化粧品LP(ランディングページ)は、本文のNGワードだけを直しても不十分です。ファーストビュー、口コミ、Before/After、CTA(行動の指示)が承認を超えた強い効能を暗示していれば、広告全体の問題は残ります。
一般化粧品で「シワ改善」「シミが消える」「肌を再生する」など、認められた効能の範囲を超える訴求は使えません。一方、口コミやBefore/Afterは一律禁止ではありません。一般化粧品を中心に、薬用化粧品との違いも含めて、LPのどこをどう確認すべきか整理します。
LPは4つの接点をまとめてチェックする
一般化粧品で「シワを改善」「シミを消す」はNGです。CTAで同じ効能を言い切るのもNG。口コミは使用感の説明なら使える余地がありますが、効能体験談には使えません。Before/Afterも、範囲外の変化や効果発現までの時間、持続時間を保証する見せ方はNGです。
一般化粧品の効能範囲は厚生労働省通知の56項目が基準です。「シワ改善」は含まれず、「乾燥による小ジワを目立たなくする」は所定の試験等で効果を確認した場合に限られます。 薬用化粧品では、まず当該品目の承認効能を確認し、医薬部外品としての効能訴求はその承認範囲内で行います。一般化粧品に認められた効能表現を使用できる場合もありますが、商品区分や本来の使用目的と整合するかを確認します。
効能範囲は化粧品で認められる56項目の効能効果、区分の違いは薬用化粧品とは?で詳しく整理しています。
ファーストビューで効能範囲を超えると、LP全体の設計が崩れる
薬機法66条は、化粧品の効能・効果等について、明示・暗示を問わず虚偽・誇大な広告を禁止しています。 医薬品等適正広告基準の解説でも、広告は文面だけで形式的に判断せず、媒体、構成、説明の文脈なども含めて評価するとされています。
つまり、「シワ改善」を「ハリ感」に置き換えても、写真や図解が「深いシワがなくなる」と受け取られる構成なら修正不足です。
ファーストビューはキャッチコピーだけではなく、画像、図解、注釈などを合わせてどのような効能を受け取られるか確認します。文言だけで判断しない考え方は「薬機法対応広告で重要な『広告全体の印象』とは?文言だけで判断できない理由」で詳しくまとめています。
事例1|一般化粧品LPを「シワ改善」で組んでいたケース

実際の相談では、一般化粧品のLPで「これで年齢肌のシワ改善ができる!」をメインコピーにし、本文もシワ改善を説明するストーリーになっていました。
一般化粧品で「シワ改善」は使えません。そのため、単語の差し替えではなく、LP全体の訴求軸から組み直す判断になりました。
修正するなら、「深いシワを改善」から「乾燥しやすい目元にうるおいを与える」「ハリのある肌印象へ」など、商品事実に基づく訴求へ移します。画像や説明がシワ改善を暗示したままでは解決しません。
江良公宏薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
LP完成後に大きなNGが出ると、コピー修正では済まず、構成や画像まで戻ることがあります。実際の相談事例でも、企画からLP制作まで2〜3か月進んだ段階で訴求の組み直しが必要になりました。 薬事チェックは公開前の検品ではなく、企画時点で「この商品区分ならどこまで言えるか」を決める工程に置く方が、手戻りを減らせます。薬事チェックを入れるタイミングは「![]()
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事例2|口コミとCTAで「消える」を復活させるケース


たとえば本文は「うるおいを与える」に修正したのに、口コミに「3日でほうれい線が消えました」、CTAに「私もシワを消したい」と残っているケースです。
一般化粧品ではNGです。
医薬品等適正広告基準の解説では、使用経験・体験談は客観的裏付けにならず、効能効果や安全性について誤解を与えるおそれがあるため、原則として行わないとされています。化粧品で例外として示されているのは、使用感を説明する場合などです。
したがって、「個人の感想です」と付けても、「シワが消えた」という効能体験談が使用感に変わるわけではありません。
景品表示法でも、好意的な体験談だけを選び、一般的な効果のように受け取らせる表示は、実際より著しく優良と誤認される場合に問題になります。
口コミの詳細は化粧品広告で口コミ・体験談は使える?で確認できます。
事例3|Before/Afterは全部NGではない


