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医薬部外品育毛剤で「発毛」「育毛」「薄毛改善」は使える?薬機法上の広告表現の注意点

医薬部外品の育毛剤広告で「育毛」「発毛促進」「発毛」「薄毛改善」をどこまで使えるか、承認範囲と広告全体の印象から確認するポイントを整理した図。医薬部外品育毛剤では、商品ごとの承認書に記載された効能効果を確認し、「育毛」や「発毛促進」は承認効能に含まれていれば使用できる一方、「発毛」と結果そのものを断定したり、「薄毛改善」と薄毛状態の回復まで訴求したりする表現には注意が必要となる。特に「発毛促進」を「発毛」へ省略するなど、承認文言を強い結果表現へ変更しないことが重要である。LPやSNSでは、コピーだけでなく、頭髪のビフォーアフター画像、体験談、成分研究、期間や数値、CTAまで含め、広告全体から毛が生える、短期間で薄毛が改善するといった承認範囲を超える効果を暗示していないか確認する必要があることを示している。

医薬部外品の育毛剤だからといって、「発毛」「育毛」「薄毛改善」をすべて自由に使えるわけではありません。一般的な承認範囲では、「育毛」と「発毛促進」は承認書に記載があれば使えます。一方、「発毛」「薄毛改善」はNGです。「促進」や「薄毛」という承認文言を変え、毛が生え、薄毛が戻ると受け取らせるためです。LP(ランディングページ)やSNSでは、画像や体験談を含む広告全体で見ます。

目次

「育毛」は可、「発毛」「薄毛改善」は使えない

医薬部外品育毛剤の効能の範囲には、「育毛」「薄毛」「かゆみ」「脱毛の予防」「毛生促進」「発毛促進」「ふけ」「病後・産後の脱毛」「養毛」が示されています。ただし、これはカテゴリ全体の範囲です。広告では、承認書を確認します。

  • 育毛:承認効能に含まれていれば使用できます。
  • 発毛促進:承認効能に含まれていれば使用できます。「発毛を促進する」も同じ意味の範囲で使います。
  • 発毛:一般的な医薬部外品育毛剤では使えません。毛が生える結果そのものを示します。
  • 薄毛:承認効能に含まれていれば使用できます。
  • 薄毛改善:一般的な医薬部外品育毛剤では、通常の承認効能である『薄毛』を超えて、薄毛状態そのものが改善・回復する結果を示す表現となるため、避ける必要があります。

第一類医薬品には「発毛」の承認例がありますが、医薬部外品へ横展開してはいけません。

医薬部外品育毛剤の広告は承認効能が上限になる

薬機法第66条は、医薬部外品の効能効果について、明示・暗示を問わず虚偽または誇大な広告を禁止しています。医薬品等適正広告基準でも、承認を要する医薬部外品は承認範囲を超えて広告できません。研究上は別の作用が期待できても、現時点の承認外効能は使えません。

「発毛促進」は過程を促す表現ですが、「発毛」は結果を直接示します。「薄毛改善」も見た目の回復まで示します。承認文言を削ったり、「改善」「復活」「再生」を足したりして強くできません。

詳しくは、医薬部外品の効能効果と広告表現カテゴリ別の広告ポイントもご覧ください。

事例1:LPの「発毛を実感」はNG

医薬部外品の育毛剤LPで、承認効能の「発毛促進」を超えて「発毛を実感」と結果そのものを訴求するNG広告事例。医薬部外品「VITALIX 育毛エッセンスSZ」について、「薄毛・抜け毛に悩むすべての男性へ」「使うほど発毛を実感」「有効成分が髪の根元に直に届く」と表示し、育毛・発毛促進・脱毛の予防という承認効能と、髪に自信のある男性のビジュアル、シリーズ累計100万本突破、初回2,980円のCTAを組み合わせている。医薬部外品育毛剤では、承認書に「発毛促進」があればその範囲で広告できる一方、「発毛」と結果を断定したり、「実感」を付けて毛が生える効果を体験できるように見せたりする表現は承認範囲を超えるおそれがある。見出しだけを「発毛促進」へ修正しても、人物画像、本文、成分説明、CTAなど広告全体から発毛結果を強く印象付ける場合は十分な修正にならないため、承認効能と商品事実に沿ってLP全体を確認する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、承認効能に「育毛、薄毛、脱毛の予防、発毛促進」がある商品のLPで、「使うほど発毛を実感」と表示するのはNGです。「発毛促進」ではなく「発毛」を結果として示し、「実感」で効果を体験できる印象を強めています。頭頂部画像や毛が伸びるCGを組み合わせれば、発毛結果を暗示します。

