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医薬部外品広告でビフォーアフター画像は使える?美白・シワ改善・育毛・ニキビ表現の注意点

医薬部外品広告のビフォーアフター画像と薬機法上の注意点を解説する図。薬用化粧品の美白、シワ改善、育毛剤、ニキビ予防について、承認効能と写真が伝える変化を一致させる必要がある。シミ予防やニキビ予防のような「防ぐ」効能を使用前後写真で改善結果として見せるのはNG。シワ改善や育毛も、承認範囲、効果発現時期、保証表現、画像加工、広告全体の印象を確認する。

医薬部外品の広告でビフォーアフター画像は、一律に禁止されているわけではありません。承認された効能効果の範囲内で、写真がその効能を適切に表しており、効果発現までの時間や持続時間、安全性を保証せず、撮影条件や画像に作為的な操作がなければ、原則として使用できます。 

もっとも、美白やニキビのように承認効能が「防ぐ」であるものは、使用前後の写真で予防効果を見せることはできません。シワ改善、育毛についても、「医薬部外品だからOK」ではなく、承認内容と画像が伝える変化を一致させる必要があります。

目次

医薬部外品でもビフォーアフターが使える場合と使えない場合がある

結論を先に整理します。

美白医薬部外品で「シミが消えた」「肌そのものが白くなった」と見せるビフォーアフターはNGです。一般的な美白効能は「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」であり、既にあるシミを消す効能ではありません。日本化粧品工業会のガイドラインでも、肌本来の色が白くなる表現は認められないとされています。

一方、「シワを改善する」の効能で承認された薬用化粧品で、その範囲内の変化を示し、効果の発現時期や程度を保証しないのであれば、ビフォーアフターは原則使えます。PMDAの審査報告書でも、「シワを改善する」を効能・効果とする医薬部外品が確認できます。

育毛剤も一律禁止ではありません。ただし、「誰でも発毛する」「薄毛がここまで治る」と受け取られる画像は使えません。ニキビも、「にきびを防ぐ」の承認しかない商品で、ニキビが消えた写真を出すのはNGです。

医薬部外品広告で使える美白・シミ表現の線引きは「医薬部外品広告で「美白」は使える? 」で詳しく解説しています。 

ビフォーアフター画像が薬機法上NGになる3つの理由

薬機法66条は、医薬部外品の効能・効果について虚偽・誇大な広告を禁止しています。厚生労働省の「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」では、使用前・使用後を問わず、写真や図面によって、承認外の効能効果、効果発現までの時間や効果持続時間の保証、安全性の保証を想起させる表現は認められないとされています。

逆にいえば、「Before/After」という形式そのものが禁止されているわけではありません。日本化粧品工業会のガイドラインでも、これらに該当せず、効能や安全性の保証にならない写真は原則認められています。ただし、比較写真は同一条件で撮影し、作為的な操作を加えてはいけません。

特に実務で見落としやすいのが、「改善する」と「防ぐ」の違いです。厚生労働省のQ&Aを収録した同ガイドラインでは、美白医薬部外品について、製品使用後に紫外線を浴びてもシミ・ソバカスが目立たない状態を使用前後写真で見せる例も認められないと整理されています。「防ぐ」という予防効能そのものをビフォーアフターで見せることができないためです。

ビフォーアフター画像だけでなく、承認範囲や保証表現の基本的な判断軸は、「医薬品等適正広告基準を実務で読む」でも詳しくまとめています。 

事例1:美白美容液で「シミが消えた」写真を掲載

医薬部外品の薬用美白美容液広告で、シミが濃い使用前写真と薄くなった使用後写真を並べ、「使うほどシミが消える」と訴求したビフォーアフター画像のNG事例。美白の承認効能である「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」を超えて、既にあるシミが消える効果を示しており、薬機法上問題となる広告表現。使用後8週間など効果発現時期を示す表示にも注意が必要。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、薬用美白美容液のLP(ランディングページ)で、頬のシミが濃い写真をBefore、薄くなった写真をAfterとして「使うほどシミが消える」と見せる広告。これはNGです。

最も直接的な理由は、承認された美白効能を超えることです。「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」は、既にあるシミを除去する効能ではありません。「4週間後」などの期間まで添えれば、効果発現までの時間を保証する問題も加わります。

