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医薬部外品はネット販売できる?EC・モール出品前に確認すべき薬機法と販売ルール

医薬部外品のネット販売について、出品前に確認すべき3つのポイントを示した図解。左側に「医薬部外品はネット販売できる?」という見出しと、「EC・モール出品前の3つの確認ポイント」の説明を配置。右側には「商品・流通」「広告表現」「モール規約」の3つのカードが並び、承認・表示・期限・包装、承認範囲との整合、保証的表現、出品禁止品、最新ルールの確認事項を整理している。下部に「販売条件と広告表現は分けて確認」とまとめ、右下に薬機法ライティングのロゴを配置している。

医薬部外品は、薬用化粧品、薬用歯みがき、育毛剤、指定医薬部外品など、通販やECモールで扱われることの多い商品区分です。国内で適法に市場出荷された医薬部外品は、原則としてネット販売できます。

ただし、医薬部外品は医薬品そのものではない一方で、薬機法上の規制対象であり、どの商品でも自由に販売・広告できるわけではありません。

ネット販売では、まず、日本国内で医薬部外品として適法に市場出荷された商品か、必要な表示事項に不足がないか、使用期限が表示されている場合は期限切れでないかを確認します。

あわせて、個人使用目的で輸入された製品を転売するものではないか、正規の製造工程を経ずに小分け・詰め替えされたものではないかを確認することも重要です。また、当該品目について必要な承認・届出等が行われ、適法な製造販売業者から市場出荷された商品であるかについても確認します。

各サービスでは、未承認品、個人使用目的で輸入された商品、正規の製造工程を経ていない小分け・詰め替え品、表示に不備がある商品、使用期限切れ商品などについて、それぞれ独自の出品禁止・制限ルールが設けられている場合があります。法令上の販売可否とは別に、出品するサービスの最新ルールも確認する必要があります。 

また、商品ページ、LP(ランディングページ)、広告バナーのほか、事業者が選択・編集・転載したレビューやランキング表示についても、内容や掲載方法、事業者の関与の程度などに応じて、薬機法上の広告や景品表示法上の表示に該当するかを個別に確認する必要があります。 

医薬部外品の広告では、その商品について承認された効能効果の範囲を超えないことが基本です。ただし、承認された効能効果の範囲内であれば、どのような表現でも使用できるわけではありません。承認にない治療効果を標ぼうする表現や、承認範囲を超える表現のほか、効能効果や安全性を保証するような表現などにも注意が必要です。 

この記事では、制作会社・EC担当者・広告審査の担当者さま向けに、医薬部外品の販売ルール、通販・ネット販売時の確認ポイント、Amazon・楽天・メルカリでの注意点、商品ページの薬機法チェック項目を整理します。

この記事の要点(まとめ)
  • 医薬部外品はネット販売できるが、自由に販売できるわけではない:医薬部外品は医薬品そのものではありませんが、薬機法上の規制対象です。販売前には、商品区分、当該品目に必要な承認・届出等、表示事項、使用期限、包装状態、流通経路などを確認する必要があります。 
  • 販売ルールと広告表現ルールは分けて確認する:正規に流通している商品であっても、商品ページ等の広告表現が自由になるわけではありません。その商品について承認された効能効果の範囲を超える表現や、効能効果・安全性を保証するような表現などは、薬機法や景品表示法上の問題となる可能性があります。 
  • Amazon・楽天・メルカリでは独自ルールも確認する:モールやフリマサービスでは、未承認品、個人使用目的で輸入された商品、正規の製造工程を経ていない小分け・詰め替え品、表示に不備がある商品、使用期限切れ商品などについて、独自の出品禁止・制限ルールが設けられている場合があります。法令上のルールとは区別して、出品前に各サービスの最新ルールを確認することが重要です。 
目次

医薬部外品は販売・ネット販売できるのか

医薬部外品製造販売業者によって国内で適法に市場出荷された医薬部外品は、原則としてネット販売が可能です。また、一般用医薬品の販売とは異なり、通常の医薬部外品の小売販売について、医薬品販売業の許可が必要となるものではありません。 

医薬部外品は一般用医薬品とは別の商品区分であるため、一般用医薬品のネット販売ルールをそのまま当てはめるものではありません。商品区分、当該品目に必要な承認・届出等、表示事項、使用期限、包装状態、流通経路などを確認したうえで、販売上の問題がないかを判断します。 通販やECでは、販売ルールだけでなく、商品ページの効能効果表現も薬機法・景品表示法の観点から確認する必要があります。

