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医薬部外品の有効成分とは?効能効果・濃度・広告表現の注意点を解説

医薬部外品の有効成分と広告表現の関係を示した図解。左側に「医薬部外品の有効成分とは?」の見出しと「広告表現は、成分名ではなく承認効能から設計」の説明を配置。右側では「承認効能」を中心に、「有効成分」「美容成分」「濃度・配合量」を照合する構造を示し、下部に「承認効能を起点に確認」「成分の役割を分ける」「濃度表現は根拠を確認」の3つの要点を掲載している。

医薬部外品の広告では、「有効成分配合」「薬用有効成分○○」「高濃度配合」といった成分訴求がよく使われます。制作現場でも、クライアントから「この有効成分が入っているので、もっと効能を強く言えませんか」と相談されることは少なくありません。

結論からいうと、医薬部外品の有効成分は、承認された効能効果に関わる重要な成分です。しかし、有効成分が入っているからといって、広告で効能効果を自由に表現できるわけではありません。

広告制作では、販売名、承認効能、有効成分、配合量、用法用量、パッケージ表示、広告全体の印象を確認したうえで、成分単体の説明と商品全体の効能効果を分けて考えます。

特に薬用化粧品では、有効成分とその他の成分(保湿成分や整肌成分など)を同じように並べると、効能効果について誤認させたり、効果を保証しているような印象を与えたりすることがあります。この記事では、制作会社・広告代理店・メーカー担当者向けに、医薬部外品の有効成分の考え方、効能効果との関係、濃度表現、薬用化粧品広告での注意点を整理します。

この記事の要点(まとめ)
  • 有効成分は承認効能に関わる成分:医薬部外品の有効成分は、商品に承認された効能効果に関係する成分です。ただし、有効成分名だけを根拠に、広告で効能効果を自由に広げられるわけではありません。
  • 広告表現の起点は成分名ではなく承認効能:広告では「この成分が何に効くか」ではなく、「この商品は何の承認を得ているか」から逆算します。成分単体の研究結果や一般論を、商品全体の効能として見せない設計が必要です。
  • 濃度・高濃度・その他の成分との並べ方に注意:濃度や配合量を強調すると、効果保証や優良誤認の印象につながることがあります。薬用化粧品では、有効成分とその他の成分の役割を分け、広告全体の印象を確認することが大切です。
目次

医薬部外品の有効成分とは

医薬部外品の有効成分と広告表現の関係を示した図解。承認効能効果から有効成分を確認し、承認範囲との整合性を確認したうえで広告表現を検討する流れを示している。下段では、有効成分、その他の成分、美容・保湿成分、添加物の役割と広告上の注意点を比較している。

医薬部外品の有効成分とは、その商品に承認された効能効果に関わる成分のことです。ただし、有効成分が配合されていることと、広告で効能効果を自由に表現できることは別です。

医薬部外品は、一般化粧品やいわゆる健康食品とは異なり、原則として品目ごとの承認内容が広告表現の前提になります。医薬部外品の製造販売には原則として品目ごとの承認が必要であり、一部の品目では、告示の範囲内に該当する場合、承認権限が都道府県知事に委任されています。

告示の範囲外など、厚生労働大臣の承認が必要な品目については、PMDAが審査を行います。

有効成分は効能効果に関わる成分

有効成分は、医薬部外品として承認された効能効果に関係する成分です。薬用化粧品では、肌荒れやニキビを防ぐ効能のほか、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」といった効能を承認された製品があります。また、個別に「シワを改善する」効能を承認された製品もあります。広告では、このような例をそのまま一般化して当てはめるのではなく、対象商品の実際の承認効能効果を確認することが必要です。

