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健康食品広告で「痩せる」「脂肪燃焼」は使える?ダイエット訴求の薬機法・健康増進法の注意点

「『痩せる』『脂肪燃焼』は使える?」という見出しの、健康食品広告に関するアイキャッチ画像。右側には架空の広告シートを配置し、薬機法、健康増進法、景品表示法の3つの視点から、キャッチコピー、画像、体験談、注記、CTAを確認する構成になっている。下部では、一般健康食品、機能性表示食品・トクホ、修正の方向という3つの要点を示し、商品区分や根拠を確認したうえで、確認可能な商品事実から広告を設計する重要性をまとめている。

「このサプリで痩せる」「脂肪を燃焼してスリムに」。ダイエット商材では使いたくなるコピーですが、一般的な健康食品について、商品や成分の身体作用として体重減少や脂肪燃焼を訴求することはできません。食品の名目で、脂肪代謝など身体機能への作用を医薬品的な効能効果として標ぼうする広告には注意が必要です。

機能性表示食品や特定保健用食品も、自由に使えるわけではありません。届出・許可表示を超え、「飲むだけで目に見えて痩せる」と受け取られる広告はNGです。本記事では、法令ごとの判断と、ダイエット訴求を残す修正方法を解説します。

目次

一般的な健康食品で「痩せる」「脂肪燃焼」は使えない

一般的な健康食品、サプリメント、栄養機能食品について、商品や成分が身体に作用する結果として「痩せる」「脂肪燃焼」「体脂肪を分解」「飲むだけで減量」と訴求することはできません。 

機能性表示食品は、届け出た範囲内で「BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らすのを助ける」などの表示ができます。ただし、「痩せる」「くびれができる」「運動なしで体重が落ちる」まで広げることはできません。特定保健用食品も、許可表示の範囲内に限られます。

関連する基礎は、健康食品広告のNG表現一覧健康食品広告のルール完全ガイドで整理しています。

一般健康食品の「痩せる」「脂肪燃焼」が薬機法上NGになる理由

薬機法第68条は、承認等を受けていない医薬品について効能・効果等の広告を禁止しています。また、食品として販売している商品でも、成分、形状、表示する効能効果、用法用量、販売方法等から医薬品に該当すると判断される場合があり、食品の名目で医薬品的効能効果を標ぼうする広告には注意が必要です。 

「痩せる」は、体重減少や体形変化を示す表現です。「脂肪燃焼」は、成分が体内で脂肪の代謝や消費に作用することを示します。味、形状、カロリーといった商品事実ではなく、身体機能への作用を伝える表現です。

「燃焼系」「脂肪に着火」「溜め込まない体へ」と言い換えても、結論は変わりません。コピー、人物画像、体験談、グラフを含む広告全体から、商品による脂肪燃焼や痩身効果を暗示していればNGです。

健康増進法と景品表示法では何が問題になるのか

健康増進法第65条第1項が禁止するのは、食品の健康保持増進効果等について、著しく事実に相違する表示、または著しく人を誤認させる表示です。健康効果を書いた時点で直ちに違反になる制度ではありません。

ただし、「飲むだけで10kg減」「好きなだけ食べても脂肪燃焼」のような表示は、効果の大きさや利用条件を実際より強く見せる可能性があります。細身のモデル、ビフォーアフター、体験談、「運動・食事制限不要」という説明を組み合わせ、容易に著しい痩身効果が得られると受け取らせる広告も問題になる可能性があります。

景品表示法では、商品を実際より著しく優良に見せる表示が規制されます。消費者庁から求められた場合は、表示した商品、摂取量、対象者、期間、効果の程度に対応する合理的根拠が必要です。

成分研究、動物試験、別商品に関する試験を示すだけでは、広告対象商品について表示した効果を十分に裏付けられない場合があります。研究対象と最終製品の成分、含有量、摂取量、対象者、試験条件などが、広告表示と対応しているかを確認する必要があります。

