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健康食品広告のルール完全ガイド|薬機法・健康増進法・景品表示法と商材別注意点を解説

「健康食品広告のルール完全ガイド」と題された図解。中央にWebページのLPイメージを配置し、その周囲に「薬機法(医薬品的な効能)」「健康増進法(健康効果の根拠)」「景品表示法(品質・価格・比較)」「食品表示法(食品表示)」「商材別の規制(成分・製造・流通)」という5つの枠で法規制の関係性を示している。左側には「単語ではなく、根拠と広告全体の印象を見る」というメッセージと共に、商材ごとの確認、資料の信頼性、体験談・ランキングの注意点、広告全体のチェックといった4つのチェックポイントが記載されている。下部にはダイエット、青汁、プロテイン、乳酸菌、NMN、CBDという代表的な商材が列挙されている。

健康食品やサプリメントの広告を制作するとき、「薬機法に触れなければ問題ない」「健康食品だから、少し健康効果を表現してもよい」と考えていないでしょうか。

結論からいうと、健康食品広告は薬機法だけでは判断できません。薬機法に加えて、健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断し、商材によっては成分や流通に関する規制まで確認する必要があります。

たとえば、疾病の治療や予防をうたっていなくても、実際の根拠を超えて「短期間で体重が落ちる」「免疫力が高まる」と印象づければ、健康増進法や景品表示法上の問題が生じる可能性があります。

また、体験談、ビフォーアフター画像、グラフ、医師や専門家による推薦、ランキング表示なども、本文コピーと切り離して判断することはできません。広告全体として、消費者に実際以上の効果や優位性があるように見せていないかを確認する必要があります。 

この記事では、健康食品広告に関わる実務者向けに、主要法令の役割、広告全体の確認方法、ダイエット食品・青汁・酵素・プロテイン・乳酸菌・NMN・CBDの商材別注意点を整理します。

この記事の要点(まとめ)
  • 健康食品広告は複数法令で確認する:薬機法では医薬品的効能効果、健康増進法では健康保持増進効果等の虚偽誇大表示、景品表示法では優良誤認・有利誤認、食品表示法では食品区分に応じた表示範囲を確認します。
  • 単語ではなく広告全体の印象で判断する:「治る」「痩せる」などの直接表現だけでなく、画像、体験談、グラフ、専門家コメント、ランキング、注釈を組み合わせ、どのような効果を約束しているように見えるかが判断の中心です。
  • 商材ごとに訴求リスクと根拠を整理する:ダイエット、腸活、筋肉、エイジング、睡眠など、商材によって問題になりやすい訴求は異なります。NG表現を削るだけでなく、商品価値を別の角度から再設計することが必要です。
目次

健康食品広告のルールは薬機法だけでは判断できない

「健康食品広告に関係する5つの法律・制度」を示す図解。中央に健康食品広告の構成要素(商品情報やコピー)を配置し、その周囲に「薬機法」「健康増進法」「景品表示法」「食品表示法」「その他の規制」という5つの枠を設けて、それぞれの法律における主要な確認事項を列挙している。図の下部には「広告表現だけでなく、商品表示と流通条件まで横断確認」というメッセージが記載されている。

健康食品広告では、薬機法、健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断して確認する必要があります。商材によっては、これらに加えて成分、輸入、製造、流通に関する規制の確認も必要です。

健康食品広告のチェックが難しいのは、同じ表示が複数の法律から問題になり得るためです。

たとえば「このサプリメントを飲めば、1か月で10キロ痩せる」という表示を考えてみましょう。

疾病の治療・予防や身体機能への作用を標ぼうしていると評価されれば、薬機法上の問題が生じる可能性があります。合理的な根拠がなく、著しい減量効果を期待させていれば、健康増進法や景品表示法からも確認が必要です。

このとき、「痩せる」という一語だけを別の言葉に変えても十分とは限りません。細くなった人物の画像、体重の減少グラフ、「食事制限なし」というキャッチコピー、成功体験談が残っていれば、広告全体として同じ効果を伝えている可能性があるからです。

健康食品広告に関係する主な法律

法律・制度主な確認対象健康食品広告での確認例
薬機法医薬品的な効能効果、無承認医薬品の広告等疾病の治療・予防、身体機能の増強・改善を標ぼうしていないか
健康増進法健康保持増進効果等に関する虚偽・誇大表示実際の根拠を超えた健康効果や、著しく誤認させる表示がないか
景品表示法優良誤認・有利誤認、ステルスマーケティング等効果、品質、価格、No.1、満足度、比較表示に十分な根拠があるか
食品表示法食品表示基準、保健機能食品の表示等容器包装上の法定表示、届出・許可表示、栄養強調表示等との整合性を確認 
その他の規制商材別の成分・製造・輸入・流通CBD製品のΔ9-THC残留限度値、指定薬物、輸入手続等

健康増進法第65条は、食品として販売される物について、健康保持増進効果等を「著しく事実に相違する」形で表示したり、「著しく人を誤認させる」ように表示したりすることを禁止しています。消費者庁は、健康食品に関する留意事項やインターネット広告の監視結果も継続的に公表しています。

