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サプリメント広告の表現ルール|健康増進法・薬機法・景品表示法と成分別注意点を解説

「サプリメント広告の表現ルール」を解説するインフォグラフィック。薬機法・健康増進法・景品表示法などの規制を踏まえ、広告審査で重視すべき「商品区分」「成分と根拠」「広告全体の印象(画像・体験談・注釈など)」の3つの要点が図解されています。中央には広告構成のイメージ図、下部にはビタミン、ミネラル、DHA・EPA、コラーゲン、プラセンタの成分アイコンが配置されています。

サプリメント広告の制作現場では、「食品だから健康に関することを多少は言えるのではないか」「成分に研究データがあるなら、その効果を広告にも書けるのではないか」と考えられることがあります。

しかし、サプリメント・健康食品は原則として食品です。医薬品のように疾病の治療・予防や身体機能の改善を標ぼうできるわけではありません。また、確認すべきルールは薬機法だけではなく、健康増進法、景品表示法、食品表示法にまたがります。

さらに、一般サプリメント、栄養機能食品、機能性表示食品では、表示できる内容の前提が異なります。ビタミン、ミネラル、DHA・EPA、コラーゲン、プラセンタなど、配合成分によっても問題になりやすい訴求は変わります。

この記事では、サプリメント広告に関係する法規制の役割を整理したうえで、商品区分や成分別の注意点、体験談・論文の扱い、実際の広告チェック手順まで解説します。

この記事の要点(まとめ)
  • 薬機法だけでは判断できない:サプリメント広告では、医薬品的効能効果を確認する薬機法に加え、健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断して確認します。文言だけでなく、画像、体験談、注釈を含む広告全体の印象が判断対象です。
  • 商品区分によって表示範囲が変わる:一般サプリ、栄養機能食品、機能性表示食品では、広告表現の前提が異なります。栄養機能食品は定められた機能表示、機能性表示食品は個別商品の届出内容との整合が重要です。
  • 成分ごとに訴求リスクを整理する:ビタミンの免疫・疲労、ミネラルの貧血・骨、DHA・EPAの血液・認知機能、コラーゲンのシワ・美肌、プラセンタの更年期・若返りなど、成分ごとに「言いたくなる効果」が広告リスクになりやすい点を押さえます。
目次

サプリメント広告の表現ルールは薬機法だけでは判断できない

サプリメント広告は、薬機法だけを確認して終わりではありません。薬機法、健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断し、商品区分、根拠資料、表示全体の印象を確認する必要があります。

サプリメントは原則として食品として販売される

一般に「サプリメント」という言葉は、錠剤、カプセル、粉末、ドリンクなどの形状を持つ食品を広く指しています。法律上の独立した商品区分ではありません。

食品であっても、その表示内容、形状、用法用量の指定などによって医薬品と判断される場合があります。厚生労働省の通知では、食品の名目で販売されていても、特定の疾病に効果があるように表示する商品などは、無承認無許可医薬品として扱われる可能性が示されています。

したがって、広告制作では「健康食品だから薬機法は関係ない」と考えるのではなく、次の順番で確認します。

  1. 商品は一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品などのどれか
  2. 広告が疾病の治療・予防を約束していないか
  3. 身体機能の改善や増強を断定していないか
  4. 根拠以上の健康効果を印象づけていないか
  5. 表示制度上認められた範囲と整合しているか

詳しくは「健康食品・サプリメントと 薬機法 ( 薬事法 )の関わりとは」でまとめています。

薬機法・健康増進法・景品表示法・食品表示法の役割

法令・制度主な確認対象サプリメント広告での注意点
薬機法医薬品的効能効果、用法用量等疾病の治療・予防、症状改善、身体機能の改善・増強を標ぼうしていないか
健康増進法健康保持増進効果等に関する虚偽誇大表示根拠を超えた健康効果や、著しく誤認を招く広告になっていないか
景品表示法優良誤認、有利誤認、事業者表示の明示効果の裏付け、比較表示、No.1、ランキング、口コミ、価格表示は適切か
食品表示法・食品表示基準食品表示、栄養表示、保健機能表示栄養機能食品の定型表示や機能性表示食品の届出内容と整合しているか

健康増進法は、食品として販売される物に関する広告その他の表示について、健康保持増進効果等を著しく事実と異なる形で表示したり、著しく人を誤認させたりすることを禁止しています。対象は錠剤やカプセルだけでなく、食品として販売される飲食物全般です。