また、試験結果が小さな変化にとどまるにもかかわらず、広告で外見上分かる痩身効果まで印象づけると、根拠を超えた表示と評価されるおそれがあります。

事例1|一般サプリのLPで「1日1粒、脂肪燃焼」はNG

一般的なサプリメントのLPで、痩身・脂肪燃焼効果を直接訴求するNG広告事例。健康補助食品「Burn+」について、「1日1粒で脂肪燃焼」「運動・食事制限はもういらない」「運動なしで-5kgを目指す」と表示し、ウエストのビフォーアフター画像や「ウエスト-9.8cm達成」といった数値訴求、累計販売120万袋、燃焼系成分配合、代謝サポート、脂にアプローチなどの表現を組み合わせている。一般サプリメントで脂肪代謝への作用や体重減少を標ぼうすると薬機法上の問題となり、容易な痩身効果を強く印象付ける表示は健康増進法、広告どおりの効果を示す合理的根拠がなければ景品表示法上のリスクも生じる。小さく『個人の感想』『効果を保証するものではない』と注記しても、広告全体から減量・痩身効果が認識される場合は解消されないことを示した不適切事例である。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、一般的なサプリメントのLP(ランディングページ)で「1日1粒で脂肪燃焼」「運動なしで-5kg」と表示し、ウエストのビフォーアフターを掲載するケースです。この広告はNGです。

最も直接的な理由は薬機法です。未承認の食品に、脂肪代謝への作用と体重減少効果を標ぼうしています。

健康増進法では、容易な痩身効果を著しく誤認させる表示が問題となります。景品表示法では、広告どおりの効果を示す合理的根拠が問われます。「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」と小さく注記しても、表示全体から痩身効果が認識される場合、結論は変わりません。

修正では、痩身効果から離れ、原材料、1日分の量、形状、味、携帯性、個包装、栄養成分などの商品事実へ軸を移します。「スッキリ」「内側から軽やか」も、実質的に減量を暗示する構成なら使えません。

健康食品で問題になりやすいNG表現と修正の方向性は「健康食品広告のNG表現一覧|ダイエット・疾病・美容・疲労系の使えない表現とリライト例」で整理しています。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
コピーだけを「燃焼」から「スッキリ」に変えても、LPの物語が減量のままなら修正にはなりません。先に商品区分と表現可能な価値を決め、ファーストビュー、画像、体験談、CTA(行動の指示)まで同じ軸で作り直します。制作後の差し替えは訴求を弱めるだけでなく、媒体審査による手戻りも増やします。

事例2|「脂肪燃焼・食べてもなかったことに」が問題となった事例

一般健康食品のNG広告事例。笑顔の女性とラーメン、ピザ、ケーキなどの食事写真を背景に、「食べてもなかったことに」「脂肪燃焼」「カロリーを速攻カット」と大きく表示し、糖質70%・脂質75%カット、1粒で吸収を即カットできるかのように訴求している。サプリ商品、販売実績、初回980円の割引、申込ボタンも掲載されている。
※自社で作成したイメージ画像です

消費者庁の公表事例では、痩身効果を標ぼうする食品について、「カロリーを速攻カット」「食べ過ぎてもなかったことに」「糖質カット、脂質カット、脂肪燃焼」などと表示していました。

食事画像も組み合わせ、商品を摂取すればカロリー吸収が直ちに著しく阻害され、体重増加を防げるかのように示していたものです。事業者から提出された資料は、表示の裏付けとなる合理的根拠として認められませんでした。

問題は「脂肪燃焼」という単語だけではありません。「食べ過ぎても平気」「吸収を即カット」という前後のコピーと食事画像が、商品の作用を大きく見せています。

また、合理的根拠があれば、一般健康食品で医薬品的効能効果を自由に表示できるわけではありません。薬機法と景品表示法は、別々に判断する必要があります。

商品区分、効能表現、根拠資料まで含めた健康食品広告全体の確認方法は「健康食品広告のルール完全ガイド|薬機法・健康増進法・景品表示法と商材別注意点を解説」でまとめています。 

事例3|機能性表示食品でも「飲むだけでくびれ」はNG

機能性表示食品のNG広告事例。ピンクと金色を基調に、葛の花由来イソフラボン配合のサプリメントと細いウエストの女性を大きく掲載し、「飲むだけで誰でも簡単にくびれる」「運動・食事制限なし」と訴求している。機能性表示食品の表示や届出内容、機能性関与成分、初回980円の割引、申込ボタンも掲載されている。
※自社で作成したイメージ画像です