健康増進法の詳細については「健康食品広告に関わる人のための健康増進法」「健康増進法で禁止される広告表現」をご覧ください。

薬機法・健康増進法・景品表示法の役割

実務では、次のように分けて考えると整理しやすくなります。

  • 薬機法:「その食品を、医薬品のように見せていないか」
  • 健康増進法:「健康効果について、実際より著しく良く見せていないか」
  • 景品表示法:「商品や取引条件を、根拠なく実際より著しく優良・有利に見せていないか」
  • 食品表示法:「その食品区分で認められた表示の範囲を守っているか」

ただし、これは説明のための整理です。実際の案件では、同じ広告に複数の法律が重なります。

たとえば機能性表示食品であっても、届出表示を超えて自由に機能を表現できるわけではありません。機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠に基づく機能を表示する制度であり、広告が届出内容や科学的根拠の範囲を超えれば、景品表示法や健康増進法上の問題になり得ます。

景品表示法については、「景品表示法の広告実務ガイド」で詳しくまとめています。

広告全体の印象で判断する

健康食品広告では、次の要素を分けずに確認します。

  • キャッチコピーと本文
  • 商品名、シリーズ名、愛称
  • 人物や身体部位の画像
  • ビフォーアフター
  • グラフ、数値、試験結果
  • 体験談、口コミ
  • 医師、専門家、著名人のコメント
  • No.1、満足度、ランキング
  • 注釈、打ち消し表示
  • 遷移元広告と遷移先LP(ランディングページ)
  • SNS投稿、記事広告、動画、EC商品ページ

広告主が直接書いた文章だけが広告になるわけではありません。依頼した投稿、自社LPに転載した口コミ、アフィリエイト記事、広告主が内容決定に関与したランキングなども、関係性や運用実態によって確認対象になります。

ここで持つべき判断軸は、「禁止ワードがあるか」ではなく、広告を見た一般消費者が、商品を摂取することで何が起こると受け取るかです。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
健康食品広告の相談では、「この言葉は使えますか」と聞かれることが多いのですが、単語だけを見ても答えが出ないケースがほとんどです。
同じ言葉でも、商品の区分、前後の文章、画像、体験談、グラフとの組み合わせによって、消費者が受け取る印象は変わります。ここで大事なのは、薬機法だけを通過させることではありません。健康増進法や景品表示法も含め、広告全体がどのような未来を約束しているように見えるかを確認することです。
公開直前にNGワードを削るより、企画段階で「何を根拠に、どの価値を伝えるか」を決めた方が、結果として制作の手戻りも少なくなります。

健康増進法と健康食品広告の関係

健康増進法は、食品として販売される物について、健康保持増進効果等を著しく事実と異なる形で示したり、消費者に著しく誤認させたりする広告その他の表示を規制します。

薬機法上の医薬品的効能効果を避けていても、根拠を超えた健康効果を印象づけた場合、健康増進法上の確認が必要です。

健康増進法が対象にする「食品として販売される物」

健康増進法上の確認対象は、サプリメント形状の商品だけではありません。

健康食品、一般食品、飲料、茶、菓子、粉末、プロテイン、青汁など、食品として販売される物が広く関係します。特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品も、認められた表示範囲を超えれば問題になり得ます。消費者庁の留意事項も、保健機能食品について許可・届出・基準の範囲を超えた表示や、国が効果を認めたような誤認を招く表示に注意を求めています。

健康保持増進効果等の虚偽誇大表示とは

実務上、次のような表示は特に慎重な確認が必要です。

  • 短期間で大幅な体重減少を期待させる
  • 食事や運動を変えずに痩せると印象づける
  • 免疫機能を高め、感染症を防ぐと印象づける
  • 疲労、睡眠、不安、血圧、血糖値等が確実に改善すると伝える
  • 摂取者のほぼ全員に同じ効果が出ると見せる
  • 一部の試験結果を商品全体の確実な効果として拡大する
  • 成分の研究結果を、そのまま最終商品に当てはめる
  • 個人の体験談だけで一般的な効果を裏付ける

問題になるかどうかは、表現の内容、効果の程度、根拠資料、対象者、摂取条件、表示全体の印象などから総合的に判断されます。

「研究で確認されました」「専門家も注目しています」と書けば安全になるわけではありません。研究対象となった成分量、摂取期間、対象者、試験方法が、実際の商品や広告表現と整合しているかまで確認する必要があります。

健康食品広告では表示全体の印象を見る

次の例を比べてみましょう。

例1

毎日の健康維持をサポートするサプリメント

この一文だけでは、具体的に何を意味するかが限定されていません。しかし、隣にウイルスを防ぐ盾の画像や「もう風邪をひかない」とする体験談があれば、疾病予防や免疫機能への作用を伝える広告に見える可能性があります。

例2

すっきりした毎日を応援

「すっきり」だけでは意味が曖昧です。ただし、腹部を押さえた人物、便通回数のグラフ、便秘薬との比較が組み合わされていれば、便秘改善効果を暗示する可能性があります。

このように、抽象的な言葉へ置き換えても、広告全体のストーリーが変わっていなければ、リスクが解消されるとは限りません。

健康食品広告で薬機法上注意すべき表現

一般的な健康食品は、医薬品のような疾病の治療・予防や、身体機能の増強・改善を標ぼうできません。商品名、説明文、体験談、画像などから医薬品的な効能効果を暗示する場合も確認が必要です。