医薬部外品は医薬品そのものではない

医薬部外品は医薬品とは別の商品区分ですが、薬機法上の規制対象であり、第66条による虚偽・誇大広告の禁止も適用されます。

厚生労働省は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等の名称、製造方法、効能、効果、性能について、明示的・暗示的を問わず虚偽・誇大な広告を禁止する規制を示しています。

そのため、医薬部外品を扱うときは、「医薬品ではないから自由に売れる」「化粧品に近いから表現も自由にできる」と考えるのは危険です。商品が国内で適法に流通しているか、承認された効能効果の範囲に収まっているか、広告全体で過度な印象を与えていないかを確認する必要があります。

一般用医薬品のネット販売ルールと混同しない

実務でよくある誤解が、一般用医薬品のネット販売制度と医薬部外品の販売ルールを混同することです。

一般用医薬品には、薬局開設または店舗販売業の許可、リスク区分に応じた薬剤師・登録販売者の関与、販売サイト上の所定事項の表示など、医薬品としての販売制度が定められています。

厚生労働省は、各自治体から報告された一般用医薬品の販売サイト一覧を公表しています。一般用医薬品の現行の販売制度は、厚生労働省の最新ページでの確認が必要です。

一方、医薬部外品は一般用医薬品とは区分が異なります。したがって、医薬部外品を販売する際には、一般用医薬品の販売サイト一覧に載っているかどうかをそのまま基準にするのではなく、医薬部外品としての承認・表示・流通状態を確認します。

一般用医薬品の分類や広告ルールは「OTC医薬品広告で注意すべき薬機法ルール」をご覧ください。 

販売可否と広告表現は分けて確認する

ここで大事なのは、「販売できる商品か」と「その商品ページの表現が適切か」は別問題だということです。

たとえば、国内メーカーの正規流通品で、表示事項や使用期限にも問題がない医薬部外品であれば、販売自体のハードルは比較的低くなります。しかし、その商品ページで「皮膚病が治る」「必ず発毛する」「短期間で改善する」など、承認効能を超える治療・改善表現や、効果、速効性、持続性を保証するような表現をすれば、広告表現として問題になる可能性があるので注意しましょう。

また、商品ページだけでなく、LP、バナー広告、記事広告のほか、事業者が選択・編集・転載したSNS投稿、レビュー、比較表、ランキング等も広告全体の印象に影響します。単語単位で見るのではなく、「このページ全体は、消費者に何を約束しているように見えるか」を確認することが実務上の判断軸です。

具体的なチェック方法は、「医薬部外品ECページの薬機法チェック|商品名・画像・レビュー・ランキング表示の注意点」で詳しくまとめています。 

商品区分・表示・流通経路を確認する

医薬部外品のネット販売では、少なくとも次の項目を確認してから商品ページ制作や出品作業に進むべきです。

確認項目医薬部外品ネット販売で確認する内容
商品区分医薬部外品として適法に流通している商品か
承認・表示販売名、製造販売元、効能効果、用法用量などが確認できるか
流通経路製造販売業者によって適法に市場出荷された商品か、仕入れ元・流通経路を確認できるか、個人使用目的の輸入品ではないか
包装状態販売者による小分け、詰め替え、ラベル変更がなく、必要な表示と品質を確認できる状態か。未開封等のモール条件にも適合するか
使用期限表示対象商品が使用期限切れ、期限不明、期限表示欠落ではないか
商品ページ承認効能を超える広告表現がないか
モール規約Amazon・楽天・メルカリ等の独自ルールに適合するか

医薬部外品の販売確認は、単に「売ってよいか」では終わりません。販売可否、品質管理、表示、広告表現、モール規約を分けて整理することで、社内・依頼主への説明もしやすくなります。

医薬部外品の販売で問題になりやすい商品

「医薬部外品の販売で注意したい6つの商品状態」を整理した図解。未承認・無許可品、個人輸入・並行輸入品、小分け・詰め替え品、使用期限切れの商品、表示事項が不足した商品、外箱なし・開封済み品について、国内販売の根拠、許認可、日本語表示、期限、包装状態、モール規約などの確認ポイントを6枚のカードで示している。