腹部脂肪に関する機能性を届け出た機能性表示食品でも、「飲むだけで誰でも簡単にくびれる」とは表示できません。

消費者庁は、葛の花由来成分を含む機能性表示食品について、細身のウエスト画像や「運動・食事制限なし」などを組み合わせ、摂取するだけで外見上分かる痩身効果が得られるかのように示した広告事例を公表しています。

機能性表示食品は、国が個別に効果を審査して許可した商品ではありません。事業者の責任で科学的根拠を届け出る制度です。広告では、届出表示、対象者、機能性関与成分、摂取条件を確認し、科学的根拠の範囲を超えてはいけません。

「腹部脂肪を減らすのを助ける」を「痩せる」「体重が落ちる」「見た目が変わる」に拡張するのはNGです。機能性表示食品の広告ルール届出表示を言い換える際の注意点も確認してください。

ダイエット訴求を残して修正する方法

一般健康食品では、痩身や脂肪への作用から離れ、「1食当たり○kcal」「糖類○g」「個包装」「水なしで摂取できる」「柑橘風味」など、確認可能な商品事実を中心にします。

置き換え食品であれば、比較対象となる食事や条件を明示したうえで、摂取カロリーを管理しやすいという利用価値を説明できます。ただし、「置き換えるだけで必ず痩せる」と結果を保証することはできません。

機能性表示食品では、届出資料と広告案を並べ、対象者、機能、部位、程度、期間のどこを広げていないかを確認します。原料や機能性関与成分に関する研究を用いる場合も、届出方式、成分の同等性、含有量、摂取条件、対象者などを確認し、研究から導ける範囲を超えて最終商品の効果へ一般化しないことが必要です。詳しくは健康食品広告で論文・研究データを使う際の注意点で整理しています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
実務で先に確認するのは、強いコピー案ではなく、商品区分と根拠資料です。一般食品なのか、機能性表示食品なのか。届出表示は何か。試験は原料か最終商品か。ここが曖昧なまま表現を先に作ると、後から広告全体を壊すことになります。言える価値から企画する方が、結果として訴求を残せます。

まとめ

一般的な健康食品の広告で、商品効果として「痩せる」「脂肪燃焼」は使えません。薬機法上、未承認の食品に身体機能への作用や痩身効果を標ぼうする表現だからです。

健康増進法は、健康効果の表示自体を直ちに禁止する法律ではありません。ただし、著しく事実と異なる表示や、著しい誤認を招く表示を規制します。景品表示法では、表示に対応する合理的根拠が必要です。

機能性表示食品や特定保健用食品も、届出・許可された範囲を「飲むだけで痩せる」へ広げることはできません。公開前には、商品区分、届出・許可表示、最終商品の根拠、コピー、画像、体験談、注記、CTAを一つの広告として確認してください。

健康食品広告について体系的に理解したい方は「健康食品広告のNG表現一覧|ダイエット・疾病・美容・疲労系の使えない表現とリライト例」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の法令、公的な指針・公式資料を参考に、健康食品広告における「痩せる」「脂肪燃焼」といったダイエット表現について、薬機法上の医薬品該当性、健康増進法における虚偽・誇大表示規制、景品表示法上の優良誤認および不実証広告規制、ならびに機能性表示食品や特定保健用食品の表示範囲との関係を整理しています。
個別の広告訴求の適否は、製品区分、成分、形状、謳われる効能効果、摂取・販売方法、届出・許可内容、科学的根拠、ならびにビジュアルや体験談を含む広告全体の印象等により判断が分かれるため、実務にあたっては最新の公的資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

「『痩せる』『脂肪燃焼』は使える?」という見出しの、健康食品広告に関するアイキャッチ画像。右側には架空の広告シートを配置し、薬機法、健康増進法、景品表示法の3つの視点から、キャッチコピー、画像、体験談、注記、CTAを確認する構成になっている。下部では、一般健康食品、機能性表示食品・トクホ、修正の方向という3つの要点を示し、商品区分や根拠を確認したうえで、確認可能な商品事実から広告を設計する重要性をまとめている。

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