ここで大事なのは、「有効成分が入っているから何でも言える」のではなく、「その商品として、どの効能効果が承認されているか」を確認することです。

広告制作の現場では、つい成分名からコピーを作りたくなります。

たとえば、

  • 有効成分○○がシミに効く
  • 有効成分○○でニキビを改善
  • 有効成分○○が肌の奥まで届いて変える

といった表現です。

しかし、商品として承認された効能効果の範囲を超えて見える場合は、薬機法上の問題につながる可能性があります。医薬品等適正広告基準の解説では、承認等を要する医薬品等の効能効果等について、明示・暗示を問わず、承認等を受けた効能効果等の範囲を超えてはならないとされています。

美白・ニキビ・育毛・デオドラントなどの効能表現は、「医薬部外品の効能効果と広告表現」で詳しくまとめています。 

その他の成分との違い

医薬部外品の広告では、有効成分、その他の成分、添加物を分けて考える必要があります。

成分の種類役割広告制作での注意点
有効成分承認効能効果に関わる成分承認効能とセットで確認する
その他の成分製剤設計、使用感、安定性などに関わる成分効能効果の根拠のように見せない
保湿や整肌成分保湿、整肌、使用感などの訴求に使われやすい成分医薬部外品の効能効果と混同しない
添加物香料、防腐、基剤など効果の根拠のように強調しない

たとえば、LP上で「美白有効成分○○」「保湿成分△△」「整肌成分□□」を横並びにすると、読者にはすべてが同じ効能効果に関係する成分のように見えることがあります。実際には、有効成分とその他の成分では広告上の意味が異なります。

そのため、制作時には「どの成分が承認効能に関わるのか」「どの成分は使用感や保湿の訴求なのか」を整理したうえで、見出し、表、画像、注釈を設計することが必要です。

有効成分だけで広告表現を判断しない

有効成分名は、広告表現を考えるうえで重要な情報です。しかし、判断材料の一つにすぎません。

確認すべきなのは、少なくとも次の項目です。

確認項目確認する理由
販売名承認品目と広告対象商品を取り違えないため
承認効能効果広告で表現できる範囲の起点になるため
有効成分・分量成分訴求や濃度訴求の根拠を確認するため
用法用量使用方法と異なる印象を与えないため
パッケージ・外箱Web広告と表示内容の整合性を確認するため
根拠資料景品表示法上の優良誤認リスクも見るため
広告全体の印象文言単体ではなく、画像・比較表・口コミも含めて判断するため

有効成分は、広告の説得力を高める材料になります。ただし、広告表現の起点はあくまで商品ごとの承認効能です。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
医薬部外品広告で有効成分を訴求する際に大切なのは、「この成分が入っているから何を言えるか」ではなく、「この商品として何が承認されているか」から考えることです。有効成分は広告上の説得力を高める重要な要素ですが、成分名だけを主語にして効能効果を語ると、承認範囲を超えた印象になりやすくなります。特に薬用化粧品では、有効成分とその他の成分が同じページに並ぶことが多いため、どの成分が承認効能に関わり、どの成分が保湿や使用感に関わるかを明確に分ける必要があります。

有効成分と効能効果の関係

医薬部外品の効能効果を広告で表現する際は、商品ごとの承認効能が出発点です。なお、薬用化粧品では、一定の条件のもとで化粧品的な効能表現を併用できる場合があるため、承認内容と該当ガイドラインを併せて確認します。

同じ有効成分を配合していても、商品設計や承認内容によって表現できる範囲は変わります。

広告表現の起点は成分名ではなく承認効能

広告制作でよくある誤解が、「この有効成分にはこういう作用があるから、広告でもそのまま言えるはず」という考え方です。

しかし、医薬部外品広告では、まず商品として承認された効能効果を確認します。成分の一般的な説明、論文、試験結果があったとしても、商品広告に使えるとは限りません。

たとえば、ある有効成分について「メラニン生成を抑制する」という資料があったとしても、広告上は商品として承認された範囲に合わせる必要があります。「シミに効く」「シミを消す」「肌が白くなる」などの表現は、承認効能を超える可能性があります。