文言ではなく広告全体の印象で判断する

広告審査でよくある誤解が、「この単語を使っていなければ問題ない」という考え方です。

たとえば、「疲労回復」という言葉を使っていなくても、疲れ切った人物が商品を飲んだ直後に元気に走り出す動画であれば、広告全体として疲労回復効果を示しているように見える可能性があります。

確認対象は、キャッチコピーだけではありません。

  • 写真、イラスト、グラフ
  • ビフォーアフター
  • 利用者の体験談
  • 医師や専門家のコメント
  • ファーストビューと本文の組み合わせ
  • 小さな注釈や打ち消し表示
  • 広告から遷移する記事やSNS投稿
  • ランキングや比較表

ここで大事なのは、「どの単語を使ったか」ではなく、「一般消費者にどのような商品効果を約束しているように見えるか」です。

広告全体の印象については、「薬機法対応広告で重要な広告全体の印象とは」で詳しく解説しています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
サプリメント広告の相談で多いのが、「この言葉は使えますか」という質問です。もちろん言葉の確認も必要ですが、実務では、その言葉を含む広告全体が何を約束しているように見えるかを先に考えます。薬機法上は問題が小さく見える表現でも、健康増進法や景品表示法から見ると、根拠以上の効果を示していることがあります。商品区分、成分、画像、体験談、遷移先まで含めて確認しなければ、現場で使える判断にはなりません。

健康増進法とサプリメント広告の関係

健康増進法に基づきサプリメント広告を確認するための4ステップの図解。ステップ1:食品として販売される物か(一般食品、サプリメント、保健機能食品)、ステップ2:広告その他の表示か(購入への誘引や関連性)、ステップ3:健康保持増進効果等を示すか(症状、数値、身体機能への効果)、ステップ4:著しい誤認のおそれがあるか(合理的根拠の有無)を順に確認するフローが示されている。下部には、キャッチコピー、体験談、試験データ、注釈を含む広告全体の印象を「言葉だけでなく、画像・説明・体験談を含め広告全体で確認する」ことの重要性が図示されている。

健康増進法は、サプリメントを含む食品広告において、健康効果を著しく事実と異なる形で示したり、消費者を著しく誤認させたりする表示を規制します。

サプリメントも健康増進法の対象になり得る

健康増進法第65条第1項の対象は、医薬品を除く食品として販売される物です。具体的な商品名を直接記載していなくても、その説明から特定の商品への誘引が認められる場合は、「広告その他の表示」と判断される可能性があります。

そのため、次のようなコンテンツも確認対象になります。

  • 商品LP(ランディングページ)やEC商品ページ
  • 記事広告
  • SNS投稿や動画
  • メールマガジン
  • 店頭POPやチラシ
  • アフィリエイトサイト
  • インフルエンサー投稿
  • 成分解説ページから商品へ誘導する導線

「商品名を書いていない成分解説だから広告ではない」とは限りません。企業アカウント、販売ページへのリンク、投稿時期、商品との関連性などを総合して判断します。

健康保持増進効果等の虚偽誇大表示とは

健康増進法では、健康効果に触れること自体が直ちに違反になるわけではありません。問題になるのは、健康保持増進効果等について、著しく事実と異なる表示や、著しく人を誤認させる表示です。

サプリメント広告では、次のような表現ほど慎重な確認が必要です。

  • 飲むだけで症状や数値が改善する
  • 短期間で明確な変化が起きる
  • 誰にでも同じ結果が得られる
  • 医療や食事改善が不要になる
  • 研究結果より強い効果を示す
  • 特定成分のデータを、そのまま商品全体の効果として扱う

消費者庁はインターネット上の健康食品広告を継続的に監視しています。2026年1月の消費者庁長官会見では、健康増進法に違反するおそれのある健康食品表示について、直近の年度で年間500件程度の改善指導を行っている旨が説明されています。

健康増進法チェックの4要素

確認項目実務上の質問
食品として販売される物か一般食品、サプリメント、保健機能食品のどれか
広告その他の表示か商品購入への誘引や商品との関連性があるか
健康保持増進効果等を示しているか症状、数値、身体機能、美容、体調への効果を示していないか
著しい事実相違・誤認のおそれがあるか商品に対応する合理的根拠があり、表示内容と一致しているか