一般化粧品の美容液で「使用7日後に深いシワが消えた」と見せるBefore/AfterはNGです。効能範囲外の変化と、効果発現までの時間を印象づけます。
厚生労働省の解説では、使用前後を問わず、写真等で承認等の範囲外の効能を想起させるもの、効果発現までの時間・持続時間の保証、安全性の保証となるものは認められません。
一方、Before/Afterという形式そのものが禁止されているわけではありません。事実に反しないメーキャップ効果については広告できるとする通知があります。
たとえばメイクによるカバー効果を示すのであれば、「素肌のシミそのものが消えた」のではなく「メイクによって目立たなく見える」という事実が伝わる設計にします。見るべきなのはBefore/Afterという形式ではなく、「何の変化を見せているか」です。
CTAは「最後のコピー」として確認する
「購入する」「詳しく見る」だけなら、通常は効能表現ではありません。
しかし、「今すぐシミ悩みを解決」「シワ改善を始める」とすれば、その文言もLPの訴求です。本文を修正したのに、購入ボタン周辺で元のNG表現が復活しているLPは珍しくありません。
また、定期購入LPでは、CTA周辺の価格、購入回数、解約条件などは薬機法とは別に景品表示法・特定商取引法で確認します。化粧品D2C・定期購入LPの特商法チェックも合わせて確認してください。



薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
法律上説明できる表現でも、媒体独自の審査で止まることがあります。江良のメルマガでも「正しいこと」と「通ること」は別だと整理しています。 まず薬機法上の表現範囲を確定し、その後に媒体基準へ合わせる。この順序なら、媒体都合の修正を「薬機法NG」と誤って社内共有することも防げます。
実務では「訴求軸→全パーツ」の順で修正する
最初に商品区分を確定し、一般化粧品なら56効能、薬用化粧品なら承認効能を確認します。次に訴求したい価値を一文にし、ファーストビュー、本文、図解、口コミ、Before/After、CTAを同じ軸で確認します。
コピーだけ直して画像が元の効能を暗示していないか。口コミだけが強い効果を言っていないか。CTAでNG表現が復活していないか。ここまで見てLP全体の修正です。
基本の判断軸は化粧品広告の薬機法チェック入門、景品表示法との切り分けは化粧品広告の薬機法と景品表示法の違いも参照してください。
まとめ
一般化粧品のLPで「シワ改善」「シミが消える」など効能範囲を超える表現は使えません。ファーストビューだけでなく、口コミ、Before/After、CTAに同じ訴求が残っていれば、その部分も修正が必要です。
一方、口コミは使用感、Before/Afterはメーキャップ効果など、表現できる領域があります。
LPチェックで行うべきなのは、NGワードの検索ではありません。商品区分と根拠を確認し、本来伝えたい価値を、その化粧品で表現できる訴求へ組み替えることです。
化粧品広告について体系的に理解したい方は「化粧品広告の薬機法チェック入門|制作会社が知るべきOK表現・NGになりやすい表現」もご覧ください。
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参考情報・引用元
本記事は、関連する法令や公的機関、ガイドライン等の公式資料に基づき、化粧品LPにおけるファーストビュー、体験談・口コミ、ビフォーアフター、CTA等の各要素について、薬機法が定める化粧品の効能範囲や医薬部外品の承認効能、広告全体による暗示的表現の制限、さらに景品表示法上の不当表示(優良誤認)や打消し表示の在り方、通信販売における特定商取引法の表示規制の観点から解説しています。
実際の広告表現の妥当性は、製品の区分や承認内容、効能評価試験の実態のほか、コピーや画像・動画、体験談、注釈、CTA、販売条件、さらには広告全体の印象によって判断が分かれます。そのため、実運用にあたっては最新の公的資料や専門家への照会、承認書の内容確認を適宜行ってください。
- e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)」e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145(参照日:2026年08月23日)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日薬食発0721第1号)厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7518&dataType=1&pageNo=1(参照日:2026年08月23日)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて」(平成23年7月21日薬食審査発0721第1号・薬食監麻発0721第1号)厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7519&dataType=1&pageNo=1(参照日:2026年08月23日)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(昭和55年10月9日薬監第123号)厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6994&dataType=1&pageNo=1(参照日:2026年08月23日)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」(平成29年9月29日薬生発0929第4号)厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179264.pdf(参照日:2026年09月07日)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日薬生監麻発0929第5号)厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf(参照日:2026年08月23日)
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免責事項
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