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商品カテゴリ別 化粧品広告ガイド|スキンケア・美容液・シャンプー・まつ毛美容液・口腔化粧品の薬機法表現

「商品カテゴリ別 化粧品広告ガイド」のアイキャッチ画像。左側に「訴求表現と確認ポイントを整理」「薬機法・景品表示法」と表示し、右側にスキンケア、美容液、シャンプー、まつ毛美容液、口腔化粧品の5カテゴリを線画アイコン付きカードで配置。下部には「商品区分を確認」「使用条件を確認」「表示根拠を確認」の3つの確認ポイントを横並びで示している。右下に薬機法ライティングのロゴを配置。

化粧品広告を制作していると、「肌を整える」は使えそうでも、「肌荒れを改善する」はどうなのか、「まつ毛にハリを与える」と「まつ毛が伸びる」は何が違うのか、と迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

化粧品広告は、まず一般化粧品か医薬部外品かを分けて確認する必要があります。一般化粧品は、厚生労働省が示す56項目の効能効果が基準です。薬用化粧品は医薬部外品であり、原則として各製品の承認効能効果を確認します。

商品の使用部位や使用方法によっては、56項目に掲載されている表現であっても、無条件に使えるわけではありません。

厚生労働省の解説でも、化粧品の効能効果は通知で定められた範囲を超えてはならず、複数の化粧品を同一の広告文で広告する場合も、それぞれの範囲を逸脱しないよう求めています。

この記事では、スキンケア、美容液、シワ訴求、まつ毛美容液、シャンプー、口腔化粧品について、使いやすい訴求軸と注意表現を整理しました。薬機法だけでなく、口コミ、ビフォーアフター、満足度、No.1表示など、景品表示法上の確認ポイントも解説します。

この記事の要点(まとめ)
  • カテゴリごとに効能範囲を確認する:一般化粧品の広告は56効能を基準にしますが、対象部位や使用方法との整合が必要です。一般化粧品と医薬部外品も分けて確認します。
  • 単語ではなく広告全体の印象で判断する:「改善」という単語を削るだけでは不十分です。見出し、画像、グラフ、口コミ、成分説明を合わせて、広告が何を約束しているように見えるかを確認します。
  • 構成・コピー案の段階でチェックする:LP(ランディングページ)完成後に訴求軸そのものが使えないと判明すると、大幅な作り直しにつながります。商品分類と効能範囲は企画初期に整理することが大切です。
目次

商品カテゴリ別に化粧品広告の薬機法表現を確認すべき理由

化粧品広告は、56効能の一覧から表現を選べば終わりではありません。商品の分類、使用部位、使用方法、根拠資料、広告全体の印象まで含めて確認する必要があります。

厚生労働省が示す一般化粧品の効能効果には、「肌を整える」「肌荒れを防ぐ」「毛髪にはり、こしを与える」「歯を白くする」など、部位や用途の異なる表現が含まれています。2011年には「乾燥による小ジワを目立たなくする」が追加され、現在は一般に56項目として整理されています。

ただし、歯みがき類に限定された効能を美容液に使うことはできません。同様に、洗浄によってニキビを防ぐという効能は、洗顔料であることが前提です。「56項目にあるから使える」ではなく、「この商品の用途に該当する効能か」と考えることが大切です。

医薬部外品の薬用化粧品の場合、各製品の承認効能効果を確認します。

また、薬機法第66条は、化粧品を含む医薬品等の効能・効果について、明示的か暗示的かを問わず、虚偽・誇大な広告を禁止しています。本文に直接書いていなくても、画像や体験談、グラフによって範囲外の効果を印象づければ問題になる可能性があるので注意しましょう。

一般化粧品で表現できる効能効果を一覧から確認したい方は、「化粧品で認められる56項目の効能効果とは?」もご確認ください。 

化粧品広告で最初に分ける3つの軸

  1. 一般化粧品か、医薬部外品(薬用化粧品)か
  2. 顔、頭皮・毛髪、まつ毛、口腔など、どこに使う商品か
  3. 洗い流す、塗布する、ブラッシングするなど、どのように使うか