「健康維持」や「栄養補給」という言葉に置き換えれば常に問題がなくなるわけではありません。周囲の画像、説明、体験談によって具体的な改善効果を印象づけていれば、広告全体として確認する必要があります。

栄養機能食品・機能性表示食品・一般サプリで広告表現は変わる

サプリメント広告では、最初に商品区分を確認しなければ、使える表現の範囲を判断できません。

一般サプリメント(いわゆる健康食品)

一般サプリメントには、栄養機能食品や機能性表示食品のように、制度に基づいて特定の機能を表示する枠組みはありません。

「不足しがちな栄養素を補給する」「毎日の健康習慣をサポートする」などの表現であっても、広告全体から具体的な疾病予防や身体機能改善を読み取られる構成になっていないかを確認します。

一般サプリメントに、他社の機能性表示食品と同じ成分が入っているからといって、その他社商品の届出表示を使えるわけではありません。

栄養機能食品

栄養機能食品は、特定の栄養成分を補給するために利用される食品で、国が定めた栄養成分の機能を表示する制度です。個別の許可申請を行う制度ではなく、定められた要件を事業者が確認する自己認証制度です。

栄養機能食品として販売するには、対象栄養成分の一日当たり摂取目安量が定められた範囲内にあり、定められた機能表示や注意喚起表示などを行う必要があります。

広告実務では、次の点を確認します。

  • 対象となる栄養成分か
  • 上限値・下限値を満たしているか
  • 定められた機能表示から逸脱していないか
  • 注意喚起表示を省略・弱体化していないか
  • 定型表示を独自の疾病改善表現へ膨らませていないか

たとえば、栄養機能食品として一定のビタミンやミネラルの機能を表示できる場合でも、「風邪を予防する」「貧血を治す」「骨粗しょう症を防ぐ」といった疾病の治療・予防へ広げられるわけではありません。

機能性表示食品

機能性表示食品は、事業者の責任において、科学的根拠に基づく機能性や安全性などの情報を販売前に消費者庁長官へ届け出る制度です。特定保健用食品とは異なり、国が商品ごとの機能を審査・許可する制度ではありません。

広告では、単に成分名を見るのではなく、対象商品の届出内容を確認します。

  • 届出表示の対象となる機能
  • 機能性関与成分
  • 対象者
  • 一日摂取目安量
  • 科学的根拠の対象範囲
  • 届出資料で示された作用機序
  • 疾病に罹患していない者向けであること
  • 広告とパッケージ表示の整合性

同じ成分を配合している別の商品に届出実績があっても、自社商品で届け出ていない機能を広告することはできません。「成分が配合されていること」と「その商品について機能が届け出られていること」を混同しない点が実務上の注意です。

消費者庁も、公表された届出内容を超える広告や、国が機能を認めたかのような広告に注意を促しています。

商品区分別の比較

商品区分表示の前提広告制作での主な確認点
一般サプリメント制度上の機能表示を前提にしない医薬品的効能効果や具体的な身体改善を示していないか
栄養機能食品国が定めた栄養成分の機能表示対象成分、含有量、定型表示、注意喚起表示との整合
機能性表示食品商品ごとの届出内容届出表示、対象者、成分量、根拠資料を超えていないか

サプリメント広告で使えない表現・注意すべき表現の基本

サプリメント広告では、疾病の治療・予防、症状改善、身体機能の改善・増強、摂取だけで結果が出るように見せる表現に注意が必要です。

疾病の治療・予防を思わせる表現

次のような表現は、一般サプリメントでは特にリスクが高いと考えられます。

  • がんを予防する
  • 認知症対策になる
  • 糖尿病を改善する
  • 高血圧を治す
  • 花粉症に効く
  • 更年期障害を改善する
  • 風邪をひきにくくする

疾病名を直接使わなくても、「もう薬に頼らない」「通院から解放」「医師も驚いた」といった周辺表現から、治療効果を印象づける場合があります。

身体機能の改善・増強を断定する表現

「免疫力が上がる」「血液がサラサラになる」「代謝を高める」「ホルモンバランスを整える」「脳機能を活性化する」など、身体機能への具体的な作用を表示する場合も慎重な確認が必要です。

厚生労働省の通知では、栄養成分の体内での具体的作用を示す表現は、栄養機能食品として認められた表示を除き、医薬品的効能効果に該当し得るとされています。一方、「健康維持」や「美容」などの一般的な表現は直ちに医薬品的効能効果となるものではないと整理されていますが、健康増進法や景品表示法による確認は別途必要です。

