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満足度98%は景品表示法上使える?アンケート調査・回答者条件・表示範囲の注意点

景品表示法とアンケート表示の適正化を解説する図解。「その『満足度98%』、何の98%?」という問いかけを中心に、広告表示の根拠として確認すべき3つのポイント「誰に聞いたか(調査対象・条件)」「何を聞いたか(質問内容・コピーの照合)」「どう集計したか(分母・分子・合算条件)」が記載されている。下部には「質問票・集計表・広告表示を3点セットで確認」という重要な確認事項が記されている。「薬機法ライティング®」のロゴ入り。 一部を表示

「利用者満足度98%」「98%の人が実感」「購入者の97%がおすすめ」などの表示は、LPやバナーでよく使われています。

これらの表示を確認するうえで重要なのは「98%」という数字そのものではなく、その数字をどのような調査で導き出し、広告でどのように表現しているかです。

アンケートで98%という結果が出たからといって、そのまま「満足度98%」と表示できるとは限りません。一方で、「満足度98%」という表示自体が景品表示法で禁止されているわけでもありません。

調査対象者が適切に選ばれ、アンケートが公平に行われ、質問内容や集計結果と広告で伝える内容がきちんと対応していれば、こうした表示を使用することは可能です。

消費者庁は、「医師の○%が推奨」「○%が高評価」といった表示を「高評価%表示」と整理し、合理的な根拠がなく、事実と異なる表示は景品表示法上問題となるおそれがあると示しています。

つまり確認すべきなのは、「98%という数字があるか」ではなく、「その98%を広告でうたえるだけの根拠があるか」です。

この記事では、「満足度98%」などの表示を広告へ掲載する前に、制作会社や広告審査担当者が確認しておくべきポイントを具体的に整理します。

目次

「満足度98%」は使える。ただし数字だけ合っていても足りない

結論からいうと、「満足度98%」という表示は使えます。ただし、アンケートで実際に98%という結果が出ているだけでは不十分です。

重要なのは、その98%が適切な方法で行われた調査によって得られた数字であり、広告で伝える内容と一致していることです。

消費者庁のQ&Aでは、高評価%表示の根拠となる調査について、少なくとも次の3点が必要とされています。

  • 誰に聞いたか:調査対象者が適切に選ばれている
  • どう聞いたか:調査が公平な方法で実施されている
  • 何を表示するか:質問・回答の内容と広告表示が適切に対応している

たとえば、実際の利用者ではない人を調査対象に含めたり、特定の回答へ誘導するような質問をしたり、都合のよい回答だけを集計したりして「98%」を作っている場合、その数字を広告の根拠とすることはできません。

また、アンケートでは「おおむね満足しているか」を聞いただけなのに、広告では「98%が効果を実感」と表示するなど、調査で確認した内容よりも広告表現を強くすることにも注意が必要です。

つまり、「満足度98%」を表示するときは、「誰に、何を、どう聞いた結果、98%になったのか。そして、その結果を広告で正しく表現しているか」を確認します。

景品表示法については「景品表示法とは?」で詳しくまとめています。また、比較対象や回答者、調査方法まで含めた判断については、「No.1表示で確認すべき調査条件・比較対象・根拠資料」もあわせて確認してください。 

事例1:購入していない人を含む調査で「購入者満足度98%」はNG

健康食品『グリーンライフ・プレミアム』の広告例。大きく『購入者満足度98%』と記載されているが、アンケート結果欄には、調査対象が『実際に商品を購入・利用した人』ではなく『商品画像と説明文を見た一般モニター500人』であることが記されており、購入者満足度の根拠として不適切なNG事例。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、健康食品の広告で、

「購入者満足度98%」

と表示していたとします。

ところが調査対象は、商品画像と説明文を見せられただけの一般モニター500人。「この商品に魅力を感じますか?」という質問に「とても感じる」「やや感じる」と回答した人を合算したところ98%だった場合、