医薬部外品のネット販売で特に注意すべきなのは、未承認・無承認無許可の商品、個人輸入品、小分け品、表示対象商品の使用期限切れ、表示事項が不足している商品です。正規に流通している医薬部外品であっても、包装状態や表示、使用期限、販売チャネルによっては、モール規約上出品できない場合があります。

無承認無許可の商品

医薬部外品として効能効果を標ぼうする商品であっても、日本国内で必要な承認や許可を得ていない場合は問題になります。特に、海外製の商品や、雑貨・化粧品のように見える商品でありながら、医薬部外品に該当する効能効果をうたっている商品は注意が必要です。

Amazonのセラー向け公開情報では、無承認無許可の医薬部外品・化粧品、日本国内で広告・販売等が許可されていない商品、小分けにされた商品、無許可輸入された商品などが出品禁止商品例として示されています。

つまり、「海外では販売されている」「他社も出品している」「パッケージがきれいに整っている」といった事情だけでは、国内で販売できる根拠にはなりません。出品前に、日本国内で医薬部外品として適法に流通している商品かを確認する必要があります。

個人輸入品・並行輸入品

海外から個人的に輸入した医薬部外品を、そのまま国内で販売する行為は特に注意が必要です。個人使用を前提とする輸入と、国内で販売する目的の輸入・流通は別に考えなければなりません。

メルカリでは、手作りの化粧品類や小分け品、海外から個人的に輸入した医薬部外品・化粧品類の販売等を、薬機法に基づき禁止していると説明しています。違反と判断された場合、取引キャンセル、商品削除、利用制限などの措置が取られる可能性も示されています。

並行輸入品についても、商品区分、表示事項、日本語表示、輸入者の許認可、品質保証、販売チャネルの規約の確認が必要です。単に「本物だから大丈夫」とは整理できない点が、医薬部外品販売の実務上の難しさといえます。

小分け販売・詰め替え販売

医薬部外品の小分け販売・詰め替え販売は、ECやフリマで特に問題になりやすい販売形態です。

たとえば、既製品の薬用シャンプーや薬用ローションを別容器に移し替えて販売する、業務用サイズの商品を小分けして販売する、サンプルのような形で独自に詰め替えて販売する、といったケースです。これらは、品質管理、表示事項、製造行為、責任主体の観点から問題になり得ます。

Amazonは、販売目的で既製の商品を容器または被包から取り出して分割した商品の販売を禁止しています。メルカリShopsでも、医薬部外品や国内メーカー等の既製化粧品の小分け販売は、許認可等の有無にかかわらず販売禁止の例として示されています。

小分け販売は「少量で試しやすい」「セット販売しやすい」というマーケティング上のメリットがある一方、医薬部外品では品質・表示・責任の観点から安易に採用しない方がよい販売方法です。

使用期限切れ・表示不足の商品

医薬部外品は、使用期限や表示事項が販売可否に関わることがあります。特に、期限切れ、期限不明、外箱欠品、表示が読めない、法定表示が不足しているといった商品は、販売チャネル上も問題になりやすいです。

メルカリShopsでは、使用期限切れの医薬部外品、薬機法等の法令に定められた表示事項が記載されていない医薬部外品・化粧品類、個人的に輸入した医薬部外品類などが販売禁止の対象として示されています。

EC担当者としては、商品写真がきれいか、在庫があるかだけでなく、使用期限、外箱、表示ラベル、販売名、製造販売元、ロット情報などを確認する運用が必要です。特に、アウトレット販売、在庫処分、訳あり販売では、価格訴求よりも先に販売可能性と表示状態を確認しましょう。

外箱なし・開封済み商品の注意点

外箱なし・開封済みの商品は、品質や表示の確認が難しくなります。消費者が成分、効能効果、使用方法、注意事項、製造販売元などを確認できない場合、販売ページ上で補足すればよいという単純な話ではありません。

モールやフリマサービスでは、外箱欠品や開封済み商品について独自に厳しい判断をすることがあります。出品時には、商品状態だけでなく、サービスごとの禁止商品ルール、カテゴリーガイド、医薬部外品・化粧品に関するヘルプページを確認しておくべきです。

商品状態・流通形態注意点
未承認・無承認無許可品国内で医薬部外品として販売できる根拠を確認する
個人輸入品個人使用と販売目的を混同しない
小分け品・詰め替え品品質管理、表示、製造行為、モール規約の観点で問題になりやすい
使用期限切れ多くのサービスで販売禁止・削除対象になり得る
表示事項不足法定表示や日本語表示が確認できない場合は注意
外箱なし・開封済み成分・注意事項・製造販売元などが確認できない可能性がある