体験談・口コミ・ビフォーアフターの注意点

「私は3日で数値が下がりました」「飲んだ翌朝から疲れが消えました」といった体験談は、事業者自身が効果を断定していなくても、商品効果を保証する印象を与えます。

第三者が自発的に投稿した口コミと、その口コミを事業者が選び、自社LPや記事広告に掲載する場合は分けて考えます。事業者が自社広告へ転載した時点で、掲載内容は広告の一部として確認する必要があります。

実際、Amazonや楽天などのレビューを自社LPに引用すると、LPの構成要素として広告上の確認が必要になります。

また、商品提供、謝礼、投稿内容の指示など、事業者が投稿内容の決定に関与している場合は、ステルスマーケティング規制の確認も必要です。景品表示法では、一般消費者が事業者の表示であると判別しにくい表示が規制対象となります。

成分解説・論文紹介が商品広告に該当するかを確認する

成分や研究論文について一般的な情報を紹介しているだけであれば、直ちに特定商品の広告に該当するとは限りません。

ただし、形式上は成分解説や研究紹介であっても、次のような事情がある場合は、特定商品の販売促進と一体の表示として確認する必要があります。

  • 商品ページや購入画面から直接リンクされている
  • 商品名、ブランド名、パッケージ画像が表示されている
  • 成分解説の直後に商品紹介や購入ボタンが配置されている
  • 販売会社の公式サイトや公式SNSが発信している
  • 自社商品に含まれる成分量や配合特徴を強調している
  • プロフィール、固定投稿、記事末尾等から販売ページへ誘導している
  • 商品の発売時期や広告キャンペーンと連動して掲載されている

商品名を明記していなくても、ブランド名、商品画像、リンク、CTA、掲載主体、投稿時期等から特定商品との結び付きが明らかな場合は、成分情報を含むページ全体を広告として確認します。

一方、販売との関係がなく、特定商品の購入を誘引しない独立した学術情報まで、一律に商品広告と判断するものではありません。

広告該当性は、ページの名称や「研究紹介」という形式だけでなく、表示主体、商品との特定性、販売ページへの導線、掲載内容、一般消費者が認識できる状態等を踏まえて個別に判断します。

論文・研究データが広告表示の根拠になるかを確認する

成分解説や論文紹介が商品広告に該当する場合でも、論文が存在するだけで、その内容を広告表示に使用できるとは限りません。

広告へ利用する前に、少なくとも次の点を確認します。

  • 研究対象は広告対象の最終商品か、配合成分単体か
  • 研究で使用された成分の規格は自社商品と同じか
  • 一日摂取量や成分含有量は広告対象商品と一致するか
  • 摂取期間は広告で示す効果や期間と対応しているか
  • 対象者の年齢、性別、健康状態は広告対象者と一致するか
  • 健常者を対象とした研究か、疾病患者を対象とした研究か
  • 評価項目は広告で表示する効果と直接対応しているか
  • 統計的な差を、実際以上に大きな効果として示していないか
  • 有利な結果だけを選び、不利な結果や研究上の限界を省略していないか
  • 研究結果が成分の作用を示すものか、商品全体の効果を示すものか
  • 画像、グラフ、見出し等によって研究結果以上の確実性を印象づけていないか

たとえば、特定成分を高用量で摂取した研究結果を、その成分を少量しか含まない商品へそのまま当てはめることはできません。

成分単体の研究結果を、複数の成分を配合した最終商品の効果として表示する場合も、最終商品との同等性や根拠の対応関係を説明できる必要があります。

また、疾病患者を対象とした研究結果を一般サプリメントの広告に使用すると、研究内容の紹介を通じて疾病の治療・予防効果を暗示する可能性があります。研究内容が事実であることと、食品広告でその内容を表示できることは別に検討してください。

機能性表示食品についても、届出資料に論文や研究レビューが含まれていることだけで、届出資料中のすべての説明を広告へ自由に使用できるわけではありません。

広告では、対象商品の届出表示、対象者、機能性関与成分、摂取条件、科学的根拠の範囲を確認し、言い換え、グラフ、作用機序、体験談等によって、届出内容以上の機能や確実性を示していないかを確認します。