医薬部外品は「一般化粧品より何でも強く言える商品」ではありません。薬用効能は承認範囲を起点としますが、一定の条件を満たす場合は、商品類別に対応する化粧品の効能を併記できることがあります。

薬用シャンプーに薬用リンスの効能を表示する場合も、それぞれの効能について承認を受けていなければ表現できないとされています。

薬部外品広告をカテゴリ別に確認する場合は、「医薬部外品広告はカテゴリ別にどう違う?」をご覧ください。 

商品カテゴリ別に見る主な訴求軸

商品カテゴリ検討しやすい訴求軸注意しやすい表現
スキンケア肌を整える、うるおい、乾燥防止、肌荒れを防ぐ肌荒れ改善、炎症を鎮める、ニキビ治療
美容液キメ、ハリ、ツヤ、うるおい、乾燥による小ジワを目立たなくする(所定の効能評価試験等で効果を確認した製品に限る)シミが消える、シワ改善、肌再生
まつ毛美容液外観・物理的効果や商品事実に基づくハリ・コシ・ツヤ等を個別検討伸びる、増える、発毛、抜けにくくなる
シャンプー清浄、うるおい、ハリ・コシ、フケ・カユミ発毛、育毛、薄毛改善、抜け毛予防
歯みがき類口中浄化、口臭予防、ブラッシングによる歯の清掃歯周病治療、漂白、口臭の原因を治療

ここで大事なのは、一律のNGワード表を作ることではありません。カテゴリごとに「何を対象に、どのような変化を約束しているか」を確認することです。

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
化粧品広告でよくある失敗は、社内にある「NGワード集」だけを見てコピーを修正することです。同じ「白くする」でも、スキンケア美容液と歯みがき類では前提が違いますし、「肌荒れを防ぐ」も一般化粧品で認められる表現です。大切なのは、単語を削ることではありません。商品分類、使用部位、認められた効能、画像や口コミを含む広告全体が、消費者に何を約束しているように見えるかを確認することです。

スキンケア広告の薬機法表現|肌荒れ・ニキビ・乾燥の注意点

「スキンケア広告の薬機法表現」をテーマに、肌荒れ・ニキビ・乾燥の確認ポイントを3つのカードで比較した図解。肌荒れは「防ぐ・整える」、ニキビは商品区分や洗顔料の表現、乾燥はうるおいと角質層までの浸透表現を確認する構成で、下部に「商品区分・表現・図解・注釈を横断して確認」とまとめている。

一般化粧品のスキンケア広告では、「肌を整える」「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」などが基本的な訴求軸です。「治す」「改善する」といった治療的な表現とは分けて考えます。

化粧品の56効能には、「肌を整える」「肌のキメを整える」「皮膚をすこやかに保つ」「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」などが含まれています。

肌荒れは「防ぐ」と「改善する」を分ける

「肌荒れを防ぐ」は一般化粧品の効能範囲に含まれています。

一方で、すでに生じている肌荒れや炎症を治療するような「肌荒れを改善」「炎症を鎮める」「赤みを治す」といった表現は、一般化粧品の範囲を逸脱する印象につながります。

実務では、次のように訴求軸を整理します。

注意しやすい表現表現設計の方向
荒れた肌を改善する肌荒れを防ぎ、すこやかに保つ
炎症を鎮める肌を整える
バリア機能を修復する乾燥から肌を保護する
敏感肌を治す肌を保護し、乾燥を防ぐ

「バリア」という言葉を使っただけで直ちに問題になるわけではありません。ただし、「壊れたバリア機能を修復する」「皮膚機能を正常化する」など、生理機能そのものを治療・回復させる印象になっていないか確認する必要があります。

ニキビ表現は商品形態を確認する

56効能には「洗浄によりニキビ、アセモを防ぐ」とありますが、洗顔料に限定された効能です。一般化粧品に分類される化粧水や美容液について、「ニキビを防ぐ」と一般化してよいという意味ではありません。

