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「初回500円」「初回無料」は特商法上どう表示すべき?定期購入LPの価格表示と申込導線の注意点

定期購入LPで「初回500円」「初回無料」を表示する際の特商法上の注意点を解説した図。左側に「『初回500円』『初回無料』はどう表示する?」という見出しと「定期購入LPの価格表示と申込導線の注意点」を配置。右側には定期コースの商品ページを模した画面があり、「初回価格」「2回目以降の価格」「送料・支払総額」「解約条件」の4項目を確認する構成になっている。さらに定期購入では、2回目以降価格、支払総額、各回の発送、解約期限・方法を追加確認することを示している。下部では、ファーストビュー、CTA、カート、最終確認画面までの申込導線を図解し、「価格と条件を一つの申込導線で確認」「初回価格だけで契約全体を判断させない」と注意喚起している。

「初回500円」「初回無料」という価格訴求は、定期購入LP(ランディングページ)で広く活用されている訴求策です。初回価格を安く設定すること自体が、特定商取引法で禁止されているわけではありません。

問題となるのは、低価格な初回特典ばかりを過度に強調し、定期購入の事実や2回目以降の価格・送料、解約条件(最低購入回数や解約時の追加負担など)を判別しにくくする画面設計です。

なお、ユーザーからの申し出があるまで自動更新される無期限タイプでは、無期限契約である旨を明確に示す必要があります。実務上は、一定期間における支払額を、目安であることを明確にしたうえで提示することも望ましいとされています。 

2026年3月公表の行政処分でも、「初回500円」「1回で解約OK」などの表示と、実際の契約条件との違いが問題になっています。

本記事では、「初回500円」「初回無料」を定期購入LPで表示するときの価格表示と申込導線の注意点を、特定商取引法と景品表示法の観点から解説します。

目次

「初回500円」「初回無料」は使える。ただし定期購入の条件を隠してはいけない

「初回500円」も「初回無料」も、それが実際の販売条件と一致していれば、表示自体が直ちにNGになるわけではありません。

ただし、「500円で商品を1回だけ購入できる」「無料で商品を試せる」と消費者が受け取る表示になっているのに、実際には定期購入への申込みとなり、2回目以降の支払いが発生するのであれば、その条件を明確に伝える必要があります。

特定商取引法では、通信販売の広告について販売価格などの表示を求めるほか、最終確認画面では法第12条の6に基づく表示事項を示し、契約内容について人を誤認させる表示を行ってはいけません。広告に条件を書いたから最終確認画面では省略できる、という関係でもありません。

定期購入全体の確認方法は、定期購入LPの特商法チェックで整理しています。

初回価格の近くで「定期購入であること」を分かるようにする

たとえばLPのファーストビューに、「今なら初回500円!」と大きく表示し、ページ最下部にだけ「定期購入です」と記載する設計は避けます。

初回500円が定期購入に申し込んだ場合だけの価格であれば、その条件を価格訴求と切り離しすぎないことが重要です。

景品表示法の価格表示ガイドラインでも、販売価格を表示する場合には、価格そのものだけでなく、その価格が適用される商品の範囲や顧客の条件を正確に表示する必要があるとされています。条件を明示せず、実際より安く購入できる印象を与えれば、有利誤認表示の問題につながります。

したがって、「初回500円」と表示するなら、「定期コース初回価格500円」など、何の500円なのかが分かる設計にします。

ただし、この一文を入れれば十分というわけではありません。2回目以降の価格、送料、最低購入回数がある場合の回数、解約条件なども、価格訴求との位置関係、文字サイズ、色、強調のバランスを含めて、消費者が明確に認識できる表示にする必要があります。

初回価格だけを大きく見せ、その他の定期購入条件を小さな文字や離れた場所に置くと、定期購入ではない、または初回価格だけで購入できると誤認させるおそれがあります。

「初回500円」という価格自体が事実でも、定期条件や追加負担を認識しにくくし、実際より有利な契約に見せれば景品表示法上の有利誤認も問題になります。判断軸は「優良誤認・有利誤認とは?」で整理しています。

事例1:初回500円でも2回目以降4,980円なら、その価格を隠さない

定期購入LPで「初回限定500円」を大きく強調し、2回目以降4,980円と送料330円の条件を小さな注釈だけで表示したNG事例。健康食品の定期コース広告で、初回500円の価格訴求や「約90%OFF」「送料無料」「数量限定」を目立たせる一方、2回目以降は毎回4,980円であることをページ下部に小さく記載している。右側には注文内容確認画面があり、初回500円、2回目以降4,980円、送料330円を表示。特定商取引法上、初回価格だけを強調せず、2回目以降の価格、送料、支払総額、解約条件など定期購入の契約条件を申込み前に分かりやすく表示する必要があることを示した広告表現例。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、初回500円、2回目以降4,980円で毎月届く定期コースがあるとします。