機能性表示食品の広告ルールの詳細は、「機能性表示食品の広告ルール」で取り扱っています。

広告該当性と根拠の適合性は別々に判断する

実務では、次の二段階に分けて確認します。

第一に、成分解説、論文紹介、研究ページ等が、特定商品の販売促進と一体となった広告に該当するかを確認します。

第二に、広告に該当する場合は、掲載する論文や研究データが、広告対象商品と表示内容を適切に裏付けているかを確認します。

広告に該当しない学術情報であることと、研究内容が商品効果の根拠になることは同じではありません。

反対に、商品と強く結び付いた広告であっても、表示内容に対応する十分な研究がなければ、根拠のない効果表示となる可能性があります。

「論文があるから広告できる」「商品名を書いていないから広告ではない」と一律に判断せず、広告該当性と根拠資料との対応を分けて確認することが重要です。

詳しくは、論文・研究データは使える?をご覧ください。

成分別に見るサプリメント広告の注意点

サプリメント広告では、成分ごとに「訴求したくなる効果」が異なります。そして、その言いたくなる効果が、薬機法・健康増進法・景品表示法上のリスクになりやすい部分です。

成分注意しやすい訴求リスクのある表現例表現設計の方向性
ビタミン免疫、疲労、美肌、疾病予防免疫力アップ、疲労回復、風邪予防栄養補給、健康維持。栄養機能食品は定められた表示範囲
ミネラル骨、貧血、睡眠、代謝貧血改善、骨粗しょう症予防、イライラ解消不足しがちな栄養素の補給。栄養機能表示との整合
DHA・EPA血液、脳、記憶、中性脂肪血液サラサラ、認知症予防、頭が良くなる機能性表示食品なら対象商品の届出表示の範囲
コラーゲン美肌、シワ、関節シワ改善、肌が若返る、関節痛改善美容習慣、毎日のコンディション、生活シーン
プラセンタ更年期、美白、疲労、ホルモン更年期改善、若返り、ホルモンバランス改善年齢に応じた美容習慣、健やかな毎日のサポート

ビタミンサプリ広告の注意点

ビタミン広告では、「免疫力アップ」「疲労回復」「肌荒れ改善」「風邪予防」などの表現が問題になりやすい傾向があります。

栄養機能食品に該当する場合は、対象成分について定められた機能を表示できます。ただし、定型的な栄養機能表示から、特定の症状や疾病の改善へ広げてはいけません。

たとえば、あるビタミンが皮膚や粘膜の健康維持を助ける旨を表示できるとしても、「ニキビを治す」「アトピーを改善する」「シミを消す」といった商品効果へ置き換えることは別問題です。

一般サプリメントの場合は、「食生活で不足しがちなビタミンを補給」「毎日の栄養バランスを考える方に」など、商品の役割を栄養補給の文脈で整理します。

ミネラルサプリ広告の注意点

鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの広告では、「貧血改善」「骨粗しょう症予防」「不眠改善」「男性機能向上」といった表現が使われやすくなります。

しかし、「貧血」「骨粗しょう症」「不眠」などは疾病や症状と強く結び付くため、一般サプリメントでの直接的な改善表現は避ける必要があります。

リライトでは、単に「改善」を「サポート」に変えるのではなく、商品区分に応じて次のように訴求軸を組み替えます。

  • 食生活で不足しがちな栄養素の補給
  • 偏った食生活が気になる方へ
  • 成長期や年齢に応じた栄養管理
  • 対象成分の栄養機能表示
  • 含有量、原料規格、飲みやすさなどの商品特徴

DHA・EPAサプリ広告の注意点

DHA・EPA広告では、「血液サラサラ」「中性脂肪を下げる」「認知症予防」「記憶力アップ」「頭が良くなる」といった表現が問題になりやすい部分です。

機能性表示食品として、中性脂肪や認知機能などに関する機能を届け出ている商品もあります。ただし、使える表現はDHA・EPAという成分一般のイメージではなく、対象商品の届出表示と根拠資料によって決まります。