厚生労働省は、健康食品の販売において疾病の治療を目的とする表現や、研究資料の引用によって治療効果を暗示する表示などを、医薬品的効能効果に関する問題例として示しています。

疾病の治療・予防を標ぼうする表現

次のような訴求は、通常の健康食品では特にリスクが高い領域です。

  • 糖尿病、高血圧、がん、花粉症等に効く
  • 感染症を予防する
  • 便秘を治す
  • 不眠症を改善する
  • うつ症状や不安障害を軽減する
  • 関節炎の痛みを抑える
  • 肝機能障害を改善する
  • 認知症を予防する

疾病名を直接書いていなくても、「薬をやめられた」「病院に行かなくて済んだ」「検査値が正常になった」などの体験談で同様の効果を伝える場合があります。

また、病名の文字を伏せ字にしたり、身体部位のイラストへ置き換えたりしても、広告全体から疾病改善を理解できるのであれば、単純な回避策にはなりません。

身体機能の増強・改善を標ぼうする表現

疾病に触れていなくても、身体の機能を積極的に変化させる表示には注意が必要です。

  • 免疫力を高める
  • 代謝を上げる
  • 脂肪を燃焼する
  • 筋肉を増やす
  • 血流を改善する
  • ホルモンバランスを整える
  • 自律神経を整える
  • 解毒・デトックスする
  • 若返らせる
  • 老化を止める

ただし、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品では、それぞれの制度に基づき認められた範囲の表示を検討できます。

たとえば栄養機能食品は、定められた栄養成分量等の基準を満たす場合に、国が定めた栄養成分の機能を表示する制度です。基準にない成分の機能まで自由に表現できるわけではありません。

成分の説明と商品広告は切り離せないことがある

「商品ではなく、成分について説明しているだけです」という主張が、常に通用するわけではありません。

次の要素がそろえば、成分情報が実質的に商品広告として受け取られる可能性があります。

  • 商品ページから直接リンクされている
  • 商品名や購入ボタンが近くにある
  • 販売会社の公式SNSが発信している
  • 特定商品に含まれる成分量を強調している
  • 成分の効果説明の直後に商品を紹介している
  • プロフィールや固定投稿から販売ページへ誘導している

論文を紹介するだけでも、商品の購入を誘引する構成になっていれば、広告との関連性を否定できない場合があります。

論文・研究データの使用については「健康食品広告で論文・研究データは使える?原料データと商品広告の注意点」で詳しくまとめています。

健康食品広告で問題になりやすい表現とリライトの考え方

健康食品広告のリライトでは、問題のある言葉を機械的に弱めるのではなく、「商品が提供できる事実」と「消費者に伝えたい価値」を分けて再設計することが重要です。

NG表現からのOK表現へのリライトには、薬機法ライティング®の考え方が応用できます。

疾病・症状の改善表現

注意が必要な表現例問題になりやすい理由リライトを検討する方向
便秘を改善する疾病・症状の改善を標ぼうする可能性食物繊維量、原材料、飲みやすさ、食生活への取り入れ方を伝える
花粉症対策に疾病の予防・改善を期待させる季節の健康管理、栄養補給、生活習慣をテーマに再設計する
不眠を解消する睡眠障害への治療効果を印象づける夜の生活習慣、リラックスタイム、飲用シーンを紹介する
血糖値を正常にする検査値の改善・治療を標ぼうする機能性表示食品等であれば届出表示を確認し、その範囲内で表現する

表のリライト方向は、掲載可能性を保証するものではありません。画像や体験談を含む広告全体、商品区分、根拠資料との整合性を別途確認します。

効果を保証する表現

「必ず」「確実に」「誰でも」「飲むだけ」といった言葉は、効果の確実性を強く印象づけます。

特に注意したいのが、言葉では断定していないものの、次の構成によって保証的な印象が生じるケースです。

  • 成功者だけを並べた大量の体験談
  • 劇的なビフォーアフター
  • 効果が出るまでの日数を断定
  • 「返金保証」と効果説明の近接
  • 白衣の人物による断定的な推薦
  • 「多くの人が実感」とする根拠不明の数値
  • 小さな注釈による例外説明

注釈は、強い本体表示を自動的に打ち消すものではありません。注釈の位置、大きさ、表示時間、内容、本体表示との矛盾を含めて確認します。

体験談・口コミ

健康食品の体験談では、味、香り、形状、飲みやすさ、持ち運びやすさなど、使用感に関する情報は比較的整理しやすい領域です。

一方で、次の体験談は、効能効果や効果保証を伝える可能性があります。

  • 「これを飲んで10キロ痩せました」
  • 「免疫力が上がり、風邪をひかなくなりました」
  • 「血圧が下がりました」
  • 「朝までぐっすり眠れるようになりました」
  • 「筋肉がつきました」
  • 「薬が必要なくなりました」

第三者がECモール等へ自発的に投稿したレビューと、事業者が自社LPへ選択・転載したレビューは、同じようには扱えません。自社LPに掲載した時点で、事業者が広告内容として採用したものと見られるため、効能効果を伝える口コミは慎重な確認が必要です。