化粧品等の適正広告ガイドラインの解説では、医薬部外品で「○○を防ぐ」という効能効果の承認を受けている場合に、単に「○○に」と省略する表現は、原則として避ける必要があるとされています。承認された効能効果が明瞭に別記されている場合は例外的に扱われる余地がありますが、広告全体で誤解を与えない設計が前提です。

成分名を起点にコピーを作る際の具体的な判断は、「有効成分が入っていれば効能を強く言える?医薬部外品広告で成分名からコピーを作るときの注意点」で詳しく解説しています。 

成分エビデンスと商品効能効果は分ける

成分に関する研究結果は、広告制作で非常に使いたくなる素材です。グラフ、論文、試験データがあると、LPの説得力が上がるように見えます。

ただし、成分単体の研究結果と、商品効能効果は分けて考えます。

確認すべきポイントは次のとおりです。

確認項目実務上の見方
試験対象成分単体か、最終製品か
濃度・配合量実際の商品と一致しているか
使用条件使用量、使用回数、使用期間が商品設計と合うか
評価項目広告で表現したい効能と対応しているか
対象者試験対象者と一般消費者への訴求にずれがないか
表現範囲承認効能を超えないか

厚生労働省の医薬品等適正広告基準の解説でも、個々の成分の効能効果の説明や作用機序の説明は、医学・薬学上認められており、かつ承認等されている効能効果等の範囲を超えない場合に限り差し支えないとされています。

つまり、成分エビデンスは使い方次第です。使える可能性がある一方で、商品効能に広げすぎるとリスクになります。

同じ有効成分でも広告表現は商品ごとに変わる

同じ有効成分が配合されていても、広告表現が同じになるとは限りません。

理由は、商品ごとに承認効能、濃度、剤形、用法用量、他の成分との組み合わせが異なるためです。医薬部外品は、成分名だけでなく、商品全体として審査・承認されるものとして考える必要があります。

制作会社や広告代理店がクライアントから「他社がこの成分でこう言っているので、当社も言えますよね」と言われた場合も、すぐに流用しないことが大切です。他社商品の広告表現ではなく、自社商品の承認内容と根拠資料を確認する必要があります。

薬用化粧品の有効成分とは

薬用化粧品広告における4種類の訴求を比較した図解。有効成分訴求は「承認効能とセット」「表現可能範囲を確認」、美容成分訴求は「保湿・整肌などを説明」「薬用効果と混同しない」、使用感訴求は「しっとり・さらっと」「効能保証に見せない」、イメージ訴求は「透明感・明るい印象」「治療表現に近づけない」と整理し、どの成分がどの効能に関係するかを明確にする重要性を示している。

薬用化粧品の有効成分とは、薬用化粧品として承認された効能効果に関わる成分です。一般化粧品の整肌成分や保湿成分とは役割が異なるため、広告では両者を分けて説明する必要があります。

薬用化粧品は医薬部外品として確認する

薬用化粧品は、一般化粧品ではなく医薬部外品に該当します。厚生労働省の通知でも、いわゆる薬用化粧品は医薬部外品に該当し、製造販売には原則として品目ごとの承認が必要です。

薬用化粧品では、承認効能とは別に、条件付きで化粧品的な効能表現を併用できる場合があります。

日本化粧品工業会は、化粧品等の適正広告ガイドラインを、広告表現として規制・遵守されるべき事項が明確になるよう配慮した自主基準として掲載しています。実務では、薬機法や医薬品等適正広告基準に加え、このような業界資料も確認対象になります。

一般化粧品との違いから整理したい場合は、「化粧品と医薬部外品の違いとは?」もご覧ください。 

有効成分とその他の成分の違い

薬用化粧品のLPでは、次のような構成がよくあります。

訴求注意点
有効成分訴求美白有効成分○○、肌荒れ防止有効成分○○承認効能とセットで表現する
その他の成分訴求保湿成分△△、整肌成分□□有効成分の効能と混同させない
使用感訴求しっとり、さらっと、べたつきにくい効能効果の保証に見せない
イメージ訴求透明感、ハリ感、明るい印象承認効能を超える改善効果と誤認させない 