修正するなら、シミ消失の写真を外します。「美白*」と表現する場合は、「*メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」と承認範囲を明確にします。より詳しい境界は、医薬部外品広告で「美白」は使える?シミ予防・肌が白くなる表現の薬機法上の注意点で確認できます。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
ビフォーアフターは、本文コピーより強く意味が立ちます。「個人差があります」と注釈しても、写真が「シミが消えた」と見せていれば修正になりません。まず承認効能を動詞まで確認し、「防ぐ」のか「改善する」のかを企画段階で分ける。後から気付くと、単語の差し替えでは済まず、LPのストーリーごと組み直すことになります。

事例2:「シワを改善する」承認品で使用前後写真を使う

医薬部外品の薬用シワ改善クリーム広告で、使用前と1週間後の目元写真を並べ「1週間で深いシワが消える」と訴求したビフォーアフター画像のNG事例。シワ改善の承認効能がある薬用化粧品でも、効果発現時期を保証する表現や「シワが消える」と承認範囲を超えて見せる広告は薬機法上問題となる。レタッチ、照明、表情、撮影角度を変えてシワ改善効果を強調する見せ方にも注意が必要。
※自社で作成したイメージ画像です

「シワを改善する」の効能で承認された薬用化粧品なら、その範囲内のシワ改善を示すビフォーアフターは原則使えます。

ただし、「1週間で深いシワが消える」といった見せ方はNGです。効果発現時期の保証になりますし、「消える」まで見せれば承認効能を超えるおそれがあります。レタッチはもちろん、照明、表情、撮影角度を変えて差を大きく見せる方法も避けます。

ここでは商品名に「薬用」とあるかではなく、その品目が実際にどの効能で承認されているかを確認してください。薬用化粧品で「シワ改善」は使える?承認効能と広告表現の薬機法上の注意点も内部確認に使えます。

事例3:育毛剤で「見て分かるほど発毛」の画像を掲載

医薬部外品の薬用育毛剤広告で、使用前と3か月後の頭頂部写真を並べ「見た目が激変」「誰でも容易に外見上確認できるほど薄毛が改善」「見た目でわかる発毛力」と訴求したビフォーアフター画像のNG事例。育毛、発毛促進、脱毛予防などの承認効能がある医薬部外品でも、短期間で目に見えて髪が増える、薄毛が改善する、誰でも発毛効果を実感できると受け取られる広告表現は、薬機法上の承認範囲や景品表示法上の合理的根拠との整合性に注意が必要。
※自社で作成したイメージ画像です

医薬部外品の育毛剤には、育毛、薄毛、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進などの効能効果について承認を受けたものがあります。しかし、「発毛促進」と「誰でも目に見えて髪が生える」は同じではありません。

2026年3月、東京都は育毛剤について、誰でも容易に、外見上確認できるほど薄毛が改善する発毛効果が得られるかのような表示に対し、景品表示法に基づく措置命令を行いました。提出資料は合理的根拠とは認められず、商品使用による効果を示すように見えた画像についても、実際には商品使用の効果を示すものではなかったとされています。

ここは法令を分けて考えます。薬機法では承認された効能効果を超えていないか。景品表示法では、写真が示す効果の程度について合理的根拠があるか。この二段階です。

育毛表現の詳細は、医薬部外品育毛剤で「発毛」「育毛」「薄毛改善」は使える?もあわせて確認してください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
法律上説明できる表現でも、媒体考査では止まることがあります。ビフォーアフターはその差が出やすい表現です。薬機法だけを見て「原則可」と判断せず、出稿先の審査基準まで企画時に確認しておく方が手戻りを減らせます。「正しいこと」と「通ること」を分けて設計する必要があります。

事例4:薬用化粧品でニキビが消えた写真を掲載

医薬部外品の薬用ニキビケア化粧品広告で、使用前の赤いニキビ肌と使用後のきれいな肌を並べ「にきびが消えた」「4週間でつるすべ肌」と訴求したビフォーアフター画像のNG事例。承認効能が「にきびを防ぐ」である薬用化粧品では、既にあるニキビを治す・消す・改善する効果まで広告表現を広げることはできません。ニキビ予防、薬用化粧品、医薬部外品、ビフォーアフター、使用前後写真、ニキビ改善、ニキビ治療、薬機法、医薬品等適正広告基準、景品表示法、広告表現、NG事例の注意点を示した解説画像。
※自社で作成したイメージ画像です

