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LPの景品表示法チェック|No.1・口コミ・価格・限定表示の注意点

景品表示法に基づくLP(ランディングページ)チェックのプロセスを図解したインフォグラフィック。「LPは4つの論点を分けて確認」というタイトルのもと、中央にLPのスマホ画面イメージを配置し、周囲に「No.1」「口コミ」「価格」「限定表示」の4つの論点とそれぞれの確認事項(調査条件、実在性、販売履歴など)を記載している。下部にはチェックの流れ(コピー、根拠、画面、販売実態)が図示されている。

LPの景品表示法チェックでは、「NGワードが入っていないか」だけを見ても足りません。

No.1表示、口コミ・体験談、通常価格からの値引き、期間限定表示は、それぞれ確認する根拠が違います。さらに、個々の表示に根拠があっても、ファーストビューからCTAまでを通して実際より優良・有利に見えるLPならNGです。

たとえば、

「顧客満足度No.1」なら調査条件、
「通常9,800円→4,980円」なら比較対照価格の販売実績、
「本日限り」なら実際の販売期間

を確認します。口コミなら、実在するコメントかだけでなく、その見せ方によって商品全体の効果を誤認させていないかまで見ます。

この記事では、制作会社や広告審査担当者がLPをどの順番で確認すればよいのかを整理します。

目次

LPは「No.1・口コミ・価格・限定」を別々に確認してから全体を見る

景品表示法では、商品・サービスの品質や効果などを実際より著しく優良に見せる表示は「優良誤認」、価格その他の取引条件を実際より著しく有利に見せる表示は「有利誤認」として禁止されます。

そのため、LPチェックでは最初から「景品表示法的に大丈夫か」と一括りにしません。

No.1や効果の口コミは、主に商品・サービスの優良性に関係します。価格、割引率、初回価格などは取引条件の有利性が中心です。

2023年10月1日からは「広告ではない第三者の口コミ」のように見せる施策なら、ステマ規制も別途確認します。広告であることを一般消費者が判別しにくい表示も景品表示法上の不当表示として規制されているのです。

これらの論点を分けたうえで、最後にLP全体から受ける印象を確認します。

事例1:「顧客満足度No.1」は調査会社の証明書だけでは判断できない

顧客満足度No.1」という表記に関するLP(ランディングページ)のNG事例を示すインフォグラフィック。美容液「LUNARÉ」の製品画像とともに「顧客満足度No.1」と強調表示されているが、右側に掲載された「満足度調査結果」では、詳細な調査条件や比較対象が不明であることを指摘している。下部には「適切な調査でNo.1と実証していないのに、断定的に『顧客満足度No.1』と表示している例」という注意書きが赤枠で記載されている。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえばLPのファーストビューに、

「顧客満足度No.1」

と大きく表示していたとします。

この記載は調査会社の報告書があるからといって、自動的に使えるわけではありません。

No.1表示自体は一律禁止ではありませんが、適切な調査に基づき、調査結果と広告表示が対応しているかを確認する必要があります。 

消費者庁のNo.1表示に関する実態調査では、主観的評価を指標とするNo.1表示について、比較対象、調査対象者、調査方法、表示と調査結果の対応などが判断上の重要な要素として整理されています。

検索上位の商品だけを比較したり、実際の利用者ではない人へ「満足度」を尋ねたりする方法では、合理的な根拠にならない場合があります。

LP審査では「第三者機関調べ」という注釈を見るより先に、調査報告書、質問票、比較対象の選定条件を確認します。

No.1表示の調査条件は「景品表示法でNo.1表示は使える?調査条件・比較対象・根拠資料の注意点」で具体的に解説しています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
LP完成後に「No.1のエビデンスをください」と確認すると、調査結果とメインコピーが合っていなかった場合にファーストビューから作り直すことになります。
No.1を主訴求にするなら、デザイン開始前に調査資料まで確認する。これは法務チェックというよりプロジェクト設計の問題です。規制確認を後工程に回したことでLP全体の作り直しにつながるケースもあります。

事例2:口コミが実在していても、そのまま広告に使えるとは限らない

健康食品のLPにおける、広告表現のNG事例を示すイメージ画像。商品「Natura Balance」の紹介とともに、複数の利用者の体験談(口コミ)を並べ、「たった1か月で驚くほど変わりました」と効果を断定的に表示している。画像下部には「NGポイント」として、個人の感想をあたかも一般的な効果であるかのように示すことは優良誤認に該当するおそれがあるとの解説が記されている。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば健康食品のLPで、