たとえば、「美白有効成分○○と保湿成分△△がシミにアプローチ」と書くと、有効成分以外の成分も、シミを防ぐ効能に関係しているように見える可能性があります。

より慎重に表現を設計する場合は、次のように役割を分けます。

リスクが高くなりやすい表現調整例
有効成分○○と美容成分△△がシミにアプローチ有効成分○○配合。メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぎます。△△は保湿成分です。
ニキビ有効成分と整肌成分でニキビを改善有効成分○○配合。ニキビを防ぎます。整肌成分△△が肌をすこやかに整えます。
美容成分も薬用効果をサポートその他の成分の役割は保湿・整肌など、確認できる範囲で説明する

ポイントは、読者が「どの成分が、どの効能に関係しているのか」を誤解しないようにすることです。

美白・ニキビ・肌荒れ防止の有効成分訴求

薬用化粧品では、美白、ニキビ予防、肌荒れ防止などの訴求がよく使われます。

ただし、これらの効能は薬用化粧品であれば一律に表現できるものではなく、各製品が承認を受けた効能効果の範囲内で表現する必要があります。 

領域注意したい表現実務上の考え方
美白シミが消える、肌が白くなる承認効能に合わせ、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」等の範囲で確認
ニキビニキビを治す、炎症を治療「ニキビを防ぐ」等、承認効能に合わせる
肌荒れ防止肌荒れを治す、荒れた肌を修復承認効能に基づき、「肌荒れを防ぐ」などの表現を検討
「肌をすこやかに保つ」などの化粧品的な表現を併用する場合は、使用条件やガイドラインも確認。
シワ改善シワが消える、若返る「シワを改善する」効能について個別に承認された製品であることを確認し、その承認範囲と広告全体の印象を確認する 

薬用化粧品では、一般化粧品より表現できる効能がある一方で、医薬品的な治療・改善表現に近づきやすい領域でもあります。だからこそ、有効成分名だけでコピーを作らず、承認効能と照合することが必要です。

医薬部外品の有効成分濃度・配合量を広告で表現する際の注意点

医薬部外品の有効成分濃度や配合量を広告で表現する場合は、承認内容、表示内容、根拠資料、広告全体の印象を確認する必要があります。「高濃度」「最大濃度」「限界濃度」などの表現が直ちに禁止されるわけではありませんが、濃度の高さを効能効果の強さと結び付けると、承認効能を超える効果や効果保証を印象付けるおそれがあります。また、「最大」「最高」などの比較・優位性を示す場合は、景品表示法上、その表示内容に対応した客観的な根拠の確認も必要です。 

濃度・配合量は承認内容と根拠資料で確認する

有効成分の濃度や配合量は、商品設計に関わる重要な情報です。しかし、広告でそのまま強調してよいかは別問題です。

厚生労働省の薬用化粧品中の有効成分リストは、薬用化粧品の種類ごとに、有効成分の規格及び分量の前例を示すものとされています。また、効能効果、用法用量、剤形等が既承認品目と同一性を有し、有効成分リストの範囲内である場合には、承認申請時に原則として当該有効成分の有効性・安全性資料の提出を求めない扱いが示されています。

ただし、これは承認申請上の取り扱いに関する資料です。広告で「この濃度だから効果が高い」「承認上限だから効く」と訴求するための根拠ではありません。

「高濃度」「最大濃度」は根拠が必要

「高濃度配合」「最大濃度配合」「限界濃度」「承認上限濃度」などの表現は、消費者に強い印象を与えます。

特に注意したいのは、次のような見え方です。

表現想定されるリスク
高濃度だから効く効果保証、優良誤認の印象
最大濃度配合何を基準に最大なのか不明確
承認上限まで配合承認制度の説明と広告訴求が混同される
限界濃度で強力ケア安全性・効果の保証に見える可能性
業界最高濃度比較対象、調査範囲、根拠資料が必要