また、一般化粧品・医薬部外品の洗顔料であっても「ニキビが治る」「ニキビ跡が消える」「炎症性ニキビを改善する」まで広げるのは広告上リスクのある表現です。

具体的な線引きは「化粧品広告で『ニキビを治す』は使える?」で詳しく解説しています。 

乾燥は使いやすいが、作用の深さに注意する

「うるおいを与える」「乾燥を防ぐ」は、スキンケア広告で使いやすい訴求です。ただし、「肌の奥深くまで浸透」は、「角質層まで」との注釈があっても、自主基準上不適切とされる例です。

日本化粧品工業会の自主基準では、肌への浸透表現は角質層の範囲内とされています。

一般化粧品の浸透表現は、原則として「角質層まで」の範囲が分かる表示にします。単に小さな注釈を付けるだけだったり、キャッチコピーや図解を含めた全体で、真皮や細胞への作用を印象づける表現になっていたりしないか確認しましょう。

美容液広告の薬機法表現|シミ・シワ・ハリ・肌再生の注意点

一般化粧品の美容液では、うるおい、キメ、ハリ、ツヤ、肌を整えるといった訴求が可能です。「シミが消える」「シワを改善する」「肌を再生する」などは、医薬品・医薬部外品的な効能を印象づけやすいため注意します。

美容液は「高濃度」「集中ケア」といった見せ方が多く、スキンケア商品の中でも効能訴求が強くなりやすいカテゴリです。

美容液広告で使いやすい訴求軸

一般化粧品では、次のような方向が検討できます。

  • 皮膚にうるおいを与える
  • 肌のキメを整える
  • 肌にはりを与える
  • 肌にツヤを与える
  • 肌を滑らかにする
  • 乾燥による小ジワを目立たなくする

これらは56効能に沿う表現ですが、対象製品の実態や使用目的に該当する効能であることが前提です。特に「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表現については、所定のガイドラインに基づく試験、または同等以上の適切な試験による確認と、資料の保管が求められています。

シミ・美白表現の注意点

一般化粧品で「シミが消える」「メラニンを抑制する」「美白有効成分が効く」と表現すると、一般化粧品の56効能を超え、既存のシミの改善や、薬用化粧品として承認された美白効能があるような誤認につながります。

「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」は56効能に含まれますが、日やけを防ぐ商品としての使用目的・実態との整合が必要です。「今あるシミを薄くする」「できたシミを排出する」という意味ではありません。

メーキャップ効果で肌を明るく見せる場合は、その効果であることが分かるようにします。「メーキャップ効果により」など、物理的な仕上がりであることを明確にすることがポイントです。

既存のシミの除去、日やけによるシミ予防、メーキャップによるカバーの違いは、「化粧品広告で『シミが消える』は使える?」で整理しています。 

肌再生・細胞表現の注意点

「肌再生」「細胞を活性化」「幹細胞に働きかける」「ターンオーバーを正常化」といった表現は、人体の構造や生理機能へ直接作用する印象があります。

成分について研究データが存在していても、そのデータを商品広告にそのまま転用できるとは限りません。広告で示す内容に応じ、配合量、製剤、使用条件等との対応や、必要に応じて最終製品の資料を確認します。

化粧品広告のシワ表現|乾燥小ジワとシワ改善は分けて考える

一般化粧品の効能効果として認められているシワ関連表現は、一定の条件を満たした「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効能です。「シワ改善」「深いシワをなくす」「ほうれい線を解消する」と同じ意味ではありません。

「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、2011年に化粧品の効能として追加されました。表示するには、製造販売業者の責任で、日本香粧品学会の評価ガイドラインに基づく試験または同等以上の試験を実施し、効果を確認することが求められています。

乾燥小ジワとシワ改善の違い

表現一般化粧品での考え方
乾燥による小ジワを目立たなくする所定の評価・根拠がある製品で検討
小ジワを目立たなく見せるメーキャップ効果なら、その旨を明示して検討
シワを改善する一般化粧品の範囲を超える
深いシワをなくす治療・構造変化の印象が強い
ほうれい線を改善する乾燥小ジワの範囲を超える印象が強い
真皮のコラーゲンを増やす人体組織への作用を標ぼうする印象が強い