「たった1か月で驚くほど変わりました!」
「もう手放せません」

といった利用者コメントを並べるケースです。

実際のお客様が発言した言葉なら何でも掲載できる、という考え方はNGです。

まず、存在しない利用者やコメントを作ることはできません。また、広告主が高評価だけを意図的に作らせたり、広告なのに一般利用者の自主的な投稿であるかのように見せたりすれば、優良誤認やステマ規制の問題につながります。

消費者庁のステマQ&Aでも、口コミ投稿について、事業者が表示内容の決定に関与したかを具体的なやり取り等から判断する考え方が示されています。

さらに「本人の感想です」と注釈すれば、口コミが示す商品効果まで自由に広告できるわけではありません。

消費者庁は健康食品について、実際の利用者の体験談を使うこと自体が直ちに虚偽・誇大表示になるわけではない一方、架空の体験談や、肯定するよう特に依頼した内容を一般利用者の体験談のように表示する例などを問題となる表示として示しています。

健康食品以外の商品・サービスでも、景品表示法上は「口コミだから」という形式だけで判断するのではなく、その表示によって一般消費者に商品・サービスの内容をどのように認識させるかを確認します。ただし、商品区分によって別の広告規制が適用される場合があります。 

口コミを広告へ利用するときの優良誤認・ステマ規制の考え方は「口コミ・体験談は景品表示法上使える?優良誤認・ステマ規制・広告利用の注意点」で整理しています。 

事例3:「通常価格9,800円→4,980円」は通常価格の実績を確認する

通常価格9,800円、今なら4,980円」と表示しているLP(ランディングページ)のNG事例を示すインフォグラフィック。健康食品「AOJIRU PREMIUM」の製品画像とともに価格を表示しているが、右下の「NGポイント」枠では、比較対象となる9,800円での販売実績がないため、比較対照価格として表示することは不適切であると解説している。
※自社で作成したイメージ画像です

価格欄に、

「通常価格9,800円、今なら4,980円」

と表示する場合、実際に4,980円で販売しているだけでは足りません。

比較対象となる9,800円にも根拠が必要です。

消費者庁は、同一商品について「最近相当期間にわたって販売されていた価格」を過去の販売価格として比較対照価格にする場合は問題にならない一方、そのような価格とはいえない場合には、いつ、どの程度の期間販売されていた価格なのかなどを正確に表示しなければ、不当表示となるおそれがあるとしています。

制作を進める場合、商品企画書の「定価9,800円」だけを根拠にしません。

販売開始日、価格変更履歴、9,800円での販売期間、最後にその価格で販売していた時期を広告主へ確認します。

いわゆる8週間ルールについては「『通常価格9,800円のところ4,980円』は使える?二重価格表示と8週間ルールの実務ポイント」で具体的にまとめています。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
価格訴求は、コピーライターだけでは根拠を確認できないことがあります。
「通常価格はいくらですか」と聞くより、「いつからいつまで、いくらで販売していましたか」と聞くほうが必要な情報が出てきます。
広告制作で大切なのは、言葉を法律用語へ置き換えることではありません。そのコピーを裏付ける事業上の事実を確認することです。

事例4:「本日限り」「期間限定」は終了後の販売条件まで見る

家庭用美顔器のLP(ランディングページ)における、期間限定表示のNG事例を示すイメージ画像。5月15日と5月16日のそれぞれの表示例を並べて比較しており、日付が変わっても「本日23:59まで」「期間限定50%OFF」という表示内容が同じまま継続されていることを示している。画像下部の解説では、期限を過ぎても同じ条件で販売を継続しているため、期間限定であるかのように誤認させるおそれがあることが「NGポイント」として記載されている。
※自社で作成したイメージ画像です

たとえば家庭用美顔器のLP上部に、

「本日23:59まで」
「期間限定50%OFF」

と表示する場合も、期限の日付が書いてあるだけでは足りません。

本当に期限後に販売条件が変わるなら使えます。期限を過ぎても同じ条件が続くのに、「今買わなければ損」と思わせる限定表示はNGです。

価格その他の取引条件について実際より著しく有利と誤認させる表示は、有利誤認として規制されます。

また、「3日間限定商品」と大きく広告しているのに実際には供給する準備がない、供給量が著しく少ないのに限定数量を明瞭に示していない、といったケースでは、おとり広告の規制も別に確認します。