景品表示法の優良誤認表示は、商品・サービスの品質、規格その他の内容について、実際のものより著しく優良であると示す表示などを禁止しています。 そのため、濃度表現は薬機法だけでなく、景品表示法の観点でも確認が必要です。

優良誤認・有利誤認の基本は「優良誤認・有利誤認とは?」、化粧品分野の具体例は「化粧品広告でNo.1・満足度表示は使える?」 もご確認ください。 

濃度訴求は効果保証に見えやすい

濃度を出すこと自体が直ちに問題になるとは限りません。問題は、濃度の見せ方によって「濃いから効く」「濃いから安全」「濃いから他社より優れている」という印象を与えることです。

たとえば、

  • 有効成分○○を高濃度配合。だからシミに効く
  • 最大濃度だから、ニキビに悩む方に最適
  • 承認上限まで配合した本気の薬用ケア

といった表現は、当該商品の承認された効能効果を超える期待や、承認された効能効果についても効果が確実であるかのような保証的な印象につながる可能性があります。 

調整するなら、

有効成分○○配合。メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぎます。

のように、効能効果の範囲と根拠の見せ方を整理します。配合量に関する表現は、根拠資料を確認し、社内の薬事・法務担当者による確認を経たうえで掲載します。

詳しくは、「医薬部外品広告で『高濃度』『最大濃度』は使える?有効成分訴求と景品表示法の注意点」でもまとめています。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
「高濃度」「最大濃度」という表現は、広告では非常に使いやすい言葉です。ただ、濃度が高いことと、効果が高いことは同じではありません。制作現場では、濃度表現を入れた瞬間に、消費者が「より効く」「他社より優れている」と受け取る可能性まで見ておく必要があります。
医薬部外品の場合、承認内容との整合性に加えて、景品表示法上の合理的根拠も確認します。単に成分表や承認資料に数値があるだけでなく、その広告表現が何を約束しているように見えるかまで確認することが実務上のポイントです。

医薬部外品の成分訴求で注意すべき広告表現

医薬部外品の成分訴求では、「有効成分が効く」「高濃度だから効果が高い」「医師も認めた成分」などの表現に注意が必要です。有効成分の説明であっても、商品として承認された効能効果を超える印象や、効果保証、優良誤認につながる場合があります。

「有効成分が効く」は慎重に扱う

「有効成分○○が効く」という表現は、制作現場では使いやすいコピーです。しかし、薬用化粧品や医薬部外品では、効能効果の表現が強く見えやすくなります。

特に注意したいのは、成分を主語にして、悩みの解決を直接約束する表現です。

注意したい表現調整例
有効成分○○がシミに効く有効成分○○配合。メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぎます
有効成分○○でニキビを改善有効成分○○配合。ニキビを防ぎます
有効成分○○が臭いを消す承認効能に合わせて、防臭・制汗等の範囲で確認
有効成分○○で毛が生える育毛剤等の承認効能と表現範囲を個別確認

医薬部外品では、承認効能に合わせた表現に整えることが基本です。

医師推薦・専門家コメントとの組み合わせに注意する

有効成分訴求に、医師や専門家の推薦を組み合わせると、効能効果が保証されているように見える場合があります。

薬機法第66条では、医薬品・医薬部外品・化粧品等の効能、効果又は性能について、医師その他の者が保証したものと誤解されるおそれがある記事も、虚偽・誇大広告に該当するものとされています。