「にきびを防ぐ」効能の薬用化粧品で、赤いニキビがAfterで消えている画像を見せるのはNGです。「防ぐ」という効能を「治す」「消す」まで広げています。薬用化粧品には「にきびを防ぐ」という効能が認められていますが、「○○を防ぐ」と承認されたものを別の治療・改善表現へ読み換えることはできません。

修正するならニキビ改善写真を外し、「にきびを防ぐ」という承認表現へ戻します。薬用洗顔料で「皮膚の清浄」も認められているのであれば、汚れた肌と洗浄後の肌を比較する方法は別途検討できます。洗浄前後の肌の比較は、ガイドラインでも認められる写真表現の例として示されています。

詳しくは、医薬部外品で「ニキビを治す」は使える?薬用化粧品のニキビ・肌荒れ表現の注意点で整理しています。

実務では承認書・画像・根拠資料をセットで確認する

ビフォーアフターを審査するときは、販売名と商品区分、承認効能、写真が示す変化、撮影条件、加工の有無、時間表示の順で確認します。

さらに景品表示法上、写真が商品の効果・性能を具体的に示すなら、その表示を裏付ける合理的根拠が必要です。薬機法上の承認があるからといって、「写真のような結果が得られる」という表示の根拠まで自動的に満たすわけではありません。

ビフォーアフターが使えない場合に、弱い画像へ差し替えるだけでなく、効果訴求から生活者価値へ評価軸をずらす方法を使えば、訴求自体を組み直せます。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
NG画像を曖昧な画像へ差し替えるだけでは、訴求は整いません。本来伝えたかった価値が「シミ消失」なら、美白医薬部外品では訴求軸自体を変える必要があります。使用感、剤形、塗布しやすさ、利用場面など、承認効能を逸脱しない商品事実へ移す。規制の中で伝わる形に組み直すことが重要です。

まとめ

医薬部外品のビフォーアフター画像は一律NGではありません。

ただし、美白やニキビのような「防ぐ」効能を使用前後写真で見せたり、既存のシミ・ニキビが消えたように見せたりする表現は使えません。「シワを改善する」と承認された品目では、承認範囲内で保証表現にならないビフォーアフターは原則可能です。育毛剤も一律禁止ではありませんが、発毛や薄毛改善を確実な結果として見せる画像はNGになり得ます。

制作時は「医薬部外品だから使える」と判断せず、承認効能の動詞、画像が示す変化、時間表現、撮影条件、合理的根拠、媒体基準まで確認してください。

医薬部外品広告について体系的に理解したい方は「医薬部外品の効能効果と広告表現|美白・シミ・育毛・ニキビ・デオドラントの注意点」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、関係法令や公的機関、業界ガイドライン等の公式資料に基づき、医薬部外品広告におけるビフォーアフター画像の活用について、薬機法が定める承認効能の範囲や、効果発現・持続時間・安全性の保証禁止、美白・シワ改善・育毛・ニキビ等の区分に応じた表示可能範囲、写真の撮影・加工条件、さらに景品表示法上の不当表示(優良誤認・不実証広告)防止の観点から解説しています。
実際の広告表現の妥当性は、製品ごとの承認内容や画像が示す変化の度合い、撮影・加工の実態、期間・数値の明示、根拠資料のほか、コピーや注釈を含む広告全体の印象によって判断が分かれます。そのため、運用にあたっては承認関係資料や最新の公的文献を確認し、適宜専門家へ照会を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

医薬部外品広告のビフォーアフター画像と薬機法上の注意点を解説する図。薬用化粧品の美白、シワ改善、育毛剤、ニキビ予防について、承認効能と写真が伝える変化を一致させる必要がある。シミ予防やニキビ予防のような「防ぐ」効能を使用前後写真で改善結果として見せるのはNG。シワ改善や育毛も、承認範囲、効果発現時期、保証表現、画像加工、広告全体の印象を確認する。

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