Amazon・楽天・メルカリで医薬部外品を販売する際の注意点

Amazon・楽天・メルカリで医薬部外品を扱う場合は、薬機法だけでなく、各プラットフォームの独自ルールを確認する必要があります。法令上の整理とモール審査・出品停止の判断は必ずしも同じではないため、販売前に両方の観点で確認することが実務上重要です。

Amazonで医薬部外品を出品する場合

Amazonでは、医薬部外品および化粧品について、未承認・無承認無許可の商品、小分けにされた商品、無許可輸入された商品などが出品禁止商品例として示されています。

Amazonでは、一部のカテゴリーや商品について、出品登録前にAmazonから出品許可を得る必要があります。

また、商品登録の段階で「カテゴリー上は登録できた」からといって、必ずしも法令・規約上問題がないとは限りません。商品名、商品説明、画像、箇条書き、A+コンテンツ、ブランドストーリー、広告クリエイティブまで含めて確認する必要があります。

特に注意したいのは、レビューやランキング、比較表示との組み合わせです。医薬部外品の承認効能の範囲内に見える表現であっても、販売者が引用・編集・強調したレビューや使用前後画像、根拠や表示条件が不明確なランキング・No.1表示と組み合わさることで、効能効果を保証するような印象になることがあります。

Amazonの商品名、箇条書き、商品説明、A+コンテンツ、レビュー引用、ランキング表示まで含めたページ全体の確認は、「医薬部外品ECページの薬機法チェック」もあわせてご確認ください。 

楽天市場で医薬部外品を販売する場合

楽天市場で医薬部外品を扱う場合も、出店審査、取扱商材の注意事項、禁止商材、薬機法に関する広告規制などの確認が必要です。楽天市場の公開ページでも、出店審査や規約、取扱商材の注意事項、医薬品医療機器等法の広告規制などが案内されています。

楽天では所定の誓約書の提出が案内されており、商品・広告表現に法令違反がないかを出店者自身の責任で確認することが求められています。

楽天では、商品ページの自由度が高い分、画像内テキスト、ランキング、レビュー、比較表、キャンペーンバナーなどで訴求が強くなりやすい傾向です。制作側としては、商品名や説明文だけでなく、サムネイル、縦長LP、同梱物、メルマガ、RPP広告、クーポン施策まで含めて確認します。

「楽天でよく見る表現だから大丈夫」という判断は避けましょう。モール内で類似表現が見つかっても、それが法令上・規約上適切であることを意味するわけではありません。

メルカリ・メルカリShopsで医薬部外品を扱う場合

メルカリでは、医薬部外品や化粧品類の出品に関して、薬機法に基づくルールが設けられています。手作り品、小分け品、海外から個人的に輸入した医薬部外品・化粧品類などは、禁止されている出品物として案内されています。

また、メルカリのコスメ・化粧品出品時の注意点では、法令で定められた表示事項が記載されていない医薬部外品・化粧品類、許可なく製造・小分けされた医薬部外品、日本国内で承認されていない海外製の医薬部外品などが禁止例として示されています。

メルカリShopsでは、使用期限切れの医薬部外品、表示事項が記載されていない商品、小分け販売、個人的に輸入した医薬部外品類などが禁止されています。

個人の不用品処分の感覚で出品している場合でも、医薬部外品は商品区分や状態によっては削除・制限の対象です。法人がメルカリShopsを使う場合は、通常のEC販売と同じく、仕入れ経路、表示、期限、広告表現を確認する体制が必要となります。