たとえば、

  • 皮膚科医も認めた美白有効成分
  • 医師がすすめるニキビ有効成分
  • 専門家が効果を認めた薬用成分

といった表現は、商品効能の保証に見える可能性があります。

画像・比較表・口コミも成分訴求の一部として見る

広告審査では、文言だけでなく、画像、グラフ、比較表、口コミ、注釈、ファーストビュー全体の印象も確認します。

たとえば、本文に「ニキビを防ぐ」と書いていても、画像で赤く腫れたニキビが消えていくように見せると、治療・改善の印象が強くなることがあります。口コミで「長年の肌荒れが治りました」と掲載すれば、商品効能の保証に見える可能性もあります。

広告表現は、単語のOK/NGだけで判断しません。広告全体が何を約束しているように見えるかを確認することが重要です。

医薬部外品広告に口コミを使う場合の判断は「医薬部外品広告で口コミ・体験談は使える?」で詳しくまとめています。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
成分に関する論文や試験データがあると、広告ではそのまま商品の効果として使いたくなります。しかし、実務上は「成分単体で示されたデータ」と「その商品を使ったときに表示できる効能効果」は別に考える必要があります。
試験で使われた濃度、使用条件、対象者、評価方法が実際の商品と異なる場合、商品効能として表現すると誤認につながる可能性があります。医薬部外品広告では、成分エビデンスを確認したうえで、最終的には商品として承認された効能効果の範囲に収めることが重要です。

制作会社が確認すべき資料と進め方

医薬部外品の有効成分訴求は、制作開始前に資料を確認しておくほど、後工程の修正を減らしやすくなります。初稿を書いてから薬事確認をするのではなく、承認効能と成分資料から逆算して訴求軸を設計することが実務上のポイントです。

確認すべき資料

資料確認する内容
承認書・承認効能資料商品として表現できる効能効果
有効成分・分量の資料成分訴求、濃度訴求の根拠
パッケージ・外箱Web広告との整合性
商品説明資料成分の役割、作用機序、使用方法
試験データ・論文広告表現との対応関係
医薬品等適正広告基準効能効果、保証表現、誇大表現の確認
化粧品等の適正広告ガイドライン薬用化粧品広告の実務確認
景品表示法関連資料高濃度、No.1、比較、優良誤認の確認

実務フロー

有効成分訴求を作るときは、次の順番で進めると整理しやすくなります。

  1. 商品カテゴリを確認する
    医薬品、医薬部外品(薬用化粧品を含む)、一般化粧品、健康食品を混同しない。
  2. 承認効能を確認する
    広告で表現できる範囲の起点を確認する。
  3. 有効成分とその他の成分を分ける
    有効成分、整肌成分、保湿成分、添加物を整理する。
  4. 成分訴求の役割を決める
    効能効果の説明なのか、使用感・保湿・整肌の説明なのかを分ける。
  5. 濃度・配合量の根拠を確認する
    高濃度、最大濃度、承認上限などの表現は根拠と見せ方を確認する。
  6. 広告全体の印象を確認する
    文言、画像、口コミ、グラフ、注釈、比較表をまとめて確認する。
  7. 薬事・法務・専門家確認に回す
    迷う表現は早い段階で確認し、LP完成後の大幅修正を避ける。

よくあるご相談(FAQ)

医薬部外品の有効成分とは何ですか?

医薬部外品の有効成分とは、その商品に承認された効能効果に関わる成分のことです。ただし、有効成分が配合されているからといって、広告で効能効果を自由に強く表現できるわけではありません。制作会社は、有効成分名だけで判断せず、販売名、承認効能、有効成分の分量、用法用量、パッケージ表示を確認したうえで表現を設計する必要があります。

医薬部外品の有効成分と効能効果はどう関係しますか?

有効成分は効能効果に関係する重要な要素ですが、広告表現の起点は有効成分名ではなく、商品ごとに承認された効能効果です。同じ有効成分を配合していても、商品設計、濃度、承認内容によって表現できる範囲は変わります。成分単体の一般的な作用や研究結果を、商品全体の効能として広告に使用する場合は、慎重に確認する必要があります。

薬用化粧品の有効成分とは何ですか?

