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健康食品・サプリメント広告で「免疫力」は使える?薬機法で注意すべき表現

薬機法上、健康食品・サプリ広告で「免疫力」という表現が使えるかを商品区分別に整理した図解。一般健康食品では「免疫力アップ」は原則表現できず、画像や体験談による暗示にも注意が必要と説明している。機能性表示食品は届出表示の範囲に限り、「免疫機能の維持」を「向上」へ拡張しないよう示している。下段に「商品区分」「届出表示」「広告全体の印象」の確認項目を並べ、単なる言い換えではなく、訴求軸そのものを再設計するようまとめている。

「免疫力アップ」「免疫を高める」「ウイルスに負けない体へ」。健康食品やサプリメントで使いたくなる表現ですが、一般的な健康食品では使えません。身体機能の増強や感染症予防を標ぼうする医薬品的効能効果に当たり、薬機法上、未承認医薬品の広告と判断されるためです。

機能性表示食品で免疫機能に関する届出がある場合は、届出表示の範囲に限って表現できます。ただし、「維持」を「アップ」に変えたり、風邪・インフルエンザ予防へ広げたりすることはできません。

目次

健康食品・サプリで「免疫力アップ」は使えません

一般健康食品、通常のサプリメントで「免疫力が高まる」「免疫機能が向上する」はNGです。

厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」は、疾病の治療・予防だけでなく、身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効果も医薬品的効能効果として扱います。名称、成分説明、研究紹介、体験談による暗示も同じです。食品が医薬品的な目的を標ぼうすれば医薬品として扱われ、承認を受けていない商品の効能効果広告は薬機法68条の対象になります。

栄養機能食品も、定められた栄養成分の機能表示を超えて免疫力を訴求できません。機能性表示食品は、免疫機能に関する届出がある商品に限り、届出表示の範囲で表現できます。

健康食品広告の広告に必要なルールは、健康食品広告のルール完全ガイドもご覧ください。

「免疫力」がNGになる理由を法令別に分ける

薬機法で最も直接的な問題は、身体機能の増強又は疾病予防を示す点です。「免疫力アップ」だけでも身体作用を標ぼうします。「風邪をひきにくくする」「感染症対策」「ウイルスから守る」が加われば、疾病予防の意味が明確です。

単語を削っても、盾、マスク、ウイルスの画像、医師コメントを組み合わせ、同じ効果を暗示すればNGです。

健康増進法は、健康効果を書いた時点で直ちに違反となる法律ではありません。食品の健康保持増進効果について、著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させる表示を禁止します。コピー、画像、グラフ、体験談、注釈を含む広告全体の印象が判断対象です。

景品表示法では、効果を実際より著しく優良に示していないかが問われます。根拠資料を求められ、提出しない場合や合理的根拠と認められない場合、優良誤認表示とみなされ得ます。

一部の免疫細胞が活性化したという成分データだけでは、「商品を摂れば免疫力が高まり、疾病を予防できる」という表示の根拠にはなりません。

事例1:一般サプリメントのLPで「免疫力アップ」

乳酸菌サプリメントで免疫力向上をうたった広告表現のNG事例。大きく「毎日1粒で免疫力アップ!」と表示し、女性が「乳酸菌パワー」と書かれた盾でウイルスを防ぐイメージを配置して、感染予防を連想させている。左下に架空の商品「LactoLife」のパッケージを置き、「乳酸菌数200億個配合」「選ばれてNo.1」「初回限定500円」などの実績・価格訴求と購入ボタンを掲載。一般的な健康食品で免疫機能の向上や疾病予防を直接示している不適切な広告例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、乳酸菌サプリのLPに「毎日1粒で免疫力アップ」と表示し、ウイルスを盾で防ぐ画像を置いたケースです。

この広告はNGです。「免疫力アップ」は身体機能の増強を示し、画像まで含めると感染症予防も暗示します。「個人の感想です」「健康を保証するものではありません」と注記しても、メイン表示の意味は消えません。

修正では、免疫の言い換えを探さず、乳酸菌の種類・含有量、味、粒の大きさ、個包装、保存性、続けやすさなど、確認できる商品事実へ軸を移します。

「季節の変わり目の健康習慣」も、ウイルス画像や「守る」と組み合わせれば感染症予防を暗示するため、広告全体で切り離します。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
「免疫力アップ」を「守る力を応援」「内側から備える」に変えても、消費者が受け取る身体作用が同じなら修正になりません。先に免疫訴求の企画を止め、別の購入理由を作ります。法律上説明できる表現でも媒体考査で止まることがあるため、掲載先の独自基準まで企画段階で確認した方が、公開直前の全面改稿を防げます。

事例2:成分研究で「免疫細胞を活性化」

健康食品の成分研究を根拠に、免疫機能への作用を訴求した広告表現のNG事例。大きく「〇〇成分がマクロファージを活性化することを確認」と表示し、原料メーカーによる試験結果として、食食活性やサイトカイン産生量が最大2.6倍に増加したグラフを掲載している。右側に研究者風の女性と架空の健康サポートサプリ「Immunix」のパッケージを配置し、「専門家も注目」「免疫研究への貢献」などの表現や医療・免疫の専門家コメントで信頼性を強調。下部では資料請求を促しており、試験管内の研究結果を商品摂取による免疫効果のように印象づける不適切な広告例である。
※自社で作成したイメージ画像です