医薬部外品としてシワ改善の承認を受けた商品であれば、承認された効能効果や作用機序に沿って広告を設計します。ただし、「承認されているから、どのシワにも無制限に使える」という考え方ではありません。

作用機序を説明する場合は、医学・薬学上認められ、承認効能の範囲を超えず、保証的な見せ方にならないことを確認します。商品ごとの承認資料を確認し、表現内容や画像との整合性を確認する必要があります。

一般化粧品の乾燥小ジワと、医薬部外品のシワ改善、ハリ表現の違いは、「化粧品広告で『シワ改善』は使える?」で詳しく解説しています。 

ビフォーアフター画像にも注意する

文章で「乾燥による小ジワ」と書いていても、画像で深いシワやほうれい線が消失したように見せれば、広告全体として「シワを改善する」と受け取られる可能性があります。

シワ表現では、コピーだけでなく、撮影条件、照明、表情、加工、使用期間、対象者の選定、注釈の見やすさまで確認する必要があります。

これらの条件を整えても、商品区分や承認・効能範囲を超える画像が許容されるわけではありません。

まつ毛美容液広告の薬機法表現|「伸びる」「増える」に注意

化粧品のまつ毛美容液では、商品の特性や事実に基づくハリ・コシ・ツヤの表現や、コーティングなどによる外観上の効果は、個別に検討できます。一方で育毛、発毛、増毛、長く伸ばすといった効能は広告上のリスクが生じます。

厚生労働省が紹介する国民生活センターの調査では、化粧品は毛髪にハリ、コシ、ツヤを与える等の効能をうたえる一方、まつ毛の育毛効能をうたうことは認められていないと整理されています。また、頭髪用の医薬部外品育毛剤についても、まつ毛への適用は承認されていない点が示されています。

表現設計の例

注意しやすい表現表現設計の方向
まつ毛が伸びるハリ・コシを与える
まつ毛が増えるすこやかに保つ
発毛を促進する日々のまつ毛ケア
抜けにくいまつ毛にするまつ毛のコーティング効果
濃密まつ毛になるメイク時の印象やツヤ感へ訴求軸を変更

「ボリューム感」という表現も、何によるボリュームなのかがポイントです。美容液によってまつ毛そのものが増える印象であれば注意が必要ですが、マスカラ等のメーキャップ効果で太く見せる場合は、その仕組みを明確にできます。

口コミ・写真を含めて確認する

本文をハリ・コシ表現に整えても、口コミに「3週間で伸びました」、比較画像に「本数が増えた」ような写真があれば、全体として育毛・発毛効果を訴求しているように見えます。

自発的に投稿された外部プラットフォーム上の口コミと、それを事業者が選定して自社LPに掲載する場合は分けて考えます。自社LPに引用したコンテンツは、自社広告の構成要素として、認められた効能効果の範囲内であるかを確認する必要があります。

なお、商品説明を整えても、「伸びた」「増えた」という口コミや比較画像で育毛効果を暗示することがあります。口コミ・ビフォーアフターの扱いは「化粧品の口コミは薬機法違反になる?」もご確認ください。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
まつ毛美容液では、「伸びる」「増える」という言葉を使っていなくても、比較写真や「1か月で変化を実感」といった口コミによって、育毛効果を印象づけてしまうことがあります。
文言だけ直しても、クリエイティブ全体が同じ効果を語っていれば十分ではありません。まつ毛そのものの成長を約束するのではなく、見た目のハリ・コシ、ツヤ、日々のケア、メイク時の印象など、化粧品として伝えられる価値へ訴求軸を移すことがポイントです。

シャンプー広告の薬機法表現|育毛・発毛・抜け毛予防に注意

一般化粧品のシャンプーでは、頭皮・毛髪の清浄、うるおい、ハリ・コシ、ツヤ、フケ・カユミなどを訴求できます。一方、育毛、発毛、薄毛改善、抜け毛予防とは分けて考えます。

化粧品の効能には、「頭皮、毛髪を清浄にする」「頭皮、毛髪をすこやかに保つ」「毛髪にはり、こしを与える」「フケ、カユミを抑える」などが含まれています。

なお、育毛や抜け毛予防を訴求する場合は、一般化粧品のシャンプーと、育毛効能を承認された医薬部外品を分けて確認します。カテゴリ別の医薬部外品広告については「医薬部外品広告はカテゴリ別にどう違う?」で整理しています。 