薬用化粧品の有効成分とは、薬用化粧品として承認された効能効果に関わる成分です。一般化粧品の保湿成分、整肌成分とは役割が異なります。広告では「有効成分」とその他の成分を同じ効能の根拠のように並べず、どの成分が承認効能に関係し、どの成分が保湿や使用感の訴求なのかを分けて説明することが大切です。

医薬部外品の有効成分濃度は広告で表示できますか?

濃度や配合量を広告に表示できる場合もありますが、承認内容、表示ルール、根拠資料、広告全体の印象を確認する必要があります。「高濃度」「最大濃度」「承認上限」などの表現は、効果保証や他社比較の印象を与えやすいため注意が必要です。数値が事実であっても、見せ方によって薬機法や景品表示法上の確認が必要になります。

有効成分が入っていれば、効能効果を自由に広告できますか?

自由に広告できるわけではありません。医薬部外品広告で表現できる効能効果は、商品ごとの承認内容を起点に考えます。有効成分の一般的な作用、論文、他社商品の広告表現があっても、自社商品で同じように表現できるとは限りません。広告制作では、成分名ではなく、販売名・承認効能・配合量・用法用量・根拠資料を照合することが必要です。

有効成分とその他の成分の違いは何ですか?

有効成分は、医薬部外品として承認された効能効果に関係する成分です。一方、整肌成分や保湿成分は、保湿、整肌、使用感などの訴求に使われることが多い成分です。LPで両者を横並びにすると、読者にはすべてが効能効果の根拠のように見える場合があります。成分表や説明文では、役割を分けて記載することが望まれます。

医薬部外品広告で「有効成分が効く」と書けますか?

一律に禁止されているわけではありませんが、個々の有効成分の効能効果を説明する場合には条件があります。医薬品等適正広告基準の解説では、個々の成分の効能効果や作用機序について説明する場合、医学・薬学上認められており、かつ当該医薬部外品について承認された効能効果の範囲を超えないことが求められています。

そのため、「有効成分○○がシミに効く」といった抽象的で強い表現をそのまま使用するのではなく、対象商品の承認効能と成分の作用に関する根拠を確認し、広告全体として承認範囲を超える効能や効果保証を印象付けないように設計する必要があります。

成分の研究結果を、医薬部外品の商品効果として広告できますか?

成分単体の研究結果を、そのまま商品全体の効能効果として広告できるとは限りません。研究で使われた成分濃度、試験条件、被験者、使用方法が、実際の商品と一致しているかを確認する必要があります。また、医薬部外品では商品として承認された効能効果の範囲を超えないことが重要です。論文や試験資料を使う場合も、薬機法・景品表示法の両面で確認します。

まとめ

医薬部外品の有効成分は、商品に承認された効能効果に関わる重要な成分です。しかし、有効成分が入っていることと、広告で効能効果を自由に表現できることは別です。

広告制作では、成分名からコピーを作るのではなく、商品としての承認効能から逆算します。さらに、有効成分、その他の成分、添加物の役割を分け、濃度・配合量・研究データ・口コミ・画像・比較表まで含めて、広告全体が何を約束しているように見えるかを確認する必要があります。

特に薬用化粧品では、有効成分とその他の成分を同じ効能の根拠のように並べると、効能効果の誤認につながることがあります。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。
個別の広告表現の適否は、商材、媒体、表示内容、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

医薬部外品の有効成分と広告表現の関係を示した図解。左側に「医薬部外品の有効成分とは?」の見出しと「広告表現は、成分名ではなく承認効能から設計」の説明を配置。右側では「承認効能」を中心に、「有効成分」「美容成分」「濃度・配合量」を照合する構造を示し、下部に「承認効能を起点に確認」「成分の役割を分ける」「濃度表現は根拠を確認」の3つの要点を掲載している。

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