また、企業が投稿を依頼したり、内容を指定したり、商品や金銭を提供したりした場合は、景品表示法のステルスマーケティング規制も確認します。口コミや体験談は、薬機法・健康増進法・景品表示法を横断して見る必要があります。

ビフォーアフター

ビフォーアフターは、一目で効果を伝えられるため、広告上強い訴求になります。その一方で、対象者、期間、加工の有無などによって、消費者に過度な期待を与えやすい表現です。健康効果や身体変化を示すビフォーアフターは、通常得られる結果や合理的根拠、撮影条件等について厳格な確認が必要で、実務上リスクが高い表示です。 

少なくとも次の項目を確認します。

  • 同一人物・同一条件で撮影しているか
  • 光、角度、姿勢、服装、表情が統一されているか
  • 画像加工を行っていないか
  • 摂取期間が明確か
  • 食事、運動、他の商品等の影響を切り分けられるか
  • 代表的な結果のように見せていないか
  • 商品の効果として評価できる根拠があるか
  • 注釈が画像の強い印象と矛盾していないか

「個人の感想です」と記載しても、画像自体が強い効果を示している場合は、それだけで問題が解消されるとは限りません。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
健康食品広告のリライトでよくある失敗は、リスクのある表現を削った結果、商品価値まで伝わらなくなることです。もちろん、法令に配慮することは大前提ですが、表現を弱めるだけでは広告として機能しません。
重要なのは、伝えたい価値を分解することです。効果効能の断定ではなく、原材料、配合設計、味、続けやすさ、生活シーン、利用目的、選ばれる理由へ置き換えられないかを考えます。
40,000件以上の広告表現支援の経験からでも、「NGワードを別の単語に変える」より、「広告が約束する未来を組み直す」方が、結果として自然な表現になるケースが多くあります。

景品表示法から確認する健康食品広告の注意点

景品表示法では、商品の品質、効果、内容、価格、取引条件などを、実際より著しく優良または有利に見せていないかを確認します。

健康食品広告では、科学的根拠、試験結果、比較表示、No.1表示、満足度、医師等の推薦、価格表示が問題になりやすい領域です。

効果表示と合理的な根拠

「研究で証明」「臨床試験済み」「科学的に確認」などの表示をする場合、単に何らかの論文が存在するだけでは足りません。

次の点を確認します。

  • 研究対象が最終商品か、配合成分か
  • 商品に含まれる成分量と研究時の摂取量が一致するか
  • 対象者の年齢、性別、健康状態が広告対象と整合するか
  • 摂取期間が一致するか
  • 対照群が設定されているか
  • 評価項目と広告表現が対応しているか
  • 統計的な結果だけでなく、表示する効果の程度を裏付けるか
  • 有利な結果だけを選んでいないか
  • 研究の限界や条件を無視していないか

たとえば、特定成分を高用量で摂取した研究結果を、少量しか含まない商品へそのまま当てはめることはできません。

機能性表示食品でも、届出資料に基づく範囲内で広告を設計する必要があります。消費者庁は、科学的根拠の範囲を超えた広告・宣伝について、景品表示法上の不当表示や健康増進法上の虚偽誇大表示に該当するおそれがあるとしています。

No.1・満足度・ランキング表示

「売上No.1」「医師が選ぶNo.1」「満足度98%」「おすすめランキング1位」といった表示は、消費者の商品選択に強く影響します。

使用する場合は、少なくとも次の事項を説明できる状態にします。

  • 調査主体
  • 調査期間
  • 調査対象者
  • 回答者数
  • 比較対象となる商品・事業者
  • 調査地域
  • 質問内容
  • 集計方法
  • No.1となった指標
  • 調査結果と表示内容の対応
  • 現在も表示できる鮮度があるか

実際の利用者ではない人へ「印象」を聞いただけの調査を、顧客満足度や商品品質のNo.1として表示することは、表示との対応が問題になります。

ランキングサイトについても、広告主との関係、順位決定基準、報酬の有無を確認します。広告料や成果報酬が順位に影響しているにもかかわらず、中立的な比較結果のように見せれば、景品表示法上の問題が生じる可能性があります。No.1表示では、調査を行った事実だけでなく、その調査が広告表示を裏付ける内容かを確認する必要があります。

No.1表示に関しては、「No.1表示に関する表記ルール」の記事もご確認ください。

医師・専門家の推薦

医師、薬剤師、管理栄養士、研究者等の推薦は、専門性や信頼性を強く印象づけます。

確認すべきなのは、肩書の真実性だけではありません。

  • 推薦者は商品を適切に確認しているか
  • 推薦の範囲と広告表示が一致しているか
  • 報酬や商品提供等の関係があるか
  • 疾病の治療・予防効果を保証していないか
  • 「医学的に認められた」と誤認させないか
  • 特定成分の一般的な知見を、最終商品の効果へ拡張していないか

「専門家が推薦している」という事実があっても、その推薦を使って商品の効果まで保証することはできません。

勘違いされがちですが、健康食品の広告においては、医療関係者の推薦は一律にNGとされていません。

参考:薬機法における広告ルール『医薬品等適正広告基準』について解説

価格・キャンペーン表示

健康食品の定期購入では、次の表示も重要です。

  • 初回価格と2回目以降の価格
  • 送料、手数料
  • 購入回数の条件
  • 解約期限・解約方法
  • 総支払額
  • 通常価格の販売実績
  • キャンペーンの終了条件
  • 「今だけ」「残りわずか」等の根拠