シャンプーで使いやすい効能表現

  • 頭皮、毛髪を清浄にする
  • 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
  • 毛髪にハリ・コシを与える
  • 頭皮、毛髪にうるおいを与える
  • 毛髪をしなやかにする
  • フケ、カユミを抑える
  • 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ

育毛・発毛表現の注意点

訴求テーマ注意しやすい表現表現設計の方向
発毛髪が生える、発毛促進頭皮・毛髪をすこやかに保つ
育毛育毛シャンプー育毛効能を標ぼうする場合は、育毛剤等として当該効能の承認を受けているか確認
抜け毛抜け毛を防ぐ、抜け毛が減る毛髪をすこやかに保つ、切毛を防ぐ
薄毛薄毛を改善するハリ・コシ、スタイリングによるボリューム感
頭皮環境発毛しやすい頭皮環境へ清浄、うるおい、すこやかに保つ

「頭皮を清浄にし、すこやかに保つ」は便利な表現ですが、その直後に「抜け毛に悩む方へ」「髪が生える土台づくり」と続けば、発毛・育毛を暗示することがあります。前後のコピーや図解を含めて確認しましょう。

薬用シャンプーについても、「薬用だから育毛と言える」とは限りません。フケ・カユミ、毛髪・頭皮の清浄など、実際に承認された範囲を確認します。

歯みがき類広告の薬機法表現|歯みがき・ホワイトニング・口臭表現

歯みがき類では、「歯を白くする」「口臭を防ぐ」など、化粧品の効能として認められている表現があります。ただし、ブラッシングを前提とする効能や、治療・漂白とは区別する必要があります。

ここは、実務で誤解されやすいポイントです。「歯を白くする」という表現は一律に禁止されているわけではありません。化粧品の56効能には、使用時にブラッシングを行う歯みがき類について、「歯を白くする」「歯垢を除去する」「歯のやにを取る」「歯石の沈着を防ぐ」が含まれています。また、歯みがき類について「口中を浄化する」「口臭を防ぐ」も認められています。

なお、薬用歯みがきやオーラルケアの承認効能については、一般化粧品の歯みがき類とは別に医薬部外品として確認します。 

「歯を白くする」と「漂白する」は違う

通知上、「歯を白くする」はブラッシングを行う歯みがき類に限定されています。実務では、ブラッシングによる着色汚れの除去等、商品の作用実態と整合しているかを確認します。

次のような表現は、別の効能を印象づけるため注意します。

注意しやすい表現主な確認ポイント
歯を漂白する歯の内部の色を化学的に変える印象がないか
黄ばみを分解する成分による漂白・治療的作用を示していないか
本来の歯以上に白くするブラッシングによる清掃範囲を超えていないか
歯周病を治す一般化粧品では効能範囲外。薬用歯みがきでも、「予防」の効能を「治療」「改善」へ広げられない
歯ぐきの炎症を改善する一般化粧品か医薬部外品かを確認する
口臭の原因菌を殺菌する商品区分、当該商品の承認効能、有効成分の作用機序、根拠資料を確認する

「ホワイトニング」は意味の幅が広い言葉です。言葉単独で判断せず、「汚れを除去して歯を白くする」のか、「歯そのものを漂白する」のかを、画像や説明文を含めて確認します。

口臭表現は原因治療に広げない

「口臭を防ぐ」は歯みがき類の効能範囲です。一方で、「胃から来る口臭を治す」「歯周病菌を除去して口臭を根治する」など、疾病原因を治療する表現とは分けます。

化粧品広告では景品表示法も確認する

薬機法・景品表示法・特定商取引法を横断して確認する必要性を示した、化粧品広告の法規チェック図。中央の「化粧品広告」から、「薬機法・広告基準」「景品表示法」「景品表示法|ステマ規制」「特定商取引法」の4項目へ線がつながり、それぞれ効能範囲、根拠・比較、広告であることの明瞭性、価格・解約条件などの確認点を整理している。下部には、Before/After、満足度、期間表示、専門家の推薦、口コミ、No.1表示、PR投稿の7つの表示例と、「表示内容・広告素材・遷移先を一体で確認」というまとめを掲載。