LPで「初回限定500円!」と大きく表示し、2回目以降4,980円という条件を小さな注釈だけに記載すると、500円という価格だけが独立して消費者へ伝わりやすくなります。 

特に最終確認画面では注意が必要です。消費者庁のガイドラインでは、初回と2回目以降の価格が異なる定期購入について、消費者が各回の支払額を容易に把握できるよう表示することが求められています。画面例でも、初回、2回目以降、送料、各回の支払額、一定回数契約の場合の支払総額をまとめて示しています。

3回の受け取りが条件で、初回500円、2回目・3回目が各4,980円、送料・手数料等の追加負担がない場合、商品代金の総額は10,460円です。送料等が別途必要な場合は、その負担も申込み前に確認できるように表示します。

最終確認画面では、初回500円だけではなく、各回の代金、送料、支払総額、解約条件を含め、この契約全体を確認できる表示にすることが重要です。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
初回価格はLPで最も強く見せたい数字になりやすい一方、その数字だけでクリエイティブを作ると、後から定期条件を足したときにデザインが崩れます。初回価格、2回目以降価格、送料、最低受取回数、総額、解約条件を先に確定し、その条件を前提にファーストビューやCTA(行動の指示)を設計する方が手戻りを減らせます。

事例2:「初回無料」でも送料550円なら「完全無料」のように見せない

特定商取引法・景品表示法に注意が必要な定期購入LPのNG事例。「初回無料」「無料で試せる」と強調しながら、実際には送料550円が発生する健康食品通販広告。商品代金0円、送料550円、2回目以降4,980円などの契約条件と、注文確認画面で初回支払額550円を示した価格表示の注意例。
※自社で作成したイメージ画像です

次は、初回の商品代金が0円でも送料550円が発生するケースです。

この場合、「初回無料!」だけを大きく表示すると、消費者は初回に金銭負担がないと受け取ることがあります。

「無料」が商品代金だけを意味するなら、

「初回商品代金0円/送料550円」

など、実際の初回負担が分かる形にします。

価格表示については、表示価格で商品を購入できると一般消費者が認識することを前提に、別途必要となる対価や価格適用条件を曖昧にしないことが景品表示法上も求められます。

また、「初回無料」なのに、初回だけで解約すると通常価格との差額を支払う契約なら、その条件を隠して「無料でお試し」「気軽に1回だけ」と見せることはできません。

事例3:2026年の行政処分では「初回500円」「1回で解約OK」が問題に

定期購入LPで「初回500円」「定期縛りなし」「1回で解約OK」を大きく訴求するNG広告事例。実際には2回目を受け取らず解約する場合に9,480円の追加負担が発生する条件があり、右側の最終確認画面でも初回500円のみを強調している。2026年の特定商取引法に関する行政処分を参考にした架空広告のイメージ。
※自社で作成したイメージ画像です

2026年3月、消費者庁はサプリメントを通信販売していた株式会社ピュレアスに対し、通信販売に関する広告、申込受付、契約締結について3か月の業務停止命令等を行いました。

公表資料によると、広告では「初回500円」「定期縛りなし」「1回で解約OK」などと表示し、500円だけ支払って1袋を受け取り、追加負担なく解約できるような印象を与えていました。

しかし実際には、2回目を受け取らずに解約する場合、9,480円の支払いが必要な契約でした。また、最終確認欄では2回目以降の送料を含む販売価格が表示されておらず、「合計500円」と初回部分を分離して強調した表示も認定対象となっています。

ここで重要なのは、「500円」という数字自体が虚偽だったから問題になったわけではないことです。500円という初回条件を、契約全体から切り離して見せた結果、消費者が実際の負担を誤認する表示になったことが問題でした。

なお、サプリメントの定期購入LPでは、価格・解約条件について特商法を確認するだけでなく、商品の効能訴求について薬機法・健康増進法・景品表示法も別に確認します。「健康食品広告のルール完全ガイド」もあわせてご確認ください。 

「通常価格9,980円→初回500円」「95%OFF」は景品表示法も確認する

初回価格を訴求するときは、特定商取引法だけでなく景品表示法も確認します。

「通常価格9,980円→初回500円」
「95%OFF」

と表示する場合、比較対象となる通常価格や割引率の根拠に加え、比較している商品・取引条件が対応しているかを見ることが重要です。

たとえば、9,980円が単品購入価格で、500円が定期購入契約の初回だけに適用される価格である場合、単純に「95%OFF」と表示できるとは限りません。定期購入であること、2回目以降の価格、送料、解約条件などを含め、価格差に契約条件の違いが影響していることを消費者が認識できる表示になっているかを確認します。 