モールごとの確認ポイント

販売チャネルモール固有ルールとして確認する事項薬機法・景品表示法等で確認する事項社内管理・実務上の推奨
Amazon未承認品、必要な許可を経ていない輸入品、小分け品等の出品禁止ルール/カテゴリー・商品・ブランドごとの出品制限や事前許可/商品登録・広告に関する規約商品名、箇条書き、商品説明、画像、A+コンテンツ、ブランドストーリー、広告クリエイティブが承認された効能効果の範囲内か/レビュー引用、使用前後画像、ランキング・No.1表示が効果保証や優良誤認を生じさせないか仕入先、製造販売元、承認・届出情報の保存/商品ページ全体の公開前審査/画像・説明文・広告の更新履歴管理
楽天市場取扱商材に関する注意事項/禁止商材・出店規約/必要な誓約書の提出/店舗運営・広告掲載に関するガイドライン商品ページ、画像内テキスト、縦長LP、比較表、レビュー引用、ランキング、クーポン・キャンペーン表示が虚偽・誇大表示や優良誤認にならないか/承認効能を超える表現がないか商品ページだけでなく、メルマガ、RPP広告、バナー、同梱物まで一括して確認/制作会社・店舗担当者との審査フロー整備/キャンペーン開始前の再確認
メルカリ手作り品、小分け品、表示事項が不足する商品、個人輸入品、日本国内で承認されていない海外製医薬部外品等の禁止ルール/商品削除・利用制限の基準商品説明や画像に承認効能を超える表示がないか/購入者の誤認を招く効果保証、安全性保証、体験談・使用前後表示がないか出品前に容器・外箱の表示、未開封状態、仕入経路を確認/中古品・不用品として出品する場合も商品区分を確認/削除理由や規約変更を記録
メルカリShops使用期限切れ、表示事項不足、小分け販売、個人的に輸入した医薬部外品等の禁止ルール/自ら製造・市場出荷する場合に求められる許認可関係書類商品説明、画像、ショップ内広告が承認効能の範囲内か/比較表示、レビュー引用、効果保証表示が景品表示法上問題とならないか使用期限、ロット、仕入先、在庫状態の管理/許認可・承認関係資料の保存/出品担当者と法務・薬事担当者による確認体制

モール販売では、薬機法上の確認と、モール規約上の確認を分けて行うことが大切です。法令上のリスクが低いと考えられる商品でも、モール独自ルールに抵触すれば、商品削除やアカウント制限につながる可能性があります。

医薬部外品の商品ページで効能効果をどこまで書けるか

医薬部外品の商品ページでは、原則として商品ごとの承認効能効果の範囲内で表現します。ただし、薬用化粧品や薬用歯みがきでは、一定条件の下で対応する化粧品的効能を表現できる場合があります。

ただし、承認範囲内の言葉であっても、広告全体で効能効果を保証するように見える表現や、治療効果を過度に強調する表現には注意が必要です。

美白、育毛、ニキビ、デオドラントなどの表現は「医薬部外品の効能効果と広告表現」で詳しく整理しています。 

承認効能の範囲を確認する

医薬部外品は、商品ごとに承認された効能効果があります。たとえば、薬用化粧品、薬用歯みがき、制汗剤、育毛剤、指定医薬部外品などでは、言える範囲が異なります。

商品ページを作る前に、まず確認すべきなのは「この商品で承認されている効能効果は何か」です。メーカー資料、承認内容、表示ラベル、薬事確認済み資料をもとに、どの表現まで使えるのかを整理します。

注意したいのは、同じ「医薬部外品」でも、すべての商品で同じ効能効果を表現できるわけではないことです。薬用化粧品で使える表現、育毛剤で使える表現、指定医薬部外品で使える表現は異なります。商材カテゴリを混同すると、商品ページ全体のストーリーが承認範囲を超えてしまうことがあります。

「治る」「改善する」「必ず効く」は慎重に扱う

医薬部外品の商品ページで避けたいのは、医薬品的な治療効果や、効果の保証に見える表現です。承認範囲を超える治療・改善表現と、効果保証に注意する必要があります。

たとえば、次のような表現は慎重な確認が必要です。

表現例注意点
肌荒れが治る治療効果を約束する印象になりやすい
必ず効く効能効果の保証表現になりやすい
発毛を実現医薬部外品の承認された効能効果の範囲を逸脱する可能性
数日で改善短期間での効果保証に見える可能性
医師も効果を認めた医師等による保証と誤認されるおそれに注意

薬機法第66条では、医薬部外品を含む医薬品等の効能効果について、医師その他の者が保証したものと誤解されるおそれがある記事も、虚偽・誇大広告に関する規制の対象になり得ると示されています。

「医師も効果を認めた」等は、効能効果の保証と誤認されるおそれがあるだけでなく、医薬関係者等による推薦広告の制限にも該当し得るため、原則的に使用を避ける必要があります。