「記憶を維持する機能」と「認知症を予防する」は同じではありません。「中性脂肪を低下させる機能」と「動脈硬化を防ぐ」「血液をサラサラにする」も同一ではありません。

機能性表示食品の広告では、届出表示を分かりやすく言い換える場合でも、対象者、機能の程度、条件を変えていないかを確認します。

コラーゲンサプリ広告の注意点

コラーゲン広告では、「シワ改善」「肌の弾力が復活」「飲むだけで若い肌へ」「関節痛改善」といった訴求が問題になりやすくなります。

特に、化粧品や医薬部外品で認められる「シワ改善」という効能表現を、食品であるコラーゲンサプリにも使えると誤解しないことが重要です。

一般サプリメントでは、次のような情報へ分解して再設計します。

  • 毎日の美容習慣
  • 続けやすい味や形状
  • 原料の由来や品質管理
  • 生活シーンや摂取タイミング
  • 年齢に応じた美容を意識する方へ
  • 商品選択の理由となる含有量や配合設計

ただし、「ハリのある毎日」などの抽象表現でも、シワが消える画像やビフォーアフターと組み合わせれば、全体として具体的な肌改善を示す可能性があります。

プラセンタサプリ広告の注意点

プラセンタ広告では、「更年期改善」「ホルモンバランスを整える」「若返り」「美白」「疲労回復」などが主要なリスク表現になります。

医薬品や医療行為におけるプラセンタの情報と、食品として販売するプラセンタサプリの広告は分けて考えなければなりません。

美容訴求へ置き換える場合も、「若返る」「老化を止める」ではなく、年齢に応じた美容習慣や、毎日のコンディションを意識する生活者の文脈へ再設計します。

成分イメージが強い商材ほど、商品名、画像、体験談、専門家コメントを合わせたときに、広告全体が医薬品的な効果を示していないかを確認してください。

なお、広告表現を再設計する考え方は「薬機法ライティングとは?」で詳しくまとめています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
サプリメント広告では、成分ごとに「言いたくなる表現」があります。ビタミンなら免疫や疲労、ミネラルなら骨や貧血、DHA・EPAなら血液や脳、コラーゲンなら美肌、プラセンタなら若返りや更年期です。しかし、その言いたくなる表現が、まさに法規制上のリスクになりやすい部分でもあります。成分の魅力を消すのではなく、効果効能の断定から、栄養補給、生活習慣、年齢に応じたケア、使用シーン、選ばれる理由へ訴求を組み替えることが実務では重要です。

サプリメント広告をチェックする実務フロー

サプリメント広告をチェックする実務フローの図解。原稿修正の前に、商品・根拠・訴求を整理する重要性が示されている。プロセスは4つのステップで構成される。ステップ1:商品区分(一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品)と成分の確認。ステップ2:訴求テーマと根拠(研究データ、試験結果など)の整理。ステップ3:薬機法、健康増進法、景品表示法などの法規を横断した、コピー・画像・体験談・注釈・遷移先の確認。ステップ4:単語の置換えで終わらせず、原料・配合・品質・利用シーンに基づいた訴求の再設計。図の下部には、本プロセスの目的として『企画段階から確認し、広告全体の手戻りを抑える』ことが明記されている。

サプリメント広告を確認するときは、いきなり原稿の赤字修正から始めないことが重要です。商品区分、訴求テーマ、根拠資料を整理したうえで、複数法令から広告全体を確認します。

ステップ1 商品区分と成分を確認する

最初に確認するのは、コピーではなく商品情報です。

  • 一般食品か
  • 栄養機能食品か
  • 機能性表示食品か
  • 特定保健用食品か
  • 配合成分と一日摂取目安量
  • パッケージの表示内容
  • 機能性表示食品の場合は届出番号と届出表示
  • 栄養機能食品の場合は対象成分と定型表示

ここが曖昧なまま原稿をチェックすると、一般サプリに機能性表示食品の表現を使う、栄養機能食品の範囲を超えるといった問題が起きます。

ステップ2 訴求テーマと根拠資料を確認する

次に、「広告で何を約束したいのか」を言語化します。

たとえば、DHA・EPA商品であれば、訴求したいのは中性脂肪なのか、記憶なのか、健康習慣なのかによって確認する資料が変わります。

根拠資料も、保有しているだけでは足りません。

  • どの表示を裏付ける資料か
  • 自社商品と対応しているか
  • 対象者や摂取量が一致するか
  • 表示の強さに見合う資料か
  • 最新の情報か

という対応表を作ります。

ステップ3 複数法令で広告全体を見る

原稿を次の順番で確認すると、抜け漏れを減らしやすくなります。

  1. 薬機法:医薬品的効能効果になっていないか
  2. 健康増進法:健康効果について著しい誤認を招かないか
  3. 景品表示法:根拠のない優良性、比較、No.1、価格表示がないか
  4. 食品表示法:商品区分、定型表示、届出表示と整合しているか
  5. 媒体基準:広告媒体独自の審査基準に対応しているか