ファーストビューで初回価格だけを大きく表示し、継続条件や総額を分かりにくく表示すると、取引条件について誤認を招く可能性があります。定期購入では景品表示法だけでなく、特定商取引法に基づく表示も確認します。

特定商取引法に関しては、「特定商取引法の広告実務ガイド」で詳しくまとめています。

商材別に見る健康食品広告の注意点

「商材別・健康食品広告の注意点」を示す図解。ダイエット食品、青汁、酵素サプリ、プロテイン、乳酸菌、NMN、CBDの7つの商材について、「注意すべき訴求」「確認ポイント」「再設計(リライト)の方向性」を整理している。図の下部には「効能を弱く言い換えるのではなく、確認可能な商品事実へ訴求を移す」という重要な全体メッセージが記載されている。

健康食品広告の注意点は商材ごとに異なります。ダイエット食品では痩身、青汁や乳酸菌では便通・腸内環境、酵素では代謝、プロテインでは筋肉増強、NMNでは若返り、CBDでは睡眠・不安・鎮静などの訴求が問題になりやすい領域です。

商材問題になりやすい訴求主な確認ポイントリライトを検討する方向
ダイエット食品痩せる、脂肪燃焼、食事制限不要減量効果の根拠、期間、画像、体験談栄養設計、置き換え方法、カロリー等の事実
青汁便秘改善、デトックス、野菜不足解消栄養成分量、便通訴求、疾病暗示原材料、栄養成分、飲み方、食生活への取り入れ方
酵素サプリ代謝アップ、脂肪分解、若返り「酵素」の働きと最終商品の根拠原材料、製法、配合量、続けやすさ
プロテイン飲むだけで筋肉増強、痩身運動との関係、たんぱく質の機能表示栄養補給、運動後の摂取、味・溶けやすさ
乳酸菌免疫力アップ、便秘改善、花粉症対策菌株、摂取量、届出表示、疾病表現菌株等の事実、機能性表示の範囲、食習慣
NMN若返り、老化防止、寿命延長ヒトでの根拠、成分研究と商品効果の区別品質管理、含有量、製造管理等の事実
CBD睡眠改善、不安解消、鎮痛、治療薬機法、健康増進法、THC、指定薬物、輸入・流通商品仕様、品質管理、使用シーン。効能効果は慎重に扱う

ダイエット食品広告の注意点

ダイエット食品では、「商品を摂取するだけで体重や体脂肪が大きく減る」と印象づけないことが重要です。

特に注意したいのは、次の組み合わせです。

  • 「飲むだけ」「我慢不要」
  • 大幅な減量数値
  • 短い摂取期間
  • 細くなった人物の画像
  • 食事量を変えなくてもよいという説明
  • 成功者だけを集めた体験談
  • 脂肪が溶ける、燃えるとするCG

置き換え食品であれば、1食当たりの熱量、栄養成分、置き換え方法などの事実を中心に設計できます。ただし、摂取すれば必ず痩せるという結果まで約束しないようにします。

機能性表示食品の場合も、「体重が減る」「脂肪が消える」などへ広げるのではなく、届出表示、対象者、摂取条件、科学的根拠の範囲を確認します。

青汁広告の注意点

青汁広告では、「野菜不足」「便通」「デトックス」「血液サラサラ」などの訴求がよく使われます。

「野菜不足を解消」という表示は、商品を飲めば食生活上の不足が全面的に補われるような印象になっていないかを確認します。配合している野菜の種類が多いことと、必要な栄養素を十分量摂取できることは同じではありません。

栄養成分について訴求する場合は、実際の含有量や食品表示基準上の強調表示要件を確認します。容器包装された一般用加工食品では栄養成分表示が求められ、栄養強調表示には所定の基準があります。

「便秘が治る」「腸内の毒素を排出する」などの表示は避け、原材料、味、飲み方、食物繊維量等の客観的事実を軸に組み立てます。

酵素サプリ広告の注意点

酵素サプリでは、「酵素を補えば代謝が上がる」「脂肪が分解される」「体内酵素が増える」といった説明が使われることがあります。

ここで確認したいのは、成分名から効果を推測していないかという点です。

「酵素」という名称だけを根拠に、最終商品が体内で特定の作用を示すとは限りません。製造工程、加熱、消化、配合量、摂取後の働きなどを踏まえ、広告表示を裏付ける資料が必要です。また、医薬品的な効能を訴求することはできません。

広告では、原材料の種類、発酵方法、製法、品質管理、味、形状など、確認可能な事実へ訴求を移す方法が考えられます。

プロテイン広告の注意点

プロテインは食品であり、「飲めば筋肉がつく」「運動なしでも筋肉量が増える」と断定することには注意が必要です。

たんぱく質は身体を構成する栄養素ですが、商品の摂取だけで具体的な筋肉増強結果を保証できるわけではありません。

実務では、次の情報を中心に設計します。

  • 1食当たりのたんぱく質量
  • アミノ酸組成
  • 熱量、脂質、糖質等
  • 運動後や食事時などの利用シーン
  • 味、溶けやすさ、飲みやすさ
  • 摂取目安量
  • 栄養成分の補給という位置づけ