価格表示ガイドラインでも、販売価格については、その価格が適用される商品の範囲や顧客条件を正確に表示する考え方が示されています。商品内容や適用条件が異なる価格を比較して安く見せる場合は、有利誤認表示の問題が生じるおそれがあります。

また、「通常価格」が過去の自社販売価格を意味する場合は、その価格がどのような価格なのかを正確に示し、最近相当期間にわたり実際に販売されていた価格かどうかも確認します。

定期コースの初回だけ500円なのに、「この商品は95%OFF」と商品の通常販売価格そのものが安くなったように見せる広告は避けます。「定期コース初回価格」であることを明確にしたうえで、比較対象価格との条件差まで含めて、消費者に誤認を与えない表示に整えます。

二重価格表示そのものは、「初回500円」「初回無料」は使える?定期購入LPの景品表示法・特商法チェックで詳しく確認してください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
価格表示は、数字が合っているかだけを確認しても足りません。「500円」という数字を見た人が、何を500円で買えると思うのかまで確認します。定期契約なのか、送料があるのか、初回解約時に差額が生じるのか。価格と条件を離して表示すると、個々の記載は事実でも広告全体では違う印象になり得ます。

申込導線はファーストビューから最終確認画面まで確認する

実務では「初回500円」のコピーだけをチェックせず、LPから注文確定までを通して確認します。

ファーストビューでは、初回価格が適用される契約条件が分かるか。CTA付近では、通常購入と定期購入を取り違えていないか。カートでは選択されたコースと価格が一致しているか。最終確認画面では、初回価格、2回目以降価格、送料、各回の数量、最低購入回数、総額、解約条件を確認できるかを見ます。

消費者庁のガイドラインでは、最終確認画面は申込内容を一覧性をもって確認する重要な場面と位置付けられています。LPに表示していたとしても、それだけで最終確認画面の表示義務を果たしたことにはなりません。

最終確認画面については、最終確認画面に表示すべき項目、申込ボタン周辺はCTA周辺に表示すべき契約条件も併せて確認してください。

まとめ

「初回500円」「初回無料」は、定期購入LPでも使えます。ただし、その数字だけを強く見せ、定期購入であること、2回目以降価格、送料、最低購入回数、総額、解約時の追加負担を認識しにくくする表示はNGです。

「初回無料」でも送料が必要なら、その負担を明確にします。初回で解約した場合に差額請求があるなら、「無料」「500円」「1回で解約OK」だけを切り離して訴求してはいけません。

価格表示はLPだけで完結しません。ファーストビュー、CTA、カート、最終確認画面まで一つの申込導線として確認してください。

通販・EC・LPで確認すべき特定商取引法の注意点については、「通販・EC・LP運営で注意すべき特定商取引法|表示項目・最終確認画面・定期購入の確認ポイント」もあわせて確認してください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、関連法令、消費者庁・特定商取引法ガイドの公的資料、過去の処分決定、景表法の価格表示ガイドライン等を基礎に、定期購入ランディングページにおける「初回500円」「初月無料」といった価格表示、2回目以降の代金、送料負担、継続回数の条件、総支払額、解約時の費用発生、注文確認画面、二重価格や割引表記などの注意点をまとめています。
なお、個別の表記の適法性は、契約形態、各種料金、購入継続数、解約ルール、初回解約のペナルティ、比較価格の実体、文字のデザイン・配置・強調、LPから確認画面までの全体の表示構成などに応じて総合的に判断されるため、必要に応じて最新の公的発表や法的専門家へのご相談を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

定期購入LPで「初回500円」「初回無料」を表示する際の特商法上の注意点を解説した図。左側に「『初回500円』『初回無料』はどう表示する?」という見出しと「定期購入LPの価格表示と申込導線の注意点」を配置。右側には定期コースの商品ページを模した画面があり、「初回価格」「2回目以降の価格」「送料・支払総額」「解約条件」の4項目を確認する構成になっている。さらに定期購入では、2回目以降価格、支払総額、各回の発送、解約期限・方法を追加確認することを示している。下部では、ファーストビュー、CTA、カート、最終確認画面までの申込導線を図解し、「価格と条件を一つの申込導線で確認」「初回価格だけで契約全体を判断させない」と注意喚起している。

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