ファーストビューだけでなく、本文、画像、体験談、FAQ、注釈、遷移先ページまで一体として確認します。

ステップ4 NG表現の削除ではなく訴求を再設計する

広告チェックで最も避けたいのは、問題のある言葉だけを削り、何を伝えたい広告なのか分からなくなることです。

たとえば、「疲労回復」を「元気サポート」に機械的に置き換えても、周囲の文章や画像が疲労回復を約束したままなら、根本的な修正になりません。

次の要素へ分解し、ストーリー全体を再設計します。

  • どのような生活者向けの商品か
  • どのような食生活上の課題を補うのか
  • どのような場面で利用されるのか
  • 商品を選ぶ理由は何か
  • 原料、配合、品質、形状にどのような特徴があるか
  • 継続しやすさをどのように伝えるか

広告表現の確認を制作後の最終工程に置くと、メインコピーやストーリーを大きく作り直すことがあります。制作初期から薬事・法務・広告審査担当者を入れ、訴求テーマを共有する方が、結果として修正工数を抑えやすくなります。添付された実務資料でも、完成後の部分修正では広告全体のストーリーが崩れるため、企画段階から確認する重要性が示されています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
サプリメント広告の修正で多い失敗は、リスクのある表現を削った結果、商品価値まで伝わらなくなることです。法令対応は大前提ですが、弱い言葉へ置き換えるだけでは広告として機能しません。
何を伝えたかったのかを分解し、生活者の悩み、商品を選ぶ理由、原料や品質、利用シーンへストーリーを組み直す必要があります。
広告チェックは完成後の赤字修正ではなく、企画や構成の段階から行う方が、法令対応と適正な情報伝達を両立しやすくなります。

サプリメント広告のルールを社内で運用する方法

サプリメント広告のルールを社内で運用するには、NGワード集だけでなく、商品区分、成分別の注意訴求、根拠資料の確認方法、リライト方針を共有する必要があります。

NGワード集ではなく判断基準を作る

NGワード集だけを配布すると、「その言葉を避ければよい」という運用になりがちです。

社内ルールには、少なくとも次の判断基準を入れます。

  • 広告全体が何を約束しているように見えるか
  • 疾病や症状を対象としていないか
  • 身体機能の改善・増強を示していないか
  • 商品区分に認められた表示範囲か
  • 根拠資料と広告表現が対応しているか
  • 体験談や画像で効果を補強していないか
  • 注釈に依存した表示になっていないか

成分別チェックリストを整備する

成分ごとに「問題になりやすい訴求」を整理します。

成分カテゴリ制作前に確認する内容
ビタミン栄養機能食品該当性、免疫・疲労・疾病予防訴求
ミネラル貧血・骨・睡眠・男性機能などの訴求
DHA・EPA届出表示、対象者、中性脂肪・認知機能表現
コラーゲンシワ・美肌・関節への具体的効果
プラセンタ更年期・ホルモン・若返り・美白表現

制作工程ごとに確認する

工程主な確認内容
商品企画商品区分、成分規格、表示制度、想定訴求
構成作成メインベネフィット、根拠資料、禁止領域
初稿文言、画像、グラフ、体験談、FAQ
公開前パッケージ・届出表示との整合、媒体基準
公開後アフィリエイト、SNS、口コミ運用、行政動向
定期更新公的資料、食品表示基準、措置命令事例、研修

インフルエンサーやアフィリエイターへ制作を委託する場合も、広告主側の管理範囲として考えます。投稿前の確認方法、修正権限、PR表示、禁止表現、根拠資料の利用範囲を契約やレギュレーションで明確にしておくことが必要です。

よくあるご相談(FAQ)

サプリメント広告では、どの法律を確認する必要がありますか?

サプリメント広告では、薬機法、健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断して確認します。薬機法では医薬品的効能効果、健康増進法では健康保持増進効果等に関する虚偽誇大表示、景品表示法では根拠のない優良性や比較・価格表示、食品表示法では栄養機能食品や機能性表示食品の表示範囲が主な確認対象です。媒体独自の広告基準や特定商取引法も、販売方法に応じて確認します。

健康増進法はサプリメント広告にどう関係しますか?