薬機法上の効能範囲内でも、具体的な効果・性能、数値、比較等を表示する場合は、表示内容に対応する合理的根拠があるか、実際より著しく優良に見せていないかを景品表示法上も確認します。

消費者庁は、効果・性能に関する表示について、事業者に合理的な根拠資料の提出を求められる「不実証広告規制」を説明しています。提出されない場合や、表示を裏付ける資料と認められない場合には、不当表示とみなされる、または推定される仕組みです。

つまり、化粧品で表現できる効能の範囲と、No.1・満足度・比較表示の根拠確認は別の論点です。詳しくは「化粧品広告の薬機法と景品表示法の違い」で両者の役割をまとめています。

薬機法と景品表示法は確認対象が異なる

確認する法律・基準主な確認内容
薬機法・医薬品等適正広告基準効能範囲、虚偽・誇大、保証、広告全体
景品表示法優良誤認・有利誤認、根拠、比較・数値事業者の表示であることの明瞭性(ステルスマーケティング規制)
特定商取引法通販広告、申込内容、価格・解約条件、最終確認画面

ビフォーアフター・口コミ・満足度

次の表示は、薬機法と景品表示法を横断して確認します。

  • ビフォーアフター画像
  • 「使用者の90%が実感」などの満足度
  • 「3日で変化」などの期間表示
  • 医師・専門家・美容家の推薦
  • 利用者の口コミ
  • ランキング・No.1表示
  • インフルエンサー投稿

自社広告に掲載する体験談は薬機法上の広告素材として確認します。さらに、事業者が内容を作成・選定・編集した場合は、ステマ告示上も事業者の表示に当たるかを確認します。

「個人の感想です」という注記だけで、範囲外の効能や保証的な印象が解消されるとは限りません。

No.1表示は調査設計まで確認する

消費者庁のNo.1表示に関する報告書では、主観的評価によるNo.1表示の合理的根拠について、少なくとも次の4点を満たす必要があると整理されています。

  1. 比較する商品等が適切に選定されている
  2. 調査対象者が適切に選定されている
  3. 公平な方法で調査されている
  4. 表示内容と調査結果が適切に対応している

「調査会社が作成した資料だから大丈夫」と判断せず、対象商品、回答者、質問文、調査時期、表示との対応を広告主側でも確認しましょう。

化粧品広告でNo.1・満足度を使う場合の比較対象、調査対象者、質問内容、根拠資料については、「化粧品広告でNo.1・満足度表示は使える?」で詳しく解説しています。 

PR投稿・インフルエンサー広告

事業者が表示内容の決定に関与した投稿については、広告であることが一般消費者に分かるようにする必要があります。消費者庁は、広告であることを隠した表示をステルスマーケティングとして規制しています。

投稿を見る一般消費者が、広告に接する段階で容易に認識できる位置・大きさ・色・表示時間になっているかを確認します。

なお、インフルエンサーへの依頼や商品提供では、薬機法上の表現確認とは別に、広告であることを明瞭に示す必要があります。「ステルスマーケティング規制」もあわせてご確認ください。 

商品カテゴリ別|化粧品広告チェックリスト

商品カテゴリ別の広告チェックは、表現を削るためではなく、制作後半での大幅な手戻りを防ぎ、適正な情報伝達と商品の魅力を両立させるために行います。

構成案やワイヤーフレームの段階で、以下の項目を確認してください。

商品分類と効能範囲

  • 一般化粧品か医薬部外品かを確認した
  • 医薬部外品の場合、承認された効能効果を確認した
  • 化粧品の場合、56効能のどれに該当するか確認した
  • 商品の使用部位・使用方法に合う効能か確認した
  • 成分データと最終製品の効果を混同していない
  • 浸透表現の到達範囲を確認した