この調査を根拠に「購入者満足度98%」とは表示できません。

購入していない人は「購入者」ではありません。また、商品説明を見て「魅力を感じる」ことと、実際に商品を利用して「満足した」ことも別です。

消費者庁は、満足度No.1表示について、商品・サービスの利用経験を確認せずアンケートを行うことは問題となる調査として挙げています。

これは高評価%表示でも同じで、表示内容に応じた対象者を選ぶという考え方は共通しています。

修正する場合、購入者満足度ではなく「注目度98%」などへコピーを変えるだけでは対応ができているとはいえません。本当に「購入者満足度」を訴求したいなら、実際の購入・利用者を対象に、その満足度を適切な質問で調査し直す必要があります。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
制作時にまず確認したいのは、「98%という数字があります」という報告ではなく、98%は何に対する数字なのかです。
調査報告書を見ると、広告で使いたいコピーと実際の質問が違うことがあります。「満足した」と聞いたのか、「興味を持った」と聞いたのか。「継続したい」のか、「おすすめしたい」のか。この違いを曖昧にしたままコピーを作ると、後から大きな修正が発生します。企画段階で質問票まで確認した方が手戻りを減らせます。

事例2:「満足・やや満足」を合算して98%なら表示方法まで確認する

保湿クリーム「Lumelle Beaute(ルネル ボーテ)」の広告NG事例。「使用者アンケートで高評価 満足度98%」と大きく訴求しているが、アンケート結果の円グラフでは「非常に満足」「満足」「やや満足」を合算して98%としており、満足度の程度が異なる回答を一括合算して強く「満足度98%」と訴求している点が、消費者の誤認を招く恐れがあるとしてNGとされている例。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば、保湿クリームを実際に使用した100人へ、

「この商品の使用感について、どの程度満足していますか」

と質問し、

  • 「非常に満足」40人
  • 「満足」30人
  • 「やや満足」28人
  • 「不満」2人

という結果だったケースです。

「非常に満足」「満足」「やや満足」の上位3回答を合計すれば98%になります。

では、この結果を根拠に、大きく「満足度98%」と表示できるでしょうか。

ここで注意したいのが、98%という数字の見せ方です。 

「やや満足」を含めて98%と集計すること自体が、直ちに問題になるわけではありませんが「満足度98%」という表示から受ける印象と、実際の回答内容や集計方法がズレていないかは確認が必要です。 

集計条件を示さずに『満足度98%』だけを強調すると、実際の調査結果とは異なる印象を与える可能性があります。 

そのため、このような集計結果を表示するのであれば、「『非常に満足』『満足』『やや満足』と回答した人の合計」など、98%がどの回答を合算して算出された数字なのかが分かるようにすることが重要です。 

ただし、注釈を書けば必ず問題が解消されるわけではありません。

大きく表示された「満足度98%」から受ける印象と、注釈を読んで初めて分かる調査の実態が大きく異なる場合には、広告全体として一般消費者の誤認を防げない可能性があります。

また、この事例で聞いているのは、あくまで「保湿クリームの使用感についての満足度」です。

このアンケート結果を根拠に、

「98%が保湿効果を実感」
「98%が乾燥肌の改善を実感」

など、調査で確認していない商品の効果まで表示できるわけではありません。

景品表示法上、アンケート結果を広告に使用するときは、数字が実際の集計結果と合っているかだけではなく、誰に、何を、どのように質問した結果なのか、そして調査で確認できた内容と実際の広告表示が適切に対応しているかまで確認する必要があります。

化粧品に絞った注意点は「化粧品広告におけるNo.1・満足度表示の判断方法」で詳しくまとめています。 

事例3:「98%が効果を実感」は満足度調査とは別問題

化粧品「ルクセラ ブライトエッセンス」の広告NG事例。広告内で「肌のシミが消えたと実感した人98%」というアンケート結果を大々的に訴求しているが、たとえアンケートの実測値であっても化粧品の効能範囲を超える効果(シミが消える等)を謳うことは薬機法上認められていないため、不適切な広告表示として解説されている画像。
※自社で作成したイメージ画像です

化粧品や健康食品でよくあるのが、

「使用者の98%が効果を実感」

という表示です。

ここは「満足度98%」と同じ感覚で処理してはいけません。

たとえば一般化粧品について、使用者アンケートで「肌のシミが消えたと実感した人98%」という結果が出たとしても、そのアンケート結果を理由に、一般化粧品で認められていない効能まで広告できるわけではありません。