修正は「実感」を削るだけでは足りません。承認書に沿って「発毛を促進」「育毛」等と表現し、ノズル、使いやすさ、使用感などの商品事実へ訴求を分散させます。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
「発毛」を「発毛促進」に置き換えるだけで終わらせないことが大切です。見出しを直しても、本文、画像、CTA(行動の指示)で発毛結果を押し出せば、広告全体の意味は変わりません。企画段階で承認効能と商品事実を分け、効能を伝える場所と使用価値を伝える場所を設計します。規制とマーケティングを別工程にしないことが、訴求を残す近道です。

事例2:「2か月で薄毛改善」を画像で見せるのはNG

医薬部外品の育毛剤広告で、使用前後の頭頂部画像と「たったの2か月で薄毛改善」「髪が復活しました」というコピーを組み合わせ、短期間で目に見える発毛・薄毛改善効果を訴求するNG広告事例。育毛剤「REVIVE SCALP ESSENCE」について、使用前は頭頂部の地肌が目立つ状態、2か月後は髪が増えて地肌が目立たなくなった状態をビフォーアフターで比較し、発毛促進、育毛サポート、抜け毛予防、頭皮環境ケアなどの表示も併記している。医薬部外品育毛剤では、承認効能に「育毛」「発毛促進」「脱毛の予防」等が含まれていても、2か月で薄毛が改善する、髪が復活するという結果や効果発現時期まで保証することはできない。「個人差があります」「効果・効能を保証するものではありません」と注記しても、ビフォーアフター画像と期間表示による強い効果認識は打ち消されない。薬機法上の承認範囲に加え、短期間で視認できる薄毛改善効果について合理的根拠があるかを景品表示法の観点からも確認する必要があることを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

使用前後の頭頂部画像に「2か月で薄毛改善」「髪が復活」と付ける表現はNGです。薬機法上、承認範囲を超えて、短期間で外見上確認できる発毛・薄毛改善を標ぼうしています。「個人差があります」という注釈でも、主表示の意味は消えません。

景品表示法では合理的根拠が問われます。消費者庁は、頭頂部の前後画像と「たった2か月で髪がフサフサ」等の表示を、短期間で視認できるほど薄毛が改善する発毛効果の表示と認定しました。提出資料は根拠と認められず、「イメージです」「個人の感想です」という打消しも効果認識を覆さないと判断されています。薬機法の承認範囲とは分けて説明すべき事例です。

修正時は画像も外し、承認効能を正確に伝えます。ビフォーアフター画像の注意点口コミ・体験談の注意点も確認してください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
法律上説明できる表現でも、媒体独自の考査で止まることがあります。反対に、媒体審査を通っても適法性が保証されるわけではありません。「正しいこと」と「通ること」は別です。出稿媒体、画像ルール、体験談の扱いまで企画時に確認し、法律と媒体基準を二段階で審査します。

事例3:成分研究から「毛が生える」と書くのはNG

医薬部外品の育毛剤広告で、細胞研究や動物実験などの研究データを根拠に「毛根を目覚めさせる」「新しい毛が生える」と発毛結果まで訴求するNG広告事例。育毛剤「GROWTH ACTIVATOR EX」について、「ついに発見!毛根を目覚めさせる」「新しい毛が生える」「最新研究が証明した驚きの育毛力」と表示し、幹細胞研究、マウスを用いた毛根活性実験、毛髪・毛根の顕微鏡画像など3つの研究イメージを並べて「効果を実証」と強調している。さらに、発毛促進、強く太い髪へ、抜け毛予防といった表示やシリーズ累計350万本、初回1,980円のCTAを組み合わせ、研究によって新しい毛が生える効果まで証明されたような印象を与えている。医薬部外品育毛剤では、細胞・動物研究や成分研究があっても商品の承認効能を超えて「発毛」そのものを広告できるわけではなく、作用機序の説明も医学・薬学上認められた範囲と承認内容に沿う必要がある。研究データは承認範囲を広げる根拠にはならないことを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