利用者の体験談で「筋肉がついた」「体脂肪が落ちた」と掲載する場合も、商品による確実な効果を伝えていないか注意します。

乳酸菌広告の注意点

乳酸菌サプリでは、「腸内環境」「便通」「免疫」「花粉症」などの訴求が問題になりやすい領域です。

同じ乳酸菌でも菌株によって研究内容は異なります。ある菌株の研究結果を、別の菌株や菌種全般へ拡張することはできません。また、研究で使用した摂取量と商品の含有量が一致しているかも確認します。

一般的な健康食品で「免疫力を高める」「感染症を防ぐ」「便秘を治す」と表現することは慎重に扱います。

機能性表示食品で便通等の機能を表示する場合は、届出表示の対象者、機能性関与成分、摂取目安量、届出資料を確認し、その範囲を超えないようにします。

NMN広告の注意点

NMN広告では、「若返り」「老化防止」「寿命を延ばす」「細胞を若くする」といった表現が使われやすくなります。

成分に関する基礎研究や動物研究が存在しても、それだけで市販される最終商品について、人の若返りや寿命延長を表示できるとは限りません。また、そのような表示は薬機法違反となる可能性が高いです。

次の点を区別します。

  • 細胞・動物・ヒトのどの段階の研究か
  • 成分単体と最終商品のどちらを研究したか
  • 使用量や摂取期間は商品と一致するか
  • 研究で確認した指標と広告表現は対応するか
  • 「老化に関する研究」と「人が若返る」という表示を混同していないか

NMNは高価格帯の商品も多いため、品質や含有量に関する表示も重要です。「高純度」「医療グレード」「最高品質」などの表示には、定義と客観的根拠が必要です。

CBD広告の注意点

CBD広告は、通常の健康食品広告以上に慎重な確認が必要です。

「睡眠を改善する」「不安を解消する」「鎮痛作用がある」「ストレスを治療する」といった表示は、医薬品的な効能効果を標ぼうする可能性があります。過去には、CBDを含む商品について、ストレス、不安、睡眠等への作用を表示したことが薬機法上の問題につながった事例もあります。

さらにCBD製品では、広告表現とは別に、次の確認が必要です。

  • 原料・製品中のΔ9-THC
  • 製品形状ごとの残留限度値
  • 分析方法と検査機関
  • ロットごとの品質管理
  • 輸入・販売に関する手続
  • 商品区分
  • 最新の厚生労働省・行政機関の注意喚起

大麻に関する制度改正により、CBD関連製品についてはΔ9-THCの残留限度値を含む成分規制の確認が重要になっています。厚生労働省は2025年から2026年にかけて、残留限度値を超えるΔ9-THCが検出された製品について複数回の注意喚起を公表しています。

したがって、CBD広告は次の二段階で確認します。

  1. 商品を適法に製造・輸入・流通できるか
  2. その商品について広告できる内容か

広告文だけを修正しても、成分や流通面の確認が不十分であれば、商品自体のリスクは解消されません。公開前には、厚生労働省の最新資料と分析証明書等を確認してください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
CBDのように制度変更や成分規制の影響を受けやすい商材は、広告原稿だけを見て判断しないことが大切です。成分規格、分析結果、輸入経路、商品区分を確認し、その後に広告表現を設計します。
また、修正しにくいパッケージで強い効能効果を打ち出すと、問題が生じたときに回収や再製造へつながる可能性があります。パッケージは客観的な商品情報を中心にし、変更しやすいWebや販促物も含めて訴求を設計するという考え方が、リスク管理上は有効です。
ただし、販促物なら自由に表現できるという意味ではありません。媒体を分けても、全体として商品と効能効果が結びつけば広告として評価される可能性があります。

健康食品広告の実務チェックリスト

健康食品広告は、原稿完成後だけでなく、企画、商品設計、根拠整理、制作、公開後の各段階で確認することが重要です。

商品区分と表示可能範囲

  • 一般食品、いわゆる健康食品、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品のどれか
  • 医薬品成分や専ら医薬品として使用される成分が含まれていないか
  • 機能性表示食品の場合、届出番号・届出表示・機能性関与成分は何か
  • 栄養機能食品の場合、基準値と定型表示を満たしているか
  • 商品区分を誤認させる名称・デザインになっていないか

広告表現

  • 疾病の治療・予防をうたっていないか
  • 身体機能の増強・改善を断定していないか
  • 効果が確実であるように見せていないか
  • 短期間で大きな変化を約束していないか
  • 「飲むだけ」「誰でも」などの条件を省略していないか
  • 成分の研究結果を商品全体へ拡張していないか
  • 届出表示・許可表示・栄養機能表示の範囲を超えていないか

画像・動画

  • 身体部位や疾病を想起させる画像がないか
  • ビフォーアフターの条件が統一されているか
  • CGやアニメーションで身体への作用を強調していないか
  • 動画の音声とテロップを合わせると強い効果表示にならないか
  • 注釈が短時間で消えたり、読めない大きさになったりしていないか

