘改善」を訴求する際の確認ポイントを、一般健康食品・機能性表示食品・特定保健用食品の3区分で整理した図。まず乳酸菌や食物繊維などを使った腸活・便通訴求を企画する際に商品区分を確認し、一般健康食品では「便秘改善」「便秘解消」など疾病改善に当たる表現から離れて、乳酸菌配合や食物繊維含有などの配合事実・商品事実を中心に表現する。機能性表示食品では消費者庁への届出表示と科学的根拠に照らし、便通改善に関する機能性を届出範囲以上に強めない。特定保健用食品では許可表示や関与成分など、許可された表示範囲との整合を確認する。さらに「腸活」「スッキリ」などのコピー、腸のイメージやグラフ・体験談などのビジュアル、届出・許可・研究資料との根拠対応を確認し、最終的に広告全体から便秘の治療や過度な腸機能改善を印象付けていないかを判断することが重要であると示している。

「腸活サプリ」「便秘改善」「乳酸菌で腸内環境を整える」。乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維を配合した健康食品では、こうしたコピーが候補に上がります。

一般的な健康食品で「便秘改善」「便秘解消」は使えません。疾病・症状の改善を商品効果として標ぼうする表現だからです。一方、「腸活」は単語だけで一律NGとはいえませんが、安全な言い換えでもありません。消費者庁は「腸活」を健康保持増進効果等を暗示する名称・キャッチフレーズの例に挙げています。

本記事では、健康食品広告で腸活、便秘改善、乳酸菌、食物繊維を訴求するときの注意点を、薬機法、健康増進法、景品表示法、機能性表示食品・特定保健用食品の表示範囲の観点から解説します。

目次

一般的な健康食品の「便秘改善」はNG。「腸活」も免罪符ではない

一般的なサプリメント等で「便秘を改善する」「便秘を解消する」「飲めば便秘が治る」と表示するのはNGです。

まず確認したいのは、薬機法上の医薬品的効能効果に当たらないかという点です。医薬品の範囲に関する基準では、疾病の治療・予防を目的とする効能効果を医薬品的効能効果として扱い、明示だけでなく名称、成分説明、体験談などによる暗示も判断対象としています。

一般的な健康食品について、「便秘ぎみの方に」など、好ましくない身体状態にある人を摂取対象として示し、その状態への効果を暗示する表現は、厚生労働省の監視指導通知で医薬品的効能効果の例として示されています。ただし、機能性表示食品等では、実際の届出表示・商品区分に基づいて別に判断します。

消費者庁の留意事項でも、「便秘改善」は疾病の治療・予防を目的とする健康保持増進効果の例です。一方、「腸活」は健康保持増進効果等を暗示・間接的に表現するキャッチフレーズの例として挙げられています。つまり、「腸活」という文字を使っただけで直ちに健康増進法違反になるわけではありません。

ただし、「腸活で便秘知らず」「腸活で毎朝スッキリ」のように使うと、広告全体として便通や腸機能への作用を伝える表現になりやすくなります。「便秘改善」を「スッキリ」「内側から整える」に変えるだけでも十分とは限りません。腸のイラスト、トイレに悩む人物、排便を連想させる体験談まで組み合わせていないかを、広告全体から確認します。

健康食品のNG表現全体は、健康食品広告のNG表現一覧で整理しています。

乳酸菌・食物繊維は「配合事実」と「商品の機能」を分ける

「乳酸菌○億個配合」「食物繊維○g含有」のように、確認できる配合量・含有量を示すことと、「乳酸菌が腸内環境を改善する」「食物繊維が便秘を解消する」と商品の機能をうたうことは別です。

厚生労働省の監視指導上も、含有成分の説明によって医薬品的効能効果を暗示する場合は判断対象になります。「乳酸菌だから腸に良いはず」「食物繊維だから便秘に効くはず」と、成分のイメージから商品効果へそのまま広げないよう注意が必要です。

また、消費者庁は、健康維持・増進に関する食品の機能を表示できる制度として、保健機能食品制度を案内しています。保健機能食品は、国が定める規格基準に適合した場合に定型の栄養機能を表示する「栄養機能食品」、個別の許可を受ける「特定保健用食品」、事業者の責任で科学的根拠等を届け出る「機能性表示食品」に分かれます。