カテゴリ別の注意表現

  • スキンケアで「治す」「炎症改善」等を使っていない
  • 洗顔料以外でニキビ予防を一般化していない
  • 美容液で「シミが消える」「肌再生」等を使っていない
  • 乾燥小ジワとシワ改善を混同していない
  • まつ毛美容液で「伸びる」「増える」等を使っていない
  • シャンプーで育毛・発毛・抜け毛予防を暗示していない
  • 口腔化粧品でブラッシング効能と漂白を混同していない
  • 医薬部外品の承認範囲を一般化粧品へ流用していない

画像・口コミ・数字表現

  • ビフォーアフター画像が文章以上の効能を示していない
  • 画像加工、照明、表情などの撮影条件を確認した
  • 口コミで効能効果を保証していない
  • 「実感」「即効」「確実」等を強調していない
  • 満足度、アンケート、ランキングの調査資料がある
  • No.1表示と調査結果が対応している
  • インフルエンサー投稿に明瞭な広告表示がある

制作工程

  • 商品企画・訴求設計段階で確認を入れた
  • 構成案・ワイヤーフレームを薬事担当者と共有した
  • コピーだけでなく画像・動画・注釈も確認した
  • 媒体独自の審査基準を確認した
  • 修正履歴と根拠資料を保管した
  • EC・定期購入について特定商取引法も確認した

美容液と美顔器など、化粧品と美容機器を組み合わせる広告では、機器側が医療機器に該当しないかを別途確認します。詳しくは「医療機器該当性で迷ったら」で判断軸をまとめています。また、ECや定期購入では、薬機法・景品表示法に加えて、初回価格、総額、解約条件、最終確認画面について特定商取引法も確認します。 

江良公宏

薬機法・景品表示法・医療広告などの広告表現支援に15年間携わってきた江良公宏の実務見解
40,000件以上の広告表現支援に関わる中で、大幅な手戻りが起きる案件には共通点があります。完成したLPを最後にチェックし、そこで初めて訴求軸が使えないと分かることです。メインストーリーが「シワ改善」や「発毛」を前提にしていれば、単語の言い換えだけでは広告が成立しません。商品分類と効能範囲は、コピー完成後ではなく、企画・構成案・ワイヤーフレームの段階で確認することが重要です。

よくあるご相談(FAQ)

化粧品の56効能にある表現なら、どの商品にも使えますか?

いいえ。56効能には、肌、頭皮・毛髪、口唇、爪、歯みがき類など、異なる商品用途の表現が含まれています。「歯を白くする」はブラッシングを行う歯みがき類が前提であり、「洗浄によりニキビを防ぐ」は洗顔料が対象です。商品分類、使用部位、使用方法に合う効能かを確認してください。

一般化粧品で「肌荒れ改善」と表現できますか?

一般化粧品の56効能には「肌荒れを防ぐ」が含まれていますが、「肌荒れを改善する」「炎症を治す」といった、すでに生じている症状への治療・回復を示す表現とは分ける必要があります。「肌を整える」「肌をすこやかに保つ」などへ単純に置き換えるだけでなく、画像や口コミも含めて治療効果を暗示していないか確認します。

一般化粧品の美容液で「美白」と表現できますか?

一般化粧品では、メラニン生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐという医薬部外品的な美白効能を標ぼうすることはできません。メーキャップによって肌を明るく見せる場合や、日やけを防ぐ商品として通知の範囲内の表現を検討する場合は、何による効果なのかを明確にします。薬用美容液では、商品ごとの承認内容を確認します。

「乾燥による小ジワを目立たなくする」は自由に使えますか?

自由に使える表現ではありません。製造販売業者の責任で、所定の評価ガイドラインに基づく試験、または同等以上の適切な試験を行い、効果を確認した製品で使用を検討します。また、「シワ改善」「深いシワをなくす」「ほうれい線を解消する」へ意味を広げないことも必要です。

まつ毛美容液で「まつ毛が伸びる」と言えますか?

化粧品のまつ毛美容液で、まつ毛の育毛、発毛、増毛を効能として訴求することはできません。文章だけでなく、比較写真や「本数が増えた」という口コミによって成長効果を暗示していないかも確認してください。

歯みがきで「歯を白くする」と表現できますか?