アンケートは薬機法上の効能効果の範囲を広げる資料ではないからです。

健康食品でも同じです。「血圧が下がったと実感98%」「脂肪が燃えたと実感97%」など、アンケート形式にすれば医薬品的な作用を自由に広告できるわけではありません。

つまり、まず商品区分上、その内容自体を広告できるのかを確認します。そのうえで景品表示法上、98%という数字を裏付ける調査があるかを確認する。この順序です。

健康食品で表現できる範囲や薬機法・健康増進法との関係は、健康食品広告のルールと商材別の判断基準もあわせて確認してください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
アンケート広告で特に危ないのは、「お客様がそう答えたのだから事実です」という整理です。
広告では、回答者の発言を掲載しているだけでも、その内容を広告主が選び、強調して見せれば広告全体の訴求になります。数字も同じです。
薬機法や景品表示法では、アンケートという形式ではなく、その広告を見た人に何を伝えているかを見ます。強い数字を入れるほど、その数字が何を意味しているのかまで確認する必要があります。

「回答者100人中98人」でも母数と対象者を確認する

「98%」という割合を見るときは、回答者数も確認します。

たとえば調査依頼を1万人へ送り、回答した100人のうち98人が満足と答えた場合、広告でいう「98%」はあくまで回答者100人中98人の結果です。

「利用者全体の98%が満足」と受け取られる表示にすれば、調査で確認した範囲を超えます。

さらに、調査対象者を恣意的に絞り込んでいないかも確認します。

リピーターだけを対象に調査したのに「購入者満足度98%」と広く表示する。高評価をした人だけに追加アンケートを送り、その結果を「利用者の98%」として出す。このような方法では、広告表示と調査対象者が対応しません。

消費者庁も、高評価%表示の合理的な根拠には調査対象者の適切な選定と公平な調査方法が必要としています。

実務では質問票・集計表・広告表示を3点セットで確認する

広告審査では「アンケート結果98%」という内容をまとめた資料だけで判断しないほうが安全です。

確認したいのは、調査対象者の条件、対象者数・回答者数、実施時期、質問文、回答選択肢、集計方法、98%の分子と分母です。

そのうえで、

「誰の98%なのか」
「何について98%なのか」
「どの回答を合算した98%なのか」

を広告から消費者が誤解なく読み取れるか確認します。

第三者の調査会社へ依頼していても、景品表示法上の責任が広告主からなくなるわけではありません。消費者庁も「他社も利用している調査会社だから」「調査会社が適法と言ったから」という理由だけで判断せず、広告主自身が調査内容と表示内容の対応を確認するよう示しています。

なお、アンケート由来の数字は、コピーだけでなく、ファーストビュー、画像、口コミ、注釈などLP全体でどのような印象を与えるかまで確認します。「LPでNo.1・口コミ・価格・限定表示を確認する方法」もあわせて確認ください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
実務では、LPが完成してから「この98%のエビデンスを確認してください」と資料が回ってくることがあります。
この順序だと、調査結果とコピーが合っていなかったときに、ファーストビューやLPのストーリーごと作り直す可能性が高くなります。提供資料でも、法規対応を制作後に行うことで大きな手戻りにつながります。
数字訴求を使う予定なら、制作前に調査資料を確認する。これは審査対応というより、プロジェクト管理の話でもあります。

まとめ

「満足度98%」は景品表示法上、一律に使えない表現ではありません。

適切な回答者を対象に、公平な方法で調査し、質問内容・集計結果と「98%」という広告表示が対応していれば使えます。

一方、商品を使っていない人を「利用者」とする、質問した内容とは違う満足度を表示する、都合のよい回答区分だけを合算する、限定された回答者の結果を利用者全体の結果のように見せる、といった表示はNGです。

また、「効果を実感98%」のように具体的な効能効果まで訴求する場合は、アンケートの信頼性だけを見てはいけません。健康食品や化粧品なら、まずその効果自体を商品区分上広告できるかを確認する必要があります。

制作現場では、質問票、集計表、実際の広告表示を3点セットで照合する。これが「98%という数字は本当に広告で使えるのか」を判断する基本です。

景品表示法上の優良誤認・有利誤認の考え方については、優良誤認・有利誤認とは?景品表示法の不当表示を広告実務者向けに解説もあわせて確認してください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の法令、消費者庁・厚生労働省等の公的資料を参考に、「満足度98%」「○%が実感」「○%がおすすめ」等の高評価%表示について、調査対象者、質問内容、集計方法、表示範囲、合理的根拠および化粧品・健康食品における効能効果表示との関係を整理しています。
個別の表示の適否は、調査対象者、回答者数、質問文、回答選択肢、集計方法、調査時期、広告表示との対応関係、商品区分、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて最新の公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

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