一般的な健康食品と、それぞれの制度に基づいて機能を表示する食品を混同しないことが重要です。

原料研究と完成商品の広告根拠の違いは、健康食品広告で論文・研究データは使える?で詳しく解説しています。

事例1:「乳酸菌で便秘改善。毎朝スッキリ」は使えない

一般的な健康食品・乳酸菌サプリメントのLPで、「乳酸菌で便秘改善」「毎朝スッキリ」と排便作用を直接・間接に訴求するNG広告事例。商品「リズムフローラ」について、「乳酸菌で便秘改善」「もう溜め込まない」「毎朝スッキリ」と表示し、乳酸菌500億個配合やオリゴ糖配合などの商品情報に加え、摂取前0.7回から4週間後2.0回へ排便回数が増え、約2.8倍になったとする自社モニターのグラフを掲載している。さらに、お腹が張ってつらい、スッキリしない日が続く、つい溜め込んでしまうといった悩み訴求や腸のイラスト、初回980円のCTAを組み合わせ、商品によって便秘が改善し排便回数が増えるような印象を与えている。一般健康食品では、便秘という症状の改善や排便作用を商品効果として標ぼう・暗示することは薬機法上の問題となり得るため、「便秘」の文字だけを削除しても、グラフや『スッキリ』『溜め込まない』などを含む広告全体から同じ効果を認識させる場合は修正にならないことを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば一般的な乳酸菌サプリのLP(ランディングページ)で、「乳酸菌で便秘改善」「毎朝スッキリ」と掲載し、腸の図や排便回数が増えたように見えるグラフを並べるケースです。

これはNGです。一般的な健康食品に、便秘という症状を改善する効果を持たせています。

「便秘」の文字だけ削除して「毎朝スッキリ」にしても、排便回数のグラフや「もう溜め込まない」といったコピーで排便作用を暗示すれば修正になりません。健康増進法では健康効果を書いた時点で即違反になるわけではありませんが、健康保持増進効果等について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示は規制されます。表示全体から受ける印象も判断材料です。

修正するなら、乳酸菌の配合事実、含有量、形状、味、携帯性など、確認できる商品事実へ訴求を戻します。

ファーストビューからCTAまで健康食品LP全体を確認する方法は「健康食品LPの広告チェック|ファーストビュー・CTA・体験談・グラフの注意点」で整理しています。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
LP完成後に「便秘改善は言えない」と判明すると、ファーストビューだけでなく、成分説明、体験談、グラフ、CTA(行動の指示)まで作り直すことがあります。最初に商品区分と使える訴求を決め、その範囲からストーリーを作る方が手戻りを減らせます。NGワードの置換ではなく、企画段階で広告の軸を決める考え方です。

事例2:機能性表示食品の「便通を改善」を「便秘解消」にしない

機能性表示食品の広告で、届出表示の「便通を改善する」という機能性を「便秘を解消する」「頑固な便秘に効く」などへ強めて訴求するNG広告事例。機能性表示食品「スッキリフローラ」について、「つらい便秘を解消」「便秘を解消」「頑固な便秘に効く」「お腹のハリもスッキリ」と表示し、腸内環境を良好にする、自然なリズムでスッキリ、お腹の調子を整えるといった表現や、すっきりした様子の女性のビジュアルを組み合わせている。一方、機能性表示食品で届け出られる「便通を改善する」「腸内環境を良好にする」などの機能性と、便秘という症状そのものを治療・改善する表現は同じではない。広告では届出表示、対象者、機能性関与成分、科学的根拠の範囲に沿って表現し、言い換えによって疾病改善まで意味を広げていないかを確認する必要があることを示した不適切事例である
※自社で作成したイメージ画像です

機能性表示食品では、乳酸菌やビフィズス菌等について「腸内環境を良好にする」「便通を改善する」などの機能性を届け出ている商品があります。消費者庁で公表されている届出情報にも、乳酸菌について「便通を改善する機能」、ビフィズス菌について「腸内環境を良好にし、腸の調子を整える機能」といった届出表示の例が確認できます。