消費者庁は、実際には購入できない商品を購入できるかのように表示する場合や、著しく限られた供給量・供給期間を明瞭に表示していない場合などを「おとり広告に関する表示」として規制しています。

限定表示については、「『期間限定』『本日限り』は景品表示法上使える?販売実態・セール延長・おとり広告の注意点」で具体的にまとめています。

注釈を書けば解決するとは限らない

LP審査でよくあるのが、

「条件はページ下部に書いてあります」

という説明です。

しかし、ファーストビューで「50%OFF」「No.1」「満足度98%」を大きく見せ、重要な条件を小さな注釈や離れた場所に置けば、強調表示から受ける印象を訂正できない場合があります。

消費者庁のスマートフォンにおける打消し表示の実態調査でも、強調表示と打消し表示が離れている場合や、打消し表示を読んでも内容を理解できない場合には、商品・サービスについて実際より著しく優良・有利だと誤認されるおそれがあるとされています。

そのため、LPでは注釈の有無だけでなく、ファーストビュー、画像内コピー、CTA付近、価格欄、口コミ欄までスクロールしたときの見え方を確認します。

通販LPを価格・定期条件・申込ボタン・最終確認画面まで確認する方法は「通販LPの特商法チェック|価格・定期条件・申込ボタン・最終確認画面の注意点」で整理しています。 

LPチェックは「コピー→根拠→画面→販売実態」の順で行う

実務では、まずLP上の強い訴求を拾います。

No.1、満足度、口コミ、効果、通常価格、割引率、無料、期間限定などです。

次に、それぞれについて根拠資料を確認します。No.1なら調査資料、口コミなら元データと収集条件、価格なら販売履歴、限定表示ならキャンペーン期間と終了後の条件です。

その後、スマートフォンの実画面で確認します。

最後に、LPに書いてあることと実際の販売条件が一致しているかを広告主へ確認します。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解 
チェックリストを作るなら「No.1はNGか」「期間限定はNGか」というNGワード表にしないほうが実務的です。
「No.1の調査報告書はあるか」「比較対象は何か」「通常価格の販売期間は確認したか」「限定終了後の価格は何か」という確認項目にします。
こうしたチェックリスト化をしておくと、薬事・法務に詳しくない制作担当者でも企画段階で必要資料を集められます。法規対応を後から修正する作業ではなく、制作工程の一部にすることも可能です。

まとめ

LPの景品表示法チェックでは、単語だけを見てOK・NGを決めません。

No.1には調査根拠、口コミには実在性・収集条件と表示内容、価格には比較対照価格の根拠、期間限定には実際の販売期間・終了後の条件が必要です。

さらに、それぞれに説明材料があっても、大きな強調表示と小さな注釈を組み合わせた結果、LP全体として実際より著しく優良・有利に見えるなら問題は残ります。

制作段階では、コピーを完成させてから法務へ回すのではなく、ファーストビューで何を訴求するか決めた時点で、その根拠資料を集める。そのうえで公開画面と販売実態まで照合することが、LPの手戻りを減らす景品表示法チェックの基本です。

広告表現について体系的に理解したい場合は「景品表示法の広告表現ガイド|無料プレゼント・限定表現・No.1表示を実務向けに解説」もご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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参考情報・引用元

本記事は、以下の法令、公的機関・公式資料・関連資料を参考に、LPにおけるNo.1表示、口コミ・体験談、価格・二重価格表示、期間限定表示、ステルスマーケティング、打消し表示、おとり広告等について、景品表示法上の広告実務の観点から整理しています。
個別の広告表示の適否は、調査方法、口コミの収集条件、価格履歴、販売期間・供給条件、強調表示と注釈の位置関係、商品区分、根拠資料、LP全体から一般消費者が受ける印象などにより判断が異なるため、必要に応じて最新の公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

景品表示法に基づくLP(ランディングページ)チェックのプロセスを図解したインフォグラフィック。「LPは4つの論点を分けて確認」というタイトルのもと、中央にLPのスマホ画面イメージを配置し、周囲に「No.1」「口コミ」「価格」「限定表示」の4つの論点とそれぞれの確認事項(調査条件、実在性、販売履歴など)を記載している。下部にはチェックの流れ(コピー、根拠、画面、販売実態)が図示されている。

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