広告制作では、「直接その言葉を書いていないから大丈夫」ではなく、画像、注釈、グラフ、レビュー、推薦コメントを含めた広告全体の印象を確認します。

具体例は「薬機法で「改善」は使える?」「薬機法で「病名」は広告に使える?」で詳しくまとめています。

口コミ・レビュー引用にも注意する

Amazonや楽天の商品レビューそのものは、購入者が自発的に投稿する場合があります。しかし、事業者がレビューを選定し自社LPや広告素材に引用する場合、引用部分は広告の構成要素として見られ得ます。

たとえば、レビューに「長年の悩みが治った」「これを使ってから症状が改善した」といった表現が含まれている場合です。それを商品ページやLPに選んで掲載すると、レビューの内容も事業者による広告表現の一部として評価され得ます。承認された効能効果の範囲を超える内容や、効能効果・安全性を保証するような印象を与える内容が含まれていないかを、掲載方法や広告全体の印象を含めて個別に確認する必要があります。 

口コミ・レビューを使う場合は、次の点を確認します。

確認項目実務上の確認内容
投稿の性質自発的な投稿か、依頼・謝礼・条件付き投稿か
引用先モール内表示か、自社LP・広告素材への転載か
内容効能効果の保証、治療効果、承認範囲外表現がないか
著作権・規約レビューや投稿を転載できる権利・媒体規約があるか
ステマ規制事業者の表示と見られる場合に広告表示が必要か

レビューは強い訴求力を持つ一方で、薬機法・景品表示法・ステマ規制・媒体規約が重なりやすい領域です。広告実務では、レビューを「第三者の声だから自由に使える」と考えず、掲載場所と掲載文脈を確認します。

詳しくは「医薬部外品広告で口コミ・体験談は使える?」をご覧ください。

医薬部外品販売で景品表示法・特定商取引法も確認すべき理由

医薬部外品のEC商品ページを中央に配置し、薬機法・景品表示法・特定商取引法の3つの法規から確認する関係を示した図解。薬機法では承認効能と保証的表現、景品表示法ではNo.1表示の根拠と価格表示、特定商取引法では定期購入・解約・返品・支払条件を確認する。下部には「広告素材から購入導線まで、全体の印象を確認」とまとめられている。

医薬部外品のEC販売では、薬機法だけを見ていれば十分というわけではありません。価格表示、No.1表示、ランキング、定期購入、返品条件、キャンペーン表示などは、景品表示法や特定商取引法の観点からも確認が必要です。

景品表示法は「実際より著しく優良・有利に見せる表示」を問題にする

景品表示法では、商品やサービスの品質、内容、価格、取引条件について、消費者に実際より著しく優良または有利であると誤認させる表示が問題になります。

医薬部外品の商品ページでは、たとえば次のような表示に注意します。

表示例確認ポイント
顧客満足度No.1調査対象、調査方法、比較対象、調査時期が適切か
医薬部外品売上No.1どの市場・期間・データに基づくNo.1か
通常価格9,800円→初回980円比較対象価格に販売実績や根拠があるか
90%が実感調査方法、対象者、質問文、効能保証の印象
医師推薦薬機法上の保証表現、景品表示法上の根拠表示、推薦広告の制限を確認

薬機法では承認効能の範囲に収まっているように見えても、景品表示法上、根拠が不十分なNo.1表示や満足度表示が問題になることがあります。

なお、景品表示法上の判断は「景品表示法の広告表現ガイド」もご確認ください。 

特定商取引法は定期購入・返品条件で問題になりやすい

D2Cの医薬部外品販売では、定期購入、初回割引、回数縛り、解約条件、返品条件の表示が重要です。

商品ページやLPで「初回980円」「いつでも解約可能」「送料無料」と強く訴求している一方で、実際には複数回購入が条件になっている、解約期限が分かりにくい、返品不可条件が小さく表示されている、といった場合は、特定商取引法や景品表示法の観点から確認が必要になります。

医薬部外品のEC販売では、効能効果表現だけでなく、価格・契約条件・解約条件まで含めて広告全体を確認することが大切です。

初回価格、支払総額、定期購入、解約条件、最終確認画面は、薬機法とは別に特定商取引法上の確認が必要です。「通販・EC・LP運営で注意すべき特定商取引法」で実務上の確認項目を整理しています。 事業者情報、返品条件など、通信販売で必要な表示事項については「特定商取引法に基づく表記とは?」もご確認ください。 