ただし、届出情報の公表は、消費者庁が個別商品の機能性を審査・許可したことを意味するものではありません。機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠を届け出る制度です。

そのため、広告では届出表示と科学的根拠の範囲に沿って表現を設計します。

届出表示が「便通を改善する」であっても、「便秘を解消する」「頑固な便秘に効く」など、便秘という症状の治療・改善まで広げることはできません。「便通の改善」と「便秘という症状の治療・改善」は同じではないためです。

このような表示は、届出された科学的根拠を超える表示として、景品表示法・健康増進法上の問題が生じるおそれがあります。さらに、医薬品的効能効果に該当する場合には、薬機法上の医薬品該当性も確認する必要があります。

届出表示の一部を省略したり、言い換えによって根拠以上の商品効果を見せたりしていないかも、広告全体から確認します。

機能性表示食品については、機能性表示食品の広告ルール、コピーの変更は機能性表示食品の届出表示はどこまで言い換えられる?も確認してください。

事例3:トクホの「おなかの調子を整える」を「便秘改善」に広げない

特定保健用食品(トクホ)の広告で、許可された「おなかの調子を整える」という保健の用途を「便秘改善」「便秘を解消」「便秘薬いらず」などへ強めて訴求するNG広告事例。オリゴ糖を関与成分とする特定保健用食品「スッキリ習慣」について、「トクホだからこそ、確かな実感」「便秘改善にしっかり効く」「ガンコな便秘もスッキリ」「便秘薬いらずの毎日へ」「おなかのハリ・不快感も改善」と表示し、さらに「つらい便秘に即効アプローチ」「便秘薬のように頼らなくてOK」といった表現を組み合わせている。一方、トクホで認められるのは、その商品について許可された保健の用途の範囲であり、「おなかの調子を整える」「ビフィズス菌を増やして腸内環境を良好に保つ」といった許可表示を、便秘という症状の治療・改善や医薬品代替まで広げることはできない。トクホであっても、実際の許可表示、関与成分、一日摂取目安量等を確認し、コピーやビジュアルを含む広告全体が疾病改善を想起させていないかを確認する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

特定保健用食品では、許可された範囲で腸やお通じに関する表示ができる商品があります。

規格基準型の特定保健用食品では、対象となる特定の食物繊維やオリゴ糖について、関与成分や一日摂取目安量等の基準を満たした場合の保健の用途の表示が定められています。たとえば、一定の食物繊維について「○○(関与成分)が含まれているのでおなかの調子を整えます」、一定のオリゴ糖について「○○(関与成分)が含まれておりビフィズス菌を増やして腸内の環境を良好に保つので、おなかの調子を整えます」といった表示例があります。

ただし、これは食物繊維やオリゴ糖を含む食品であれば自由に使える表示ではありません。規格基準型トクホとして対象となる関与成分・摂取量等の基準を満たし、許可等を受けた商品について、その許可された表示に沿って使用するものです。個別許可型のトクホでは、個別商品の許可表示を確認します。

ここでも、「トクホだから便秘改善と言える」という判断にはなりません。許可表示が「おなかの調子を整える」であれば、「便秘を治す」「便秘薬の代わりになる」など、疾病治療を想起させる表現へ広げないよう注意が必要です。

乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖といった原材料名だけで判断せず、その商品について実際に許可等を受けた表示内容を確認することが重要です。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
「乳酸菌だから腸」「食物繊維だから便通」と、成分イメージから先にコピーを決めると、根拠と広告表現がずれやすくなります。根拠があることと、その表現をその商品で広告できることは別です。商品区分、届出・許可内容、根拠、コピー、ビジュアルまで一つの流れで確認します。

腸活訴求は「スッキリ」への言い換えではなく商品区分から修正する

一般的な健康食品なら、「便秘改善」を曖昧な言葉へ置き換えるのではなく、原材料、配合量、味、形状、摂取しやすさ、利用場面などの商品事実へ軸を移します。「スッキリ」「溜め込まない」も、腸やトイレの画像と組み合わせて排便作用を示せば逃げ道にはなりません。医薬品的効能効果は、明示だけでなく広告上の暗示も対象です。