ブラッシングを行う歯みがき類については、「歯を白くする」が化粧品の効能として認められています。ただし、表面の汚れを落とす範囲と、歯の内部を漂白する効能は分けて考えます。「漂白」「黄ばみを化学的に分解」「本来の歯色以上に白くする」などの印象になっていないか確認が必要です。

薬機法に沿っていれば、満足度やNo.1表示も問題ありませんか?

薬機法上の効能範囲に収まっていても、表示を裏付ける合理的な根拠がなければ景品表示法上の問題となる可能性があります。No.1表示では、比較対象、調査対象者、調査方法、表示と結果の対応を確認します。満足度についても、対象者、質問内容、調査時期、母数、集計方法を資料として保管することが大切です。

まとめ

スキンケアでは肌を整える、うるおい、肌荒れを防ぐといった訴求軸があります。美容液やシワ訴求では、シミ除去、シワ改善、肌再生と、一般化粧品の効能範囲を区別します。まつ毛美容液では育毛・発毛、シャンプーでは薄毛・抜け毛予防、口腔化粧品ではブラッシングによる清掃と漂白・治療を混同しないことが重要です。

そして、確認対象はコピーだけではありません。画像、動画、口コミ、グラフ、成分説明、No.1表示、PR投稿を合わせて、広告全体が消費者に何を約束しているように見えるかを確認します。

個別案件では、一般化粧品か医薬部外品か、承認・届出内容、表示根拠、媒体基準によって判断が変わります。完成後に表現だけを直すのではなく、企画・構成案の段階から確認体制を組み込むことが、手戻りを減らし、法令対応と伝わる表現を両立させる近道です。

スキンケア、美容液、まつ毛美容液、シャンプー、口腔化粧品では、確認すべき効能範囲が異なります。LP・記事広告・SNS広告について、商品分類と広告全体の印象を踏まえた広告表現チェックをご相談いただけます。

なお、化粧品広告について体系的に知りたい場合は「化粧品広告の薬機法ガイド」をご覧ください。

広告規制を守るだけでなく、商品の価値や訴求力を保ちながら表現を組み立てる考え方については、「薬機法ライティング®とは|薬機法対応と訴求力を両立する広告表現の考え方」で詳しく解説しています。

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薬機法・景品表示法を実務で使える判断力を身につける

クリエイティブの幅が広がる。 ギリギリを攻めても、手戻りしない。 300件以上の事例で判断力を鍛え、 もう実務で迷わない薬機法・景品表示法講座のイメージ画像

「薬機法マスター講座」では、300件以上の広告事例と約10時間の動画を通じて、薬機法・景品表示法を実務で使うための判断方法を学べます。NG表現の暗記ではなく、根拠をもって広告を制作・確認・修正する力を身につけたい方におすすめです。

参考情報・引用元

本記事は、以下の公的機関・公式資料・関連資料を参考に、広告実務の観点から整理しています。
個別の広告表現の適否は、商材、媒体、表示内容、根拠資料、広告全体の印象などにより判断が異なるため、必要に応じて公的資料や専門家への確認を行ってください。

免責事項

本記事は、法令、通知、ガイドラインその他の公的資料を、各資料の参照日時点で確認したうえで作成しています。
内容の正確性には十分配慮していますが、法令・行政運用の変更や個別事情により判断が異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の広告表現の適法性を保証するものではありません。
実務への適用にあたっては、最新の公的資料をご確認のうえ、必要に応じて所管行政機関または専門家へご相談ください。誤り等が判明した場合は、確認のうえ訂正・更新します。

「商品カテゴリ別 化粧品広告ガイド」のアイキャッチ画像。左側に「訴求表現と確認ポイントを整理」「薬機法・景品表示法」と表示し、右側にスキンケア、美容液、シャンプー、まつ毛美容液、口腔化粧品の5カテゴリを線画アイコン付きカードで配置。下部には「商品区分を確認」「使用条件を確認」「表示根拠を確認」の3つの確認ポイントを横並びで示している。右下に薬機法ライティングのロゴを配置。

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