仮に、原料メーカーの試験を引用し、「○○成分がマクロファージを活性化」「専門家も注目」と説明した記事LPを作ったとします。

これもNGです。商品名の近くに研究結果を置けば、消費者は商品摂取時の効果として受け取ります。薬機法上は、研究紹介や専門家コメントによる医薬品的効能効果の暗示です。

景品表示法上も、原料研究と販売商品、試験量と配合量、対象者、評価指標、表示内容が対応していなければ合理的根拠になりません。

消費者庁は実際に、「免疫力アップ」「ウイルスに負けない」などの表示について、提出資料が合理的根拠を示さないとして措置命令を行った事例を紹介しています。

研究データを使う際は、健康食品広告で論文・研究データを使う場合の注意点もご覧ください。

事例3:機能性表示食品で「免疫力をアップ」

機能性表示食品で免疫機能を過度に強く訴求した広告表現のNG事例。大きく「免疫力アップ!」「免疫を強化!」と表示し、女性の力強いポーズやウイルスを防ぐ盾のイメージで、感染防御の向上を連想させている。左側に架空の商品「ImmunoPlus」のパッケージを配置し、本来の届出表現である「健康な人の免疫機能の維持をサポート」や機能性関与成分の説明を掲載。下部では届出番号、乳酸菌数、価格、割引率、購入ボタンを示しており、「維持をサポート」という範囲を超えて免疫力の向上・強化を断定する不適切な広告例である。
※自社で作成したイメージ画像です

免疫機能に関する届出が公表されている機能性表示食品では、届出表示の範囲で「健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています」などを表示できます。実際に消費者庁資料にも、この届出表示の例があります。

ただし、「免疫機能の維持」を「免疫力アップ」「免疫を強化」に変えることはできません。「維持」と「向上」は別の意味です。

「風邪予防」「インフルエンザ対策」「感染リスクを下げる」へ広げるのもNGです。消費者庁も、免疫機能の維持に関する表示は、特定の病名を挙げた感染リスク低減まで意味しないと説明しています。

制作時は、届出番号、機能性関与成分、届出表示、対象者、1日摂取目安量を届出データベースで確認します。言い換えの範囲は、機能性表示食品の届出表示はどこまで言い換えられるかで解説しています。

実務では「免疫」の言い換えではなく訴求軸を変える

一般健康食品で「防御力」「バリア」「内側から守る」「負けない毎日」へ変えても、免疫機能や感染症予防を暗示するならNGです。

まず商品区分を確定し、機能性表示食品なら届出内容を確認します。一般健康食品なら、原材料、含有量、製法、味、形状、携帯性、摂取場面、品質管理へ評価軸を移します。

コピー以外にも、ウイルス、盾、白衣、マスク、免疫細胞の図、体験談、検索広告のキーワードを確認します。社内では、次の3点を判断記録として残します。

  • どの表現が、どの効果を消費者に認識させるか
  • その効果を商品区分上表現できるか
  • 根拠資料は販売商品と表示内容に対応しているか
江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
薬機法対応はNGワードを削る作業ではありません。免疫訴求を残せないなら、購入理由を別の場所に作る仕事です。企画後に薬事チェックを入れると、LP全体のストーリーが崩れます。商品区分、使いたい根拠、媒体、訴求軸を最初に並べ、言える範囲からクリエイティブを設計してください。根拠は「ある」だけでなく、なぜその表現を支えられるのか説明できる状態にします。

まとめ

一般的な健康食品・サプリ広告で「免疫力アップ」「免疫を高める」は使えません。感染症、風邪、ウイルス対策まで示せば、さらに明確なNGです。

機能性表示食品は、免疫機能に関する届出がある商品に限り、届出表示の範囲で表現できます。「維持」を「向上」に変えず、疾病予防へ広げないことが条件です。

制作前に商品区分、届出表示、根拠資料、コピー、画像、体験談、媒体基準を確認してください。一般健康食品では、曖昧な言い換えではなく、商品事実と利用価値へ訴求軸を移すことが、訴求を残しながら手戻りを減らす方法です。

薬機法の表現については「薬機法のNGワード一覧|広告で避けるべき表現と実務上の判断基準 」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

薬機法上、健康食品・サプリ広告で「免疫力」という表現が使えるかを商品区分別に整理した図解。一般健康食品では「免疫力アップ」は原則表現できず、画像や体験談による暗示にも注意が必要と説明している。機能性表示食品は届出表示の範囲に限り、「免疫機能の維持」を「向上」へ拡張しないよう示している。下段に「商品区分」「届出表示」「広告全体の印象」の確認項目を並べ、単なる言い換えではなく、訴求軸そのものを再設計するようまとめている。

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