体験談・口コミ・SNS

  • 効能効果を述べる体験談を掲載していないか
  • 自社LPへ転載した口コミを広告として確認したか
  • 投稿を依頼した事実や報酬・商品提供があるか
  • PR表示が明瞭か
  • インフルエンサーへ伝えた指示内容を保存しているか
  • コメント欄や動画内の発言も確認しているか

根拠資料

  • 表示内容に直接対応する資料か
  • 最終商品または同等性を説明できる資料か
  • 成分量、摂取期間、対象者、評価項目が一致するか
  • 有利な結果だけを抜き出していないか
  • 表示する効果の程度まで裏付けられるか
  • 原資料、翻訳、要約、社内判断記録を保存しているか

景品表示法・取引条件

  • No.1、満足度、ランキングの調査設計を説明できるか
  • 医師・専門家の推薦内容と広告表示が一致するか
  • 通常価格に販売実績があるか
  • 定期購入の回数、総額、解約条件が明確か
  • 「今だけ」「残りわずか」等に事実上の根拠があるか
  • アフィリエイトや記事広告の管理体制があるか

広告制作・審査を効率化する実務フロー

健康食品広告の審査は、完成原稿へ最後に赤字を入れるだけでは効率化できません。企画段階で表現可能な範囲と根拠を整理することが、手戻りを減らすポイントです。

1.商品情報を整理する

最初に、商品区分、成分、配合量、製法、届出内容、想定ユーザー、販売方法を整理します。

「何を売るか」が曖昧な状態では、「何を言えるか」も判断できません。

2.根拠資料を表示単位で整理する

「エビデンスあり」という一括管理ではなく、広告で使用する表示ごとに根拠を紐づけます。

表示案必要な根拠確認結果対応
1食でたんぱく質20g栄養成分分析一致使用候補
満足度95%調査票・対象者・集計対象者に疑義表示見直し
腸内環境を改善届出資料・商品区分一般食品訴求再設計
高純度NMN純度試験・「高純度」の基準定義不足数値表示を検討

3.先に訴求軸を審査する

コピーを完成させる前に、次のような訴求軸の段階で確認します。

  • 痩身
  • 腸活
  • 睡眠
  • エイジング
  • 筋肉
  • 美容
  • 栄養補給
  • 続けやすさ
  • 品質管理

主訴求自体が商品区分や根拠と合わなければ、文章を細かく修正しても広告全体が成立しません。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
健康食品広告で大きな手戻りが起きる案件は、原稿の言い回しよりも、広告の主訴求そのものに問題があるケースが多いです。
たとえば、一般的な健康食品なのに「免疫力アップ」を中心に商品企画やLPのストーリーを作ってしまうと、公開直前に数語を変更するだけでは対応できません。画像、体験談、説明ロジックまで作り直すことになります。
企画書やワイヤーフレームの段階で、商品区分、根拠、使える訴求の方向を確認する。これだけでも、制作期間や媒体審査の手戻りは大きく変わります。

4.コピー・画像・導線を一体で確認する

原稿、デザイン、動画、遷移元バナー、LP、申込画面を別々に審査すると、組み合わせによる誤認を見落としやすくなります。

制作チーム、薬事・法務担当者、マーケティング担当者が同じ完成イメージを見て判断できるフローを設けます。

5.判断理由を記録する

「前回通ったから」「他社が使っているから」では、社内基準として再現できません。

  • どの法令・資料を確認したか
  • どの根拠を使用したか
  • 何をリスクと判断したか
  • なぜ修正したか
  • どの条件で使用するか

これらを記録し、商材別・媒体別のガイドラインへ蓄積します。

6.公開後も見直す

法律、ガイドライン、媒体基準、届出情報、商品仕様は変わることがあります。

特にCBDや機能性表示食品のように制度・運用の動きがある領域では、公開時に問題がなかった広告でも、定期的な見直しが必要です。

健康食品LPの広告チェックの記事では、ファーストビューやグラフの注意点もまとめています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
法令上の評価と媒体審査の結果は、必ずしも同じではありません。媒体独自の基準によって修正が求められることもあれば、審査を通過した表示が法令上の問題を生じないと保証されるわけでもありません。
そのため、実務では「法令上どう考えるか」「媒体が何を求めているか」「修正後も商品価値が伝わるか」を分けて考えます。
審査通過だけを目的に単語を弱めると、LP全体のストーリーが崩れることがあります。訴求の核を残しながら、根拠のある情報へ置き換えることが広告表現設計の役割です。

よくあるご相談(FAQ)

健康食品広告のルールには、どの法律が関係しますか?

健康食品広告では、薬機法、健康増進法、景品表示法、食品表示法などを横断して確認します。

薬機法では医薬品的な効能効果を標ぼうしていないか、健康増進法では健康保持増進効果等について著しく事実と異なる表示や著しい誤認がないか、景品表示法では商品や取引条件を実際より著しく優良・有利に見せていないかを確認します。

機能性表示食品や栄養機能食品では制度上の表示範囲も確認します。CBDなど一部の商材では、広告とは別に成分・輸入・流通規制の確認が必要です。

健康増進法は健康食品広告の何を規制しますか?