EC商品ページ公開前の薬機法チェックリスト

医薬部外品の商品ページを公開する前には、販売可否、表示、広告表現、モール規約、景品表示法・特定商取引法の観点を分けて確認します。

チェックリスト化しておくことで、制作会社さま、広告代理店さま、販売メーカーさま、薬事・法務担当者の間で確認漏れを減らしやすくなります。

資料を確認する際は、商品区分と承認効能をメーカー・販売元の資料で確認しましょう。

チェック項目確認内容
商品区分医薬部外品、指定医薬部外品、薬用化粧品などの区分が正しいか
承認効能商品ページの効能効果が承認範囲を超えていないか
表示事項販売名、製造販売元、用法用量、注意事項などが確認できるか
流通経路正規仕入れか、個人輸入品・無許可輸入品ではないか
包装状態小分け品、詰め替え品、外箱欠品、開封済みではないか
使用期限期限切れ・期限不明ではないか
商品画像画像内テキストが薬機法・景品表示法上問題ないか
レビュー引用効能保証、承認範囲外表現、ステマ規制、著作権に問題がないか
No.1・ランキング客観的根拠、調査条件、比較対象、表示注記が整っているか
価格表示二重価格、初回価格、定期条件、解約条件が適切か
モール規約Amazon・楽天・メルカリ等の最新ルールに合っているか
社内承認薬事・法務・広告審査の確認フローを通しているか

EC商品ページは、複数の担当者が分業して作ることが多いため、薬機法チェックが最後の工程に回ると、LP全体の作り直しになることがあります。できれば、訴求設計の段階で承認効能と表現方針を決めておくことが望ましいです。

なお、事業者がレビューやインフルエンサー投稿の内容決定に関与する場合は、広告であることの明瞭性も確認します。「ステルスマーケティング規制」もあわせてご確認ください。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
医薬部外品の相談で多いのは、「この商品は売れますか?」という質問です。ただ、実務上はそこだけを見ても足りません。販売できる商品であっても、商品ページの見せ方によっては薬機法や景品表示法の問題になることがあります。
特にECでは、商品名、画像内コピー、レビュー、ランキング、キャンペーン表示が一体となって消費者に伝わります。だからこそ、単語単位で「この表現はOKか」を見るのではなく、ページ全体が何を約束しているように見えるかを確認することが大切です。
制作現場では、最初に承認効能の範囲を確認し、その範囲内でどの訴求軸を作るかを決めるべきです。完成後に薬機法チェックへ回すと、コピーの修正だけでなく、ページ構成そのものを作り直すことになりかねません。

よくあるご相談(FAQ)

医薬部外品はネット販売できますか?

医薬部外品は、一般用医薬品そのものではないため、一般用医薬品のネット販売制度と同じものとして扱う必要はありません。ただし、医薬部外品は薬機法上の規制対象です。日本国内で適法に流通している商品か、承認・表示・使用期限・包装状態・流通経路に問題がないかを確認する必要があります。さらに、Amazon・楽天・メルカリなどでは独自の出品ルールがあるため、法令確認とあわせて各モール規約も確認しましょう。

医薬部外品の販売に許可は必要ですか?

国内で適法に流通している医薬部外品を通常の小売形態で販売する場合と、製造販売、輸入、小分け、詰め替え、表示変更を行う場合では確認すべき内容が異なります。特に、海外から輸入して販売する場合や、自社で詰め替え・小分けする場合は、薬機法上の許認可や製造販売責任の問題が関わる可能性があります。「販売だけだから許可は不要」と一律に判断せず、取扱形態ごとに確認することが必要です。

Amazonで医薬部外品を出品できますか?

Amazonでは医薬部外品の出品自体が行われていますが、未承認・無承認無許可の商品、小分けにされた商品、無許可輸入された商品などは出品禁止商品例として示されています。出品前には、商品が国内で適法に流通しているか、表示事項や使用期限に問題がないか、商品ページの効能効果表現が承認範囲を超えていないかを確認しましょう。商品説明だけでなく、画像、箇条書き、広告、A+コンテンツも確認対象です。

楽天で医薬部外品を販売するときは何に注意すべきですか?

楽天市場で医薬部外品を扱う場合は、楽天市場の取扱商材ルール、出店審査、薬機法に関する広告規制、商品ページ表現を確認する必要があります。楽天の商品ページは画像や縦長LPで訴求を強めやすいため、画像内テキスト、レビュー、ランキング、比較表、クーポン表示などにも注意が必要です。承認効能の範囲を超える表現や、効果保証に見える表現は避け、根拠資料と表示内容の整合性を確認しましょう。

メルカリで医薬部外品を出品できますか?