細胞・動物研究があっても、それを根拠に「毛根を目覚めさせる」「新しい毛が生える」と広告することはできません。成分の作用機序は、医学・薬学上認められ、商品の承認効能を超えない場合に限り説明できます。成分研究は承認範囲を広げる資料ではありません。

成分を訴求する場合は、有効成分名からコピーを作る際の注意点も確認してください。

実務では承認書からコピーを作り、広告全体を確認する

最初に見るのは競合LPではなく、その商品の承認書です。効能、条件、対象、用法を抜き出し、コピー、画像、動画、グラフ、体験談、注釈、CTAを含む全体が「発毛」「薄毛改善」を暗示していないか確認します。

続いて景品表示法上の根拠と表示内容の対応を確認し、媒体独自基準を重ねます。承認効能があることと、「2週間で」「90%が」「必ず実感」まで言えることは別です。保証表現や、医学・薬学上認められた範囲を超える速効性表現も認められません。

なお、承認文言だけではなく、画像や体験談を含めた広告全体での判断については「医薬品等適正広告基準を実務で読む」も合わせてご覧ください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
完成後に初めて薬事チェックへ回すと、メインストーリーから作り直すことがあります。「使える効能」「使えない結果表現」「訴求できる商品事実」を先にチェックリスト化し、企画、構成、デザインの各段階で確認してください。根拠を説明できる状態にすれば、社内やクライアントへの差し戻し理由も明確になり、手戻りを減らせます。

まとめ

医薬部外品育毛剤では、承認書に記載がある「育毛」「発毛促進」「薄毛」は使えます。一方、一般的な承認範囲を前提に、「発毛」と「薄毛改善」は使えません。「発毛促進」の一部を削ったり、「改善」「復活」を加えたりすると、承認効能より強い結果を示します。

単語だけでなく、ビフォーアフター、体験談、成分研究、期間、数値、CTAを含め、広告全体が何を約束しているかを確認します。承認書、根拠資料、媒体基準を企画段階でそろえることが、訴求を残しながら手戻りを防ぐ方法です。

医薬部外品広告について体系的に理解したい方は「医薬部外品広告はカテゴリ別にどう違う?育毛・忌避剤・整腸剤・オーラルケアの薬機法ポイント」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の法令、公的機関・公式資料を参考に、医薬部外品の育毛剤における「育毛」「発毛促進」「発毛」「薄毛」「薄毛改善」等の表現について、薬機法上の承認効能の範囲、医薬品等適正広告基準、画像・体験談・作用機序・速効性表現、景品表示法上の優良誤認・不実証広告規制の観点から整理しています。
個別の広告表現の適否は、品目ごとの承認内容、効能効果、有効成分、用法用量、対象部位、コピー、画像・動画・ビフォーアフター、体験談、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて承認書、最新の公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

医薬部外品の育毛剤広告で「育毛」「発毛促進」「発毛」「薄毛改善」をどこまで使えるか、承認範囲と広告全体の印象から確認するポイントを整理した図。医薬部外品育毛剤では、商品ごとの承認書に記載された効能効果を確認し、「育毛」や「発毛促進」は承認効能に含まれていれば使用できる一方、「発毛」と結果そのものを断定したり、「薄毛改善」と薄毛状態の回復まで訴求したりする表現には注意が必要となる。特に「発毛促進」を「発毛」へ省略するなど、承認文言を強い結果表現へ変更しないことが重要である。LPやSNSでは、コピーだけでなく、頭髪のビフォーアフター画像、体験談、成分研究、期間や数値、CTAまで含め、広告全体から毛が生える、短期間で薄毛が改善するといった承認範囲を超える効果を暗示していないか確認する必要があることを示している。

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