健康増進法は、食品として販売される物について、健康保持増進効果等を著しく事実と異なる形で表示したり、著しく人を誤認させたりする広告その他の表示を規制します。

確認対象はキャッチコピーだけではありません。画像、体験談、口コミ、グラフ、ランキング、専門家コメント、注釈、LP全体の構成も含めて判断します。

薬機法上の医薬品的効能効果を避けていても、実際の根拠を超えた健康効果を表示すれば、健康増進法や景品表示法上の問題が生じる可能性があります。

健康食品広告では、薬機法と健康増進法のどちらを見ればよいですか?

両方を確認します。

薬機法では、健康食品を医薬品のように見せていないかを確認します。疾病の治療・予防や身体機能の増強・改善をうたう表示が中心的な論点です。

健康増進法では、食品の健康保持増進効果等について、著しく事実と異なる表示や著しい誤認がないかを確認します。

実務では景品表示法と食品表示法も含め、商品区分、根拠資料、広告全体の印象から総合的に判断します。

ダイエット食品の広告で「痩せる」と表現できますか?

一般的な健康食品について、摂取するだけで痩せる、短期間で大幅に体重が減るなどと表示することは、慎重な確認が必要です。

「痩せる」という一語を使用していなくても、細くなった人物の画像、体重減少グラフ、「食事制限なし」「飲むだけ」といった表示を組み合わせれば、同様の印象を与える可能性があります。

機能性表示食品の場合も、届出表示や科学的根拠の範囲を確認し、結果を拡大しないことが必要です。

青汁広告で「野菜不足解消」と表現できますか?

商品を飲むだけで必要な野菜や栄養素がすべて補えるような印象にならないかを確認する必要があります。

配合している野菜の種類が多いことと、各栄養素を十分量摂取できることは同じではありません。栄養成分を訴求する場合は、実際の含有量、1日摂取目安量、食品表示基準上の強調表示要件を確認します。

「便秘改善」「デトックス」などの訴求も、疾病・身体機能への作用を伝えていないか、根拠を超えていないかを別途確認します。

乳酸菌サプリで「免疫力アップ」「腸内環境改善」と表現できますか?

一般的な健康食品で「免疫力を高める」と表示することは、身体機能の増強や疾病予防を期待させる可能性があります。

「腸内環境改善」についても、商品区分、菌株、摂取量、根拠資料を確認します。ある菌株の研究を、別の菌株や乳酸菌全般の効果として使用することはできません。

機能性表示食品であれば、届出表示、対象者、機能性関与成分、摂取条件の範囲に沿って広告を設計します。

NMNサプリで「若返り」「老化防止」と表現できますか?

「若返り」「老化防止」「寿命延長」といった表現は、人の身体機能を積極的に変化させる効果を強く印象づけるため、一般的な健康食品ではリスクの高い訴求です。

細胞試験や動物試験、成分単体の研究があっても、最終商品を摂取した人が若返ることを直接裏付けるとは限りません。

広告では、含有量、純度、製造管理、分析方法等の客観的な商品情報を中心にし、研究紹介を行う場合も商品効果との結びつきに注意します。

CBD広告では薬機法以外に何を確認すべきですか?

CBD広告では、健康増進法、景品表示法、食品表示法に加え、Δ9-THCの残留限度値、含有成分、指定薬物、輸入・製造・販売に関する最新規制を確認します。

広告上は、「睡眠改善」「不安解消」「鎮痛」「治療」などの効能効果を標ぼうしていないかが重要です。

ただし、広告を修正する前提として、商品自体の成分規格や流通の適法性を確認する必要があります。厚生労働省や都道府県の最新資料、ロットごとの分析結果を確認してください。

まとめ

健康食品広告は、薬機法だけを確認すればよいものではありません。

薬機法では医薬品的効能効果、健康増進法では健康保持増進効果等の虚偽誇大表示、景品表示法では優良誤認・有利誤認、食品表示法では商品区分に応じた表示範囲を確認します。

また、広告の判断は言葉だけでは完結しません。

画像、体験談、ビフォーアフター、グラフ、専門家の推薦、ランキング、注釈、遷移元広告を含め、一般消費者が「この商品を摂取すると何が起こる」と理解するかを確認します。

ダイエット食品、青汁、酵素、プロテイン、乳酸菌、NMN、CBDでは、それぞれ問題になりやすい訴求が異なります。NG表現を別の単語へ置き換えるだけではなく、商品区分と根拠に合わせて広告の主訴求を再設計することが重要です。

健康食品に関わる薬機法・健康増進法などの広告ルールや、制作時に確認すべきポイントを体系的に整理したい方は、 「健康食品広告のルールガイド」もあわせてご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

「健康食品広告のルール完全ガイド」と題された図解。中央にWebページのLPイメージを配置し、その周囲に「薬機法(医薬品的な効能)」「健康増進法(健康効果の根拠)」「景品表示法(品質・価格・比較)」「食品表示法(食品表示)」「商材別の規制(成分・製造・流通)」という5つの枠で法規制の関係性を示している。左側には「単語ではなく、根拠と広告全体の印象を見る」というメッセージと共に、商材ごとの確認、資料の信頼性、体験談・ランキングの注意点、広告全体のチェックといった4つのチェックポイントが記載されている。下部にはダイエット、青汁、プロテイン、乳酸菌、NMN、CBDという代表的な商材が列挙されている。

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