健康増進法は、食品として販売される物について、健康保持増進効果等を著しく事実と異なる形で表示したり、著しく人を誤認させたりする広告その他の表示を規制します。サプリメント広告では、コピーだけでなく、画像、グラフ、体験談、ビフォーアフター、注釈、記事全体の構成も確認対象です。商品名がなくても、特定商品への誘引が認められる場合は表示に該当する可能性があります。

サプリメント広告で「免疫力アップ」「疲労回復」は使えますか?

一般サプリメントで、摂取によって免疫機能が向上する、疲労が回復すると断定する表現は慎重な判断が必要です。「アップ」「回復」を「サポート」に変えるだけで問題が解消するとは限りません。画像や体験談を含め、具体的な身体機能の改善を約束していないかを確認します。栄養機能食品や機能性表示食品の場合も、認められた定型表示や対象商品の届出表示を超えないことが前提です。

栄養機能食品なら自由に効果を表示できますか?

自由に表示できるわけではありません。栄養機能食品は、定められた対象栄養成分について、規定された機能表示を行う制度です。対象成分の含有量、機能表示、注意喚起表示などの要件を満たす必要があります。定型表示から、疾病の治療・予防や症状改善へ広げることはできません。

機能性表示食品なら届出表示を言い換えてもよいですか?

消費者に分かりやすく伝えるための言い換えが直ちに禁止されるわけではありませんが、機能の対象、程度、対象者、条件を変えないことが重要です。「記憶を維持する」を「認知症を予防する」とするなど、疾病予防へ拡大する表現は届出範囲を超えます。広告制作前に、対象商品の届出表示と根拠資料を確認してください。

成分に関する論文があれば、商品広告に使えますか?

論文の存在だけでは不十分です。論文で使用された成分規格、摂取量、摂取期間、対象者と、自社商品の設計が対応しているかを確認します。成分単体のデータを最終商品の効果として示したり、疾病患者を対象とした研究を一般食品の広告へ転用したりすると、商品と根拠の対応関係が問題になります。

利用者の口コミをLPに掲載してもよいですか?

口コミの内容と取得方法によって判断が変わります。事業者が自社LPに選んで掲載した口コミは、広告の構成要素として確認する必要があります。疾病改善や身体機能の変化を示す体験談は、事業者自身の表現でなくても商品効果を保証する印象を与えます。謝礼や商品提供、投稿内容への指示がある場合は、ステルスマーケティング規制への対応も必要です。

「他社も使っている表現」なら自社でも使えますか?

他社の掲載実績は、自社広告の適法性や媒体審査通過を保証するものではありません。商品区分、届出表示、根拠資料、広告全体の構成、媒体が異なれば判断も変わります。他社事例は表現アイデアの参考にはなりますが、自社商品の資料と照合し、個別に確認する必要があります。

まとめ|サプリメント広告は成分別にルールと訴求を設計する

サプリメント広告は、薬機法だけで判断できません。健康増進法、景品表示法、食品表示法を横断し、商品区分、成分、根拠資料、広告全体の印象を確認する必要があります。

特に、一般サプリメント、栄養機能食品、機能性表示食品の違いは、広告制作前に整理しておくべき重要な前提です。栄養機能食品では定められた機能表示、機能性表示食品では対象商品の届出表示との整合が求められます。

成分別に見ると、ビタミンの免疫・疲労、ミネラルの貧血・骨、DHA・EPAの血液・認知機能、コラーゲンのシワ・美肌、プラセンタの更年期・若返りなどが問題になりやすい訴求です。

ただし、対応方法はリスク表現を削除することだけではありません。商品が持つ価値を分解し、栄養補給、生活シーン、原料や品質、続けやすさ、年齢に応じた習慣などへ訴求を再設計することで、法令対応と適正な情報伝達の両立を目指せます。

健康食品に関わる薬機法・健康増進法などの広告ルールや、制作時に確認すべきポイントを体系的に整理したい方は、 「健康食品広告のルールガイド」もあわせてご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

「サプリメント広告の表現ルール」を解説するインフォグラフィック。薬機法・健康増進法・景品表示法などの規制を踏まえ、広告審査で重視すべき「商品区分」「成分と根拠」「広告全体の印象(画像・体験談・注釈など)」の3つの要点が図解されています。中央には広告構成のイメージ図、下部にはビタミン、ミネラル、DHA・EPA、コラーゲン、プラセンタの成分アイコンが配置されています。

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