メルカリでは、医薬部外品や化粧品類の出品に関するルールが設けられています。手作り品、小分け品、海外から個人的に輸入した医薬部外品・化粧品類、表示事項が不足している商品、日本国内で承認されていない海外製の医薬部外品などは問題になりやすいです。個人の不用品処分であっても、商品状態や表示内容によっては削除・利用制限の対象になる可能性があるため、出品前に最新のヘルプページを確認しましょう。

医薬部外品を小分けして販売してもよいですか?

医薬部外品の小分け販売は、品質管理、表示事項、製造行為、責任主体の観点から問題になりやすい販売形態です。AmazonやメルカリShopsでも、小分け販売に関する禁止ルールが示されています。業務用サイズを小分けして販売する、別容器に詰め替えて販売する、サンプル風に分割するなどの販売方法は、安易に行わない方がよいでしょう。小分けや詰め替えを検討する場合は、薬機法上の許認可や表示責任を専門家に確認する必要があります。

個人輸入した医薬部外品をネット販売できますか?

個人輸入は、原則として個人使用を前提に考えられるものであり、国内販売を目的とする輸入・流通とは別に整理する必要があります。メルカリなどでも、海外から個人的に輸入した医薬部外品・化粧品類の販売は禁止例として示されています。海外で販売されている商品であっても、日本国内で医薬部外品として承認・表示・流通できる状態かは別問題です。販売目的で扱う場合は、輸入者の許認可、表示、日本語ラベル、品質保証を確認しましょう。

医薬部外品の商品ページで効能効果をどこまで書けますか?

医薬部外品の商品ページでは、承認された効能効果の範囲内で表現を検討することが基本です。ただし、承認範囲内の文言であっても、広告全体で「必ず効く」「治る」「短期間で改善する」といった保証的な印象を与える場合は注意が必要です。商品名、キャッチコピー、画像、レビュー、ランキング、比較表、注釈を含めて、広告全体が何を約束しているように見えるかを確認しましょう。

まとめ

医薬部外品は、通販やECモールで扱われることの多い商品区分ですが、医薬品ではないから自由に販売・広告できるというものではありません。薬機法上の規制対象であり、販売前には商品区分、承認、表示事項、使用期限、包装状態、流通経路を確認する必要があります。

特にネット販売では、「販売できる商品か」と「商品ページの広告表現が適切か」を分けて確認することが重要です。正規に流通している医薬部外品であっても、承認効能を超える表現や、効能効果を保証するようなレビュー引用、根拠不十分なNo.1表示、分かりにくい定期購入条件があれば、薬機法・景品表示法・特定商取引法の観点から問題になる可能性があります。

また、Amazon、楽天、メルカリ、メルカリShopsでは、それぞれ独自の出品ルールがあります。未承認品、小分け品、個人輸入品、表示不足品、使用期限切れの商品などは、モール規約上も出品停止や削除の対象になり得ます。

医薬部外品のEC販売では、販売担当者、制作担当者、広告運用担当者、薬事・法務担当者が早い段階で確認ポイントを共有することが大切です。商品ページ完成後に表現だけを直すのではなく、承認効能の範囲から逆算して、適正な情報伝達と伝わる表現の両立を設計していきましょう。

医薬部外品のEC販売では、商品企画、制作、広告運用、モール運用、薬事確認が分断されると、公開直前の大幅修正につながりやすくなります。社内チェックリストの整備や、制作チーム・広告代理店さま向けの研修を通じて、初稿段階から確認しやすい体制を整えることも有効です。

なお、医薬部外品広告を体系的に知りたい場合は「医薬部外品広告の薬機法ガイド」をご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。
個別の広告表現の適否は、商材、媒体、表示内容、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

医薬部外品のネット販売について、出品前に確認すべき3つのポイントを示した図解。左側に「医薬部外品はネット販売できる?」という見出しと、「EC・モール出品前の3つの確認ポイント」の説明を配置。右側には「商品・流通」「広告表現」「モール規約」の3つのカードが並び、承認・表示・期限・包装、承認範囲との整合、保証的表現、出品禁止品、最新ルールの確認事項を整理している。下部に「販売条件と広告表現は分けて確認」とまとめ、右下に薬機法ライティングのロゴを配置している。

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