機能性表示食品なら届出表示、機能性関与成分、対象者、科学的根拠を確認します。特定保健用食品なら、その商品の許可表示と関与成分を確認します。

健康食品広告を法令横断で確認する場合は、健康食品広告のルール完全ガイドも併せて確認してください。

まとめ

一般的な健康食品広告で「便秘改善」「便秘解消」は使えません。「腸活」は単語だけで一律NGではありませんが、便通改善や腸内環境への作用を暗示する安全な逃げ道でもありません。

乳酸菌・食物繊維は、配合している事実と、商品に機能があることを分けて考えます。機能性表示食品なら届出表示、特定保健用食品なら許可表示の範囲から広告を作り、「便通改善」を「便秘解消」へ強めないことが重要です。

広告チェックでは、商品区分、届出・許可内容、根拠資料、コピー、画像、グラフ、体験談まで確認してください。

健康食品広告について体系的に理解したい方は「健康食品広告のNG表現一覧|ダイエット・疾病・美容・疲労系の使えない表現とリライト例」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

【無料】薬機法AIチェックツール「薬事ディフェンダー」

広告表現について、「どこに注意すべきか分からない」「公開前に確認ポイントを整理したい」という場合は、無料の薬機法チェックツール「薬事ディフェンダー」をご活用ください。

【無料】「使える・使えない」を覚えるだけでなく、自分で判断できるようになる(薬機法かけこみ寺®メールマガジン)

薬機法・景品表示法・医療広告について、実際の相談事例から「なぜそう考えるのか」「訴求を残すにはどう考えるか」をお届けする無料メルマガです。
目指すのは、表現を直すだけでなく、その理由を社内やクライアントにも説明できるようになること。
ご登録者には、初回限定の無料メールコンサルティングもご用意しています。
今、判断に迷っていることがあれば、登録後のご案内メールに返信してご相談ください。

形態 必須
業種 必須

登録後、配信されるメールからいつでも解除できます。

薬機法・景品表示法を実務で使える判断力を身につけ、売れる表現に落とし込む講座

クリエイティブの幅が広がる。 ギリギリを攻めても、手戻りしない。 300件以上の事例で判断力を鍛え、 もう実務で迷わない薬機法・景品表示法講座のイメージ画像

「薬機法マスター講座」では、300件以上の広告事例と約10時間の動画を通じて、薬機法・景品表示法を実務で使うための判断方法を学べます。NG表現の暗記ではなく、根拠をもって広告を制作・確認・修正する力を身につけたい方におすすめです。

参考情報・引用元

本記事では、関係法令や官公庁の公表資料に基づき、健食広告での「腸内環境改善」「便通改善」といった訴求、乳酸菌成分や食物繊維等の表示について、薬機法、健康増進法、景品表示法における規制内容や、機能性表示食品・特保の制度上の位置付けを整理・解説しています。
個々の広告内容が法令に抵触するか否かは、標榜される機能性、成分、エビデンス、およびクリエイティブ全般から受ける消費者の印象等によって個別に判断されるため、実務上の判断に際しては、常に最新の公的情報を参照し、行政機関や専門家へ相談することをお勧めします。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

健康食品広告で「腸活」「便秘改善」を訴求する際の確認ポイントを、一般健康食品・機能性表示食品・特定保健用食品の3区分で整理した図。まず乳酸菌や食物繊維などを使った腸活・便通訴求を企画する際に商品区分を確認し、一般健康食品では「便秘改善」「便秘解消」など疾病改善に当たる表現から離れて、乳酸菌配合や食物繊維含有などの配合事実・商品事実を中心に表現する。機能性表示食品では消費者庁への届出表示と科学的根拠に照らし、便通改善に関する機能性を届出範囲以上に強めない。特定保健用食品では許可表示や関与成分など、許可された表示範囲との整合を確認する。さらに「腸活」「スッキリ」などのコピー、腸のイメージやグラフ・体験談などのビジュアル、届出・許可・研究資料との根拠対応を確認し、最終的に広告全体から便秘の治療や過度な腸機能改善を印象付けていないかを判断することが重要であると示している。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次