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化粧品とは?薬機法上の定義と医薬品・医薬部外品・雑貨との違いを制作会社向けに解説

「化粧品とは?」をテーマにした法人向けの日本語アイキャッチ画像。左側に「制作会社・広告代理店向け」のタグと、見出し「化粧品とは?」「薬機法上の定義と商品区分の違い」を配置。右側には中央に「化粧品」のカードがあり、「清潔・美化・健やかに保つ」「人体への作用が緩和」と記載。周囲に「医薬品」「医薬部外品」「雑貨」の小カードを配置し、化粧品との違いを整理している。下部には「商品区分を確認」「表示可能範囲を確認」「広告全体の印象を確認」の3つの確認ポイントを横並びで表示し、まとめとして「商品分類と広告表現を分けて考える」と示している。右下に「薬機法ライティング®」のロゴ入り。

化粧品のLP(ランディングページ)やEC商品ページを制作するとき、「この商品は一般化粧品なのか、薬用化粧品なのか」「シミ、シワ、ニキビ、ほうれい線といった表現をどこまで使えるのか」と迷うことは少なくありません。

薬機法上の化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つために使用されるもので、人体への作用が緩和なものを指します。ただし、商品が化粧品として販売されていても、広告で治療・予防や身体機能の変化を約束してよいわけではありません。

この記事では、制作会社さま・広告代理店さまが押さえておきたい化粧品の定義、医薬品・医薬部外品・雑貨との違い、化粧品で標ぼうできる効能効果の範囲を紹介します。文言だけでなく、画像、口コミ、ビフォーアフター、注釈を含めた広告全体の印象から判断する視点も解説します。

この記事の要点(まとめ)
  • 化粧品には薬機法上の定義がある:化粧品は、身体を清潔にする、美化する、皮膚や毛髪を健やかに保つなどの目的で使用され、人体への作用が緩和なものです。治療や身体機能の変化を目的とする医薬品とは区別されます。
  • 商品分類と広告の約束内容を分けて確認する:商品が化粧品でも、「シミが消える」「ニキビが治る」などと広告すれば、化粧品の範囲を超える可能性があります。コピー、画像、口コミを含む広告全体で確認します。
  • 制作後ではなく企画・構成段階で確認する:一般化粧品か医薬部外品か、承認範囲、効能効果、成分根拠、口コミ、比較表示などを制作前に整理すると、大幅なリライトやデザイン修正を避けやすくなります。
目次

化粧品とは?薬機法上の定義を制作会社向けに整理

薬機法上の化粧品とは、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つ目的で身体に使用されるもので、人体への作用が緩和なものです。

化粧水、乳液、クリーム、ファンデーションなど、一般に「コスメ」と呼ばれるものだけではありません。目的、使用方法、作用の程度を踏まえ、薬機法上の分類を確認する必要があります。

薬機法上の化粧品の定義

化粧品の定義は、次の4つに分解すると理解しやすくなります。

確認項目化粧品の考え方制作実務での確認ポイント
目的清潔、美化、魅力の増進、容貌の変化、皮膚・毛髪を健やかに保つ広告が治療や身体機能の改善を約束していないか
使用方法身体に塗擦、散布、その他これらに類似する方法使用部位や使用方法が商品資料と一致しているか
作用の程度人体への作用が緩和細胞、真皮、血流などへの強い作用を訴求していないか
他分類との関係医薬品・医薬部外品に該当しないもの一般化粧品か医薬部外品かを先に確認したか

ここで大切なのは、「肌に使う商品だから化粧品」と単純に判断しないことです。たとえば、肌に塗る商品であっても、疾病の治療や身体機能への影響を目的としていれば、別の分類に該当する可能性があります。

旧薬事法と薬機法の関係

現在も化粧品にまつわる「薬事法」と調べられることがありますが、実務上は現在の薬機法を前提に確認します。

旧薬事法は2013年の法改正を経て、2014年に現在の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」へ名称が変更されました。一般的には「薬機法」と呼ばれます。

記事やクライアントへの説明では、「薬機法(旧薬事法)」と記載すると、旧名称で検索している読者にも伝わりやすくなります。

制作会社が定義を理解すべき理由

制作会社さまが確認すべきなのは、商品パッケージに「化粧品」と書かれているかだけではありません。

広告の見出しの表現に問題がなくても、シミが消えたように見える画像、肌トラブルが治ったという口コミ、皮膚内部を描いた断面図が組み合わされると、広告全体として医薬品的な印象を与える可能性があります。

厚生労働省の医薬品等適正広告基準の解説でも、広告の評価は文面だけで形式的に判断するのではなく、媒体の性質、広告全体の構成、説明の文脈などを総合的に考慮する必要があると示されています。また、WebサイトやSNSを含むすべての媒体が対象です。

したがって、制作会社は「禁止されている単語があるか」だけでなく、広告全体が消費者に何を約束しているように見えるかを確認する必要があります。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
化粧品広告でまず押さえるべきなのは、「化粧品とは何か」という定義です。ただし、実務では定義を暗記するだけでは十分ではありません。
ここで大事なのは、その広告全体が消費者に対して何を約束しているように見えるかです。文言だけを見れば穏やかでも、画像や口コミ、ビフォーアフターが組み合わさることで、シミやシワが改善する、肌トラブルが治るといった印象になることがあります。
制作会社さまはコピー単体ではなく、見出し、画像、注釈、導線まで含め、消費者が最終的に受け取るメッセージを確認する必要があります。

化粧品と医薬品の違い|疾病の治療・予防や身体機能への作用を目的としていないかが分岐点

化粧品と医薬品の違いを示す図解。広告が「疾病の治療・予防」や「身体の構造・機能への作用」を約束しているように見えるかを分岐点として、一般化粧品と医薬品の特徴を左右に比較している。下段では、化粧品で認められる「日やけを防ぐ」「皮膚の乾燥を防ぐ」などの表現と、「ニキビが治る」「シミを消す」など医薬品的な印象になりやすい表現例を整理。最下部に「単語だけでなく、広告全体が約束する変化を確認」とまとめている。

化粧品と医薬品の大きな違いは、疾病の診断・治療や、身体の構造・機能への影響を目的とするかどうかです。

医薬品には、疾病の診断、治療または予防に使用されるものや、身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とするものが含まれます。一方、化粧品は、人体への作用が緩和なものと定義されています。ただし、化粧品の場合でも、一部「防ぐ」効能効果の表現が認められています。

医薬品は疾病の治療・身体機能への作用などを目的とする

化粧品広告で次のような表現をすると、医薬品的な効能効果を標ぼうしていると受け取られる可能性があります。

  • ニキビが治る
  • アトピーを改善する
  • シミを消す
  • 細胞を再生する
  • 炎症を治療する
  • 血行を促進して肌質を変える

問題になるのは、特定の単語を使っていることだけではありません。消費者に対して「この商品を使えば疾病や身体機能が変化する」と約束しているように見えるかが判断のポイントです。

化粧品は人体への作用が緩和なもの

一般化粧品では、「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「肌にハリを与える」など、厚生労働省が示す化粧品の効能の範囲内で表現を検討します。

また、化粧品で「防ぐ」効能効果は以下のものが認められています。

  • 洗浄によりニキビ、アセモを防ぐ
  • 日やけを防ぐ
  • 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
  • 皮膚の乾燥を防ぐ
  • フケ、カユミを抑える

たとえば「ハリを与える」と「たるみを根本から改善する」では、広告が約束する内容が異なります。前者は肌の状態や印象を表す表現ですが、後者は皮膚組織や身体構造の変化を約束する印象が強くなります。

疾病の治療・予防または身体の構造・機能への作用を標ぼうしているか、化粧品に認められた効能範囲と条件に収まっているかを判断軸にすることがポイントです。

制作会社が説明するときの比較軸

比較項目一般化粧品医薬品
主な目的清潔、美化、保湿、肌や毛髪を健やかに保つ疾病の診断、治療、予防など
広告表現化粧品の効能の範囲(56項目)内で検討承認された効能効果の範囲で検討
注意例シミが消える、ニキビが治る、細胞再生承認外の効能効果、過度な保証表現

クライアントに表現の意図を説明する際は、「この言葉は禁止です」とだけ伝えるよりも、「一般化粧品として認められる範囲を超え、治療や身体機能の変化を約束する印象になるため、訴求軸を変更したい」と説明する方が理解を得やすくなります。

なお、「シミが消える」「ニキビが治る」「細胞を再生する」など、化粧品で使えない表現と修正方向については、「薬機法対応の化粧品表現言い換え集」で具体例を整理しています。 

化粧品と医薬部外品の違い|薬用化粧品は承認範囲の確認が必要

化粧品と医薬部外品は薬機法上の分類が異なり、広告で表現できる効能効果も異なります。

薬用化粧品は、医薬部外品のうち化粧品的な使用目的を持つ製品について用いられる呼称です。

使用目的は化粧品と同じですが、肌荒れやニキビを防ぐ、美白などの効能を持つ有効成分が配合されています。容器や外箱には、通常「医薬部外品」と表示されます。

医薬部外品とは何か

医薬部外品も、人体への作用が緩和なものとして薬機法に定義されています。ただし、一般化粧品とは異なり、商品ごとに承認された効能効果や有効成分を確認して広告を設計する必要があります。

「医薬部外品なら一般化粧品より強く表現できる」と覚えるだけでは不十分です。正確には、その商品の承認範囲内で表現を検討できるということです。

薬用化粧品と一般化粧品の違い

確認項目一般化粧品薬用化粧品・医薬部外品
法的分類化粧品医薬部外品
効能効果化粧品の効能の範囲商品ごとの承認効能
有効成分医薬部外品としての有効成分という扱いではない承認された有効成分を配合
制作時の資料届出情報、商品資料、成分資料など承認内容、有効成分、効能効果、表示案など
注意表現美白、シワ改善、育毛など承認内容を超えた効能、作用機序、保証表現

たとえば、「美白」という言葉は一般化粧品で自由に使える表現ではありません。一方、承認を受けた薬用化粧品であっても、「できてしまったシミを消す」といった表現まで認められるわけではありません。

また、一般化粧品でも「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」という効能は化粧品の効能範囲に含まれます。したがって、「シミ」という単語があるだけで判断せず、日やけ防止なのか、メラニン生成抑制なのか、既にあるシミの改善なのかを分けて確認します。

制作会社が確認すべき承認範囲

制作会社さまは、クライアントから次の資料・情報を受け取ってください。

  • 一般化粧品か医薬部外品か
  • 医薬部外品である場合の承認効能
  • 有効成分とその他の配合成分の区別
  • 容器・外箱に記載される販売名と表示
  • 成分の作用機序を説明する根拠
  • 過去に承認された広告ではなく、当該商品の承認内容

同じ有効成分が配合されている他社商品が強い表現をしていても、自社商品で同じ表現を使えるとは限りません。必ず当該商品の資料で確認することが大切です。

薬用化粧品では、一般化粧品とは別に商品ごとの承認効能を確認する必要があります。医薬部外品広告の考え方は「医薬部外品の広告表現ガイド」もあわせてご確認ください。

 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
薬用化粧品や医薬部外品の案件では、「一般化粧品より強い表現ができる」と考えられがちです。しかし、実務上はその理解だけでは不十分です。
重要なのは、承認された効能効果や有効成分の範囲内で表現できているかどうかです。同じ「美白」や「肌荒れを防ぐ」という言葉でも、商品ごとの承認内容、作用機序、周辺の説明によって確認ポイントは変わります。
制作会社さまは、支給された商品概要だけで制作を始めず、承認範囲を確認したうえでコピーと構成を組み立てる必要があります。

化粧品と雑貨の違い|雑貨でも広告表現によって問題になることがある

雑貨として販売する商品には、化粧品や医療機器等に該当する目的・効果を標ぼうできません。また、物理的効果であっても、商品構造や広告内容により個別判断が必要です。

「雑貨だから薬機法は関係ない」と考えるのは危険です。薬機法上の分類に該当しない商品でも、広告で医薬品のような効能効果を標ぼうすれば、未承認医薬品等として問題になる可能性があります。医薬品該当性では、商品の形状だけでなく、使用目的や標ぼう内容も関係します。

雑貨は薬機法の対象外と考えてよいのか

雑貨とは、美容ローラー、ブラシ、寝具、アロマ用品、入浴雑貨などです形状や使用方法によっては、医薬品等への該当性が問題になります。また、機械器具の場合は、医療機器への該当性も確認する必要があります。

たとえば、LPで次のように訴求すると、単なる生活雑貨の説明を超える可能性があります。

  • むくみを改善する
  • 血行を促進する
  • 肩こりを治す
  • 脂肪を燃焼する
  • 自律神経を整える
  • 睡眠障害を改善する
  • 肌細胞を活性化する

雑貨案件では、商品分類だけでなく、使用部位、使用方法、消費者に約束する変化を整理することが欠かせません。

雑貨広告で問題になりやすい表現

注意したい表現リスクとなる観点表現を再設計する方向
むくみを改善身体機能への作用使用時の心地よさ、セルフケアの時間
血行を促進生理機能への作用温かく感じる使用感など、事実に即した表現
肌質を改善化粧品・医薬品的な効能清潔感、見た目の印象、使用体験
睡眠の質を改善身体機能・疾病への作用就寝前のリラックスした生活シーン
脂肪を分解身体構造への作用運動やケアを支える使いやすさ

ここでも、単純な言い換えだけでは解決しない場合があります。「むくみ改善」を「スッキリ」に変えても、脚が細くなるビフォーアフター画像が添えられていれば、広告全体の印象は変わらないからです。

美容機器として販売する商品で「たるみ改善」「脂肪分解」「小顔」などを訴求する場合は、「美容機器広告で『たるみ改善』『脂肪分解』『小顔』は使える?」もご確認ください。 

化粧品広告で標ぼうできる効能効果の範囲

一般化粧品の広告では、厚生労働省が示す「化粧品の効能範囲」を基本に表現を検討します。現在の通知では56項目が示されています。

この56項目には、「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「肌にハリを与える」「日やけを防ぐ」「乾燥による小ジワを目立たなくする(所定の評価試験等により当該製品の効果を確認した場合に限る)」などが含まれています。

56項目は「どの化粧品でも自由に使える言葉」ではない

56項目に掲載されている表現であっても、すべての商品で自動的に使用できるわけではありません。

商品の使用目的、剤形、使用方法、成分、根拠資料との整合性を確認する必要があります。たとえば、通知には次のような条件付きの効能もあります。

  • 「洗浄によりニキビ、アセモを防ぐ」は洗顔料
  • 「歯を白くする」は使用時にブラッシングを行う歯みがき類
  • 「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」は日やけ防止の文脈
  • 「乾燥による小ジワを目立たなくする」は乾燥による小ジワに限定

したがって、「ニキビ」「シミ」「シワ」という言葉がすべて禁止されるわけでも、56項目にあるから自由に使えるわけでもありません。原因、作用、対象商品、限定条件まで含めて確認します。

56項目を踏まえて、化粧品広告で実際に使える表現・使えない表現を確認したい方は、「化粧品広告の薬機法チェック入門」で詳しく解説しています。 

制作会社が迷いやすい表現

表現したい内容検討の方向
保湿「うるおいを与える」「乾燥を防ぐ」などの範囲で検討
ハリ「肌にハリを与える」と、たるみ・構造改善を区別
シワ一般化粧品では「乾燥による小ジワを目立たなくする」と「シワ改善」を区別
ニキビ洗浄による予防、肌を清潔に保つ表現と、治療表現を区別
シミ日やけによる予防、メイク効果、薬用美白、既存のシミの改善を区別
浸透一般化粧品では通常、角質層までの範囲を前提に確認

制作会社さまは、56項目を、広告の訴求内容を分類する際の出発点として活用してください。

なお、「シワ改善」「美白」「ニキビ」「浸透」などの表現をどう言い換えるかは、「薬機法対応の化粧品表現言い換え集」も参考になります。 

制作会社が化粧品LP・広告制作で注意すべき表現例

化粧品広告で使える効能表現の確認手順を示した日本語インフォグラフィック。大見出しは「化粧品広告の効能表現は『56項目』だけで決めない」で、「56項目」がオレンジ色で強調されている。サブコピーは「商品条件・根拠・広告全体の印象まで確認」。中央には3つの白いカードが横並びで配置され、オレンジの矢印でつながっている。STEP1は「効能範囲を確認」で、通知書類とチェックリストのアイコン、要点は「56項目を出発点にする」「条件付き表現を確認」。STEP2は「商品との整合性」で、化粧品ボトル・商品資料・照合チェックのアイコン、要点は「使用目的・剤形・成分」「根拠資料と表現を照合」。STEP3は「広告全体を確認」で、Web広告画面と口コミのアイコン、要点は「画像・口コミも対象」「保証的な印象を避ける」。下部の淡いオレンジ色の帯には「言葉の置換ではなく、化粧品としての価値から訴求軸を再設計」と書かれている。右下に「薬機法ライティング®」のロゴ。

化粧品広告では、コピーだけでなく、画像、図解、口コミ、ビフォーアフター、専門家コメントを含めて、医薬品的な効能効果を約束する印象になっていないかを確認します。

薬機法第66条は明示・暗示を問わず規制しており、日本化粧品工業会のガイドラインでも広告全体が与える印象を考慮する考え方が示されています。

医薬品的な効能に見えないためのポイントを表にまとめました。

化粧品広告で注意したい医薬品的表現

注意したい表現主なリスクリライトの方向
シミが消える既存のシミの改善・治療印象明るい肌印象、メーキャップ効果、日やけ予防などに整理
ニキビが治る疾病の治療表現洗浄、清潔、肌荒れ予防など商品分類に応じて検討
ほうれい線を改善身体構造の変化を約束うるおい、ハリ感、メイクによる印象変化
肌を再生する細胞・生理機能への作用肌を整える、健やかに保つ
真皮まで届く深部への浸透・作用一般化粧品では角質層までの範囲を基本に確認
皮膚科レベル医療との同等性や権威付け開発背景や品質管理を事実に即して説明
使えば必ず実感効能効果の保証使用感、テクスチャー、調査条件を明確にする

上記は、言い換え表ではありません。たとえば「シミが消える」を「透明感」に変えただけでは、写真や説明文が同じなら改善効果の印象が残ることがあるので注意が必要です。

口コミ・体験談で効能効果を超えるケース

企業さまがLPや広告に口コミを選定して掲載すれば、その口コミも広告の一部として評価されます。

「個人の感想です」と注記しても、「3日でシワが消えました」「長年のニキビが治りました」といった効能効果の保証的な印象がなくなるとは限りません。

化粧品広告では、体験談を使用感の説明にとどめ、効能効果を保証する内容になっていないかを確認する必要があります。

掲載を検討しやすい方向としては、次のような内容があります。

  • テクスチャーが伸ばしやすい
  • 香りが好みに合った
  • ベタつきにくく使いやすい
  • 容器が使いやすい
  • 毎日のケアに取り入れやすい

ただし、使用感の表現であっても、強調の仕方や周辺画像によって効能の保証に見える場合があるため、全体で確認します。

なお、化粧品広告に口コミやInstagramのPR投稿、Before/After画像を使用する際の注意点は、「化粧品の口コミは薬機法違反になる?インスタPR投稿・Before/After画像の注意点」で詳しく解説しています。 

薬機法に配慮しながら訴求力を残す考え方

薬機法対応は、危ない言葉を削るだけの作業ではありません。

商品の魅力を次のような軸に分解すると、医薬品的な変化を約束せずに伝えやすくなります。

  • 使用感やテクスチャー
  • 香りや使用シーン
  • うるおい、ツヤ、ハリなど化粧品の効能範囲
  • メイクアップによる見た目の変化
  • 容器、製法、品質管理
  • 継続しやすさ
  • ケアをする時間の感情的価値

「何を言えないか」から考えるのではなく、「この商品は、化粧品としてどの価値を提供しているのか」から訴求軸を作り直すことがポイントです。

NG表現を弱い言葉へ置き換えるだけでなく、商品の価値から訴求軸を組み直す考え方は、「薬機法ライティングとは?」で詳しく解説しています。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
化粧品広告のリライトでよくある失敗は、指摘された表現をすべて削り、どの商品にも当てはまる無難なコピーにしてしまうことです。
もちろん法令への配慮は前提ですが、それだけでは広告として機能しにくくなります。大切なのは、医薬品的な変化を避けながら、商品の魅力が伝わる別の訴求軸を設計することです。
使用感、うるおい、肌印象、生活シーン、ケアをする時間の気持ちなど、消費者が自分事として受け取れる内容へ再構成するという発想が、法令対応と適正な情報伝達を両立させるポイントです。

化粧品広告では薬機法だけでなく景品表示法も確認する

薬機法上の効能効果に配慮していても、表示の裏付けが不足していれば、景品表示法上の問題が生じる可能性があります。

商品やサービスの品質・内容を実際より著しく優良に見せる表示や、価格・取引条件を実際より著しく有利に見せる表示を禁止するのが景品表示法です。

消費者庁から、効果・性能表示について合理的な根拠資料の提出を求められた際に、資料を提出できない場合、または合理的根拠と認められない場合は、優良誤認表示とみなされる可能性があります。

薬機法と景品表示法の違い

法規・ルール主な確認観点
薬機法化粧品の効能範囲、医薬品的表現、承認外表現、虚偽・誇大広告
景品表示法優良誤認、有利誤認、効果・性能の根拠、価格表示、比較表示

詳しくは「化粧品広告の薬機法と景品表示法の違い|制作前の実務ポイント 」でもまとめています。

景品表示法上問題になりやすい表示

化粧品広告では、次のような表示について根拠との整合性を確認します。

  • 売上No.1、満足度No.1
  • 使用者の満足度
  • ビフォーアフター
  • 「最高」「唯一」「最先端」などの最上級表現
  • 通常価格、期間限定価格、割引率

化粧品広告では、次のような表示について、表示内容と客観的根拠、調査方法、比較条件、販売実態との対応を確認します。

通常価格として表示した価格で実際には販売した実績がない場合や、「本日限り」と表示しながら翌日も同じ割引を続けている場合は、有利誤認表示となる可能性があります。

なお、ビフォーアフター、効能・性能の最上級表現、他社製品との比較については、景品表示法だけでなく、薬機法および医薬品等適正広告基準上の確認も必要です。

No.1、満足度、比較、価格表示などは、薬機法とは別に景品表示法上の根拠や表示方法も確認する必要があります。「景品表示法とは?」もあわせてご確認ください。 

化粧品広告制作前に制作会社が確認すべきチェックリスト

薬機法チェックは、デザイン完成後ではなく、企画、構成案、ワイヤーフレーム、コピー案の段階で行う方が、大幅な修正を避けやすくなります。

広告基準はWebサイトやSNSなど媒体を問わず適用され、広告業務に従事する者にも正確な情報伝達が求められています。

制作会社さま側でも、クライアントから必要資料を受け取る工程を制作フローに組み込むことが有効です。

クライアントに確認すべき資料

チェック項目確認内容
商品分類一般化粧品、医薬部外品、医療機器、雑貨のどれか
販売名・表示届出・承認された販売名、パッケージ記載内容
効能効果一般化粧品の56項目か、医薬部外品の承認効能か
成分情報有効成分とその他の成分の区別、成分訴求の根拠
試験資料効果、使用感、安全性など、広告に使用するデータ
画像ビフォーアフター、肌断面図、浸透イメージ
口コミ取得方法、選定方法、効能効果の保証にならないか
No.1・満足度調査対象、調査時期、比較対象、設問、調査会社
価格・条件通常価格、キャンペーン期間、定期購入条件
媒体基準配信予定媒体の審査基準、入稿ルール

制作前に避けたい進行上の失敗

よくあるのは、デザイン完成後に薬事チェックを行い、ファーストビューから訴求ストーリー全体を作り直すケースです。

メイン訴求が「シワ改善」や「シミを消す」など一般化粧品では採用しにくい内容だった場合、一部の単語を変更するだけでは広告のロジックが成立しなくなります。コピーだけでなく、写真、図解、口コミ、導線まで修正が必要になるためです。

制作前には、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 商品分類を確定する
  2. 訴求したい効果を言語化する
  3. 承認・届出・根拠資料と照合する
  4. 使用できる訴求軸を決める
  5. 構成案とコピーを作る
  6. デザイン前に薬事・法務の確認を入れる
  7. 完成後に広告全体を再確認する

なお、訴求軸を決める段階で、承認された効能効果の範囲を超えていると企画から作り直しになる可能性があります。言葉のチェックを最後に追加するのではなく、企画設計の段階で、簡易的な薬事チェックを入れることが、修正コストを抑えるポイントです。

よくあるご相談(FAQ)

薬機法でいう化粧品とは何ですか?

薬機法上の化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚や毛髪を健やかに保つために身体へ使用されるもので、人体への作用が緩和なものです。

広告では、この定義を前提に、治療、予防、身体機能の改善などを約束していないか確認します。商品が化粧品であっても、広告全体が医薬品のような効果を約束している場合は問題になる可能性があります。

薬事法と薬機法は違う法律ですか?

現在「薬機法」と呼ばれている法律は、旧薬事法の改正に伴い名称が変更されたものです。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

現在の広告制作では薬機法を前提に確認しますが、検索ユーザーや社内担当者が旧名称を使うこともあるため、記事などでは「薬機法(旧薬事法)」と補足すると理解されやすくなります。

化粧品と医薬部外品の違いは何ですか?

一般化粧品は、厚生労働省が示す化粧品の効能範囲を基本に広告表現を検討します。一方、薬用化粧品を含む医薬部外品では、商品ごとに承認された効能効果や有効成分の範囲を確認します。

「薬用」「美白」「シワ改善」などを使えるかどうかは、商品分類だけでなく、当該商品の承認内容によって判断が変わります。制作会社さまは、依頼主から承認書や商品資料を提示してもらい、内容を確認してください。

一般化粧品で「シワ改善」と表現できますか?

一般化粧品と医薬部外品の「シワ」に関する表現は分けて確認する必要があります。

一般化粧品の効能範囲には「乾燥による小ジワを目立たなくする」が含まれています。所定の評価試験等により当該製品の効果を確認した場合に限り表現できます。なお、「シワを改善する」と同じ意味ではありません。医薬部外品でシワ改善を表現する場合も、当該商品がその効能で承認されていることを確認します。

一般化粧品で「ニキビを防ぐ」と表現できますか?

化粧品の効能範囲には、「洗浄によりニキビ、アセモを防ぐ」という表現が洗顔料について示されています。一方、「ニキビが治る」「炎症を抑える」といった治療表現とは区別が必要です。

商品が洗顔料なのか、一般化粧品なのか、医薬部外品なのかを確認し、原因や作用を省略して意味を広げていないかを検討します。

化粧品と雑貨の違いは、広告表現でも変わりますか?

商品分類そのものが広告文言だけで自由に変わるわけではありませんが、広告で医薬品的な使用目的や効能効果を標ぼうすると、雑貨として販売している商品でも薬機法上の問題が生じる可能性があります。

「雑貨だから自由に表現できる」と考えず、使用部位、使用方法、身体への作用、広告全体の約束内容を確認する必要があります。

薬機法を守れば景品表示法は確認しなくてもよいですか?

化粧品広告では、薬機法と景品表示法の両方を確認します。

薬機法上の効能効果に配慮していても、根拠のないNo.1表示、実態より著しく優れている印象を与える比較、根拠と一致しないビフォーアフター、誤認を招く価格表示などは景品表示法上の問題になる可能性があります。

制作会社は化粧品LPを作る前に何を確認すべきですか?

商品分類、販売名、承認・届出情報、表現したい効能効果、成分訴求の根拠、画像、口コミ、比較表示、No.1表示の調査資料を確認します。

薬事チェックは、デザイン完成後ではなく、企画やワイヤーフレーム、コピー案の段階で入れることが望ましいでしょう。メイン訴求が採用できない場合でも、構成段階であれば別の訴求軸へ切り替えやすくなります。

まとめ

化粧品とは、薬機法上、身体を清潔にし、美化し、皮膚や毛髪を健やかに保つなどの目的で使用され、人体への作用が緩和なものです。

制作会社さまが化粧品広告を制作するときは、次の順番で確認してください。

  1. 一般化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨などの商品分類
  2. 化粧品の効能範囲または医薬部外品の承認効能
  3. コピー、画像、口コミを含め、広告全体が約束している内容
  4. 効果・比較・No.1・価格表示を裏付ける根拠資料
  5. 掲載媒体の審査基準

特に大切なのは、NGになりそうな単語を探すだけで終わらせないことです。表現単体では穏当でも、写真や図解と組み合わさることで、治療や改善を約束する印象になることがあります。

また、危ない表現を削るだけでは、商品の違いや魅力まで失われてしまいます。制作の初期段階で商品分類と使える訴求軸を整理し、法令対応と適正な情報伝達を両立できる構成へ設計することが重要です。

個別案件の判断は、承認・届出内容、根拠資料、媒体、広告全体の印象によって変わります。判断が難しい場合は、公開直前ではなく、企画・構成段階で社内法務、薬事担当者または広告規制の専門家に確認してください。

化粧品LP(ランディングページ)やEC商品ページについて、「一般化粧品の範囲を超えていないか」「医薬部外品の承認内容と表現が合っているか」と迷っている場合は、構成案・ワイヤーフレーム・コピー案の段階で確認する方法があります。完成後の削除修正だけでなく、商品の魅力を適正に伝えるための表現調整も含めてご相談ください。

なお、化粧品広告について体系的に知りたい方は「化粧品広告の薬機法ガイド」をご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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薬機法・景品表示法を実務で使える判断力を身につける

クリエイティブの幅が広がる。 ギリギリを攻めても、手戻りしない。 300件以上の事例で判断力を鍛え、 もう実務で迷わない薬機法・景品表示法講座のイメージ画像

「薬機法マスター講座」では、300件以上の広告事例と約10時間の動画を通じて、薬機法・景品表示法を実務で使うための判断方法を学べます。NG表現の暗記ではなく、根拠をもって広告を制作・確認・修正する力を身につけたい方におすすめです。

参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。
個別の広告表現の適否は、商材、媒体、表示内容、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

「化粧品とは?」をテーマにした法人向けの日本語アイキャッチ画像。左側に「制作会社・広告代理店向け」のタグと、見出し「化粧品とは?」「薬機法上の定義と商品区分の違い」を配置。右側には中央に「化粧品」のカードがあり、「清潔・美化・健やかに保つ」「人体への作用が緩和」と記載。周囲に「医薬品」「医薬部外品」「雑貨」の小カードを配置し、化粧品との違いを整理している。下部には「商品区分を確認」「表示可能範囲を確認」「広告全体の印象を確認」の3つの確認ポイントを横並びで表示し、まとめとして「商品分類と広告表現を分けて考える」と示している。右下に「薬機法ライティング